結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30400(T2001−30400/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1815853号商標(以下「本件商標」という。)は、「リーブル」の片仮名文字と「LIBRE」の欧文字を上下二段に書してなり、昭和57年8月17日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和60年10月31日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,失禁用おしめ,紙製幼児用おしめ,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子及びこれらの商品に類似する商品」についての登録は、商標法第50条第1項の規定によりこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1.請求人は、第9類「ポリエチレン・ポリ塩化ビニル等のプラスチックポリマーフィルムからなる業務用使い捨て手袋,ポリエチレン・ポリ塩化ビニル等のプラスチックポリマーからなる業務用キャップ,ポリエチレン・ポリ塩化ビニル等のプラスチックポリマーの不織布からなる業務用マスク,ポリエチレン・ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムからなる業務用エプロン,ポリエチレン・ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムからなる業務用アームカバー」を指定商品とした、商標登録出願をした(商願2000−025351)ところ、該商標登録出願は、本件商標と同一又は類似であって、その指定商品も同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶理由通知を受けている。
したがって、請求人は、本件商標は請求の趣旨に記載の指定商品につき商標法第50条に該当するものであると考える。
2.答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、乙第1号証の1ないし乙第2号証の2を示し、平成9年4月20日、被請求人の社内現局担当者が、被請求人と株式会社東京スタイル(以下「東京スタイル」という。)との間で、東京スタイルを通常使用権者とする商標使用についての契約を締結し、その後当該契約を更新したと述べている。
しかしながら、被請求人の契約当事者は繊維マーケティング部長であり、被請求人の代表権限を有していないものと解されるため、当該商標の使用許諾契約が有効になされたものと認めることができない。さらに、このように有効とは解されない契約によって通常使用権者とされる東京スタイルは、商標原簿に本件商標の通常使用権者であるという登録がなされていない(甲第1号証)ので、東京スタイルが通常使用権者であるとの被請求人の主張を認めることはできない。
したがって、請求人は、通常使用権者による商標の使用であるとの被請求人の主張は認めることができない。
(2)被請求人は、乙第3号証(「企画コード&品種コード一覧表」、以下「コード表」という。)を示すが、これは内部文書であり、取引を表す書類とはいえないとともに、どのような商標がどのような商品に使用されているかも特定できるものではない。また、上記「コード表」は「平成6年3月1日現在」と記載された文書であり、本件審判請求時よりもかなり古い時期のものである。
さらに、被請求人は、コード番号単独で取引がなされると主張するが、コード番号の使用が登録商標の使用に該当するとの主張は到底認めることはできない。
したがって、乙第3号証は、商標の使用の事実を証する書面とは認められない。
(3)被請求人は、本件商標が本件審判の取消対象の商品に具体的に使用される旨を主張するが、乙第4号証は、ラベル現品見本と題される書面として大ラベル及び中ラベルをそれぞれ貼り付けてなる書面であって、乙第4号証はいつ製作されたものか、具体的にどのような商品に付けられて用いられているかを全く証明することができないものである。すなわち、乙第4号証は、商標の使用の事実を証する書面とは認められない。
(4)乙第5号証の1ないし7は、印刷会社である株式会社隆文堂(以下「隆文堂」という。)が平成11年11月16日、同年12月5日(3件)、同年12月14日、同年12月23日(2件)に発行したものと思われる物品受領書と推察される。この物品受領書の品名にはそれぞれ番号「299−50186」、「291−55314」、「291−55308」、「291−55306」、「291−75322」、「291−75343」等の記号、「リーブル(大)」等が記載され、反番に名称が表示されているが、これはラベルの受領書であり、本件商標を商品「被服等」に用いた書面とは認められない。したがって、乙第5号証の1ないし7は、本件商標の使用の事実を証する書面とは認められない。
被請求人は、乙第5号証の1ないし7につき、コード表に従ってコードやデザイン番号が記載されていると主張するが、前述のとおり、このようなコードやデザイン番号そのものが自他商品の識別記号とされているのであり、到底商標の使用と認めることはできない。
(5)被請求人は、乙第6号証、乙第7号証の1Aないし4に関して、番号等の意味を縷々説明しているが、前述のとおり、これらの番号は商標ではない。
乙第6号証は、織ネーム現品見本として大小並びに黒白合計4枚の布片が貼り付けられているが、これらの布片はいつ製造されたものであるか、どのような商品に付けられるものであるかが全く不明であり、商品「被服等」に本件商標が使用されているものとは認めることができない。
乙第7号証の1Aは、「ネーム(C)」と表示された文書であり、同1Bは、タイトルの表示のない文書であるが、いずれもその作成者を認めることができない。これらの文書には東京スタイルのネームと推察される布片が粘着テープにて貼り付けられているが、この文書に貼り付けられたネームからすると、この文書は貼り付けられたネームの製造加工に関する文書であると思われ、商品「被服等」に本件商標が表示されたものとは認められない。
乙第7号証の2A及び2Bは、いずれも株式会社ケーユーマーク(以下「ケーユーマーク」という。)の納品伝票控(A)と思われる。乙第7号証の2Aは、納入が1999年9月2日、加工番号が29−0500−8とされ、299−35147の品番の下にネームが納品されたことが伺われ、また、2Bは、納入が1999年9月9日、加工番号が29−0505−3とされ、299−35150の品番の下にネームが納品されたことが伺われる。
しかしながら、乙第7号証の2A及び2Bは、いずれもネームの納品伝票にすぎないものであり、商品「被服等」につき本件商標を使用しているものとは認められない。
乙第7号証の3は、ケーユーマークの99年9月20日締切の請求明細書と思われる。ここには、伝票番号が表示されているが、商品「被服等」につき本件商標を使用しているものとは認められない。
乙第7号証の4は、東京スタイル作成の「お支払い明細書」と思われるが、この明細書には伝票番号及びコード、仕入額等が記載されているが、商品「被服等」につき本件商標を使用しているものとは認められない。
したがって、乙第6号証、乙第7号証の1Aないし4は、本件商標の使用の事実を証する書面とは認められない。
(6)被請求人は、乙第8号証として、実際に「ジャケット」「ニットセーター」にラベルや織ネームが縫いつけられている写真を提出しているが、写真の撮影年月日が平成13年6月29日とされ、撮影場所が東京スタイル応接室、撮影者が被請求人社員赤木とされているが、この撮影年月日は、本件審判請求日である平成13年4月6日以降であるとともに、本件審判請求の予告登録日である平成13年5月9日以降であり、商標法第50条第2項の審判請求の登録前の使用という要件を満たしたものではない。
また、この写真は、東京スタイルの応接室にて撮影されたものであり、現実の取引市場において取り引きされている実情を証明するものでもない。
したがって、乙第8号証は、本件審判請求の登録前における登録商標の使用の事実を証する書面とは認められない。
(7)被請求人は、被服に属する商品に本件商標が使用され、販売先に納品されていた証拠として、乙第9号証を提出している。しかしながら、乙第9号証は、チェーンストア統一伝票の納品書(控)の写しと思われるもので、文書の作成者が不明であるとともに、品名の記載があるもののその他は規格番号のみが記載されており、商品「被服等」について本件商標が表示されていると認めることができない。
したがって、乙第9号証は、本件商標の使用の事実を証する書面とは認められない。
3.以上のとおり、被請求人は、本件審判請求に係る登録商標について本件商標の使用の事実につき縷々説明しているが、本件商標が商品「被服等」のそのものに表示された状態を示されているもの、若しくは、本件商標のもとに商品「被服等」が宣伝、表示されているものとは認め難いものである。
また、被請求人は、コード番号単独でも商品の取引がなされている旨述べているが、コード番号による取引について商標の使用を認めることはできない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証(枝番を含む。)を提出した。
1.本件商標は、以下に述べるように、その指定商品中の「被服」に属する「セーター、コート、ジャケット、スカート、ズボン(パンツ)」(以下、被請求人の主張に限りこれを「使用商品」という。)について、被請求人に本件商標の使用を許諾された会社により本件審判の請求の登録前3年以前より継続的に使用されている。
2.通常使用権者について
被請求人は、東京スタイルに対し、被請求人の社内現局担当者が1996年(平成8年)12月13日付で、東京スタイルに対する本件商標の婦人服全般についての「商標使用申込書」(乙第1号証の1)を受け、被請求人と東京スタイルとの間で「商標使用についての契約書」(契約期間;平成9年4月1日から平成12年3月31日まで)を、平成9年4月20日付で締結した(乙第1号証の2)。
さらに、東京スタイルより同契約を更新する意向により、再び被請求人の社内現局担当者から2000年(平成12年)3月16日付の「商標使用申込書」(乙第2号証の1)の申し込みを受け、この時の「商標使用における契約書」は平成12年4月5日付で締結し(乙第2号証の2)、契約期間を平成12年4月1日から平成15年3月31日までとして、現在も有効に継続しているものである。
3.取引に使用される商品のコード番号について
東京スタイルは、被服の製造、販売に先立ち、取引におけるミスを防止するため、「コード表」(乙第3号証)を平成6年3月1日に作成し現在までの取引に使用している。
上記コード表は、数多くのブランドを、扱い部署ごとに明確にし、そのブランドごとに存在する数多くの商品アイテム、色、デザイン、扱い時期を区別し、すべてをコード番号化したもので、コード番号が取引内容の確認においては確実で間違いがないものとして、コード番号単独でも取引に使用され、現在の少量、かつ、多品種の流通に対応するPOSコード番号と連動している。
取引で使用されるコード番号は「××○−△△***」若しくは「××○△△***」として用い、8つの数字で構成され、それぞれが以下の意味を表している。
ア.「××」は、「企画コード@=ブランド名 」(ちなみに「29」は、本件商標)
イ.「○」は、「季節コード(社内規程)」(1、4、7=春物、2、5、8=夏物、3、6、9=秋冬物;数字で扱い時期を分類)
ウ.「△△」は、「品種コード@=アイテム別」(コート、ジャケットなど)
エ.「***」は、「デザイン番号」(任意に割り付け)
4.使用の事実について
(1)東京スタイルは、本件商標の欧文字部分の「LIBRE」を表面に、片仮名文字部分「リーブル」を裏面に表示し、使用商品に付す「大」と「中」のラベルの制作を隆文堂に委託している。当該「ラベル」の実物を提出する(乙第4号証)。
乙第5号証の1ないし7に示す「物品受領書」は、平成11年11月から12月に取り引きされたもので、隆文堂が東京スタイル宛に発行し、東京スタイルがラベルの受領の確認を意味する「検収」印を押し、隆文堂に返送したものである。
「物品受領書」の「反番」欄には「リーブル(大)」、「リーブル(中)」、「リーブル糸付き」等が表示されコード番号だけでなく、本件商標の「リーブル」でも取り引きされる。例えば、乙第5号証の1の品名欄に表示のコード番号「299−50186」のラベルについては左桁から「29」は、上記のコード表に記載のブランド名を意味するコード番号であり本件商標の「リーブル」であること、次の数字「9」は「秋冬物」であること、その次の数字の「50」は「海外仕入コート」であることが分かり、最後の数字「186」はデザイン番号である。よって当該ラベルが本件商標「LIBRE/リーブル」で「コート」に付すものであることも示している。
(2)東京スタイルは、使用商品に縫い付ける本件商標が表示された「織ネーム」と「品質表示タグ」の制作をケーユーマークに委託している。当該「織ネーム」の実物を提出する(乙第6号証)。
「織ネーム」と「品質表示タグ」については、東京スタイルの担当者は、出荷の指図としての書類(乙第7号証の1A及び1B)をケーユーマークにファックスで送るが、同時に電話連絡をとり伝票番号を右下に手書きで控える。乙第7号証の1A及び1Bの伝票番号は、それぞれ「121470」、「121620」である。
出荷の指図があると即出荷され、翌日には納品伝票(乙第7号証の2A及び2B)がケーユーマークより東京スタイルに届く。乙第7号証の2A及び2Bには、伝票番号としてそれぞれ「121470」、「121620」が印字され、他に加工番号「29−0500−8」、「29−0505−3」が明記され、それぞれの指図と納品伝票が一連の対応した取引であることは明らかである。
これらの取引に係る代金の決済は、毎月末で締め、ケーユーマークから東京スタイル宛に、上記伝票番号を基に「請求明細書」(乙第7号証の3)が送付され、「お支払明細書」(乙第7号証の4)で決済は完了している。ちなみに、これら乙第7号証の3及び4から、乙第7号証の1A及び2Aの伝票番号「121470」に係る決済がされたことが解る。
(3)実際に「ジャケット」と「ニットセーター」に当該ラベルや織ネームが縫い付けられている写真を提出する(乙第8号証)。
また、平成11年9月1日発行の乙第7号証の1Aと平成11年9月8日発行の第7号証の1Bの伝票には、本件商標と社会通念上同一の商標「リーブル」と使用商品に該当する「ジャケット」が表示されており、「品質表示タグ」には、「(株)東京スタイル」が表示されている。
この事実からしても、通常使用権者である東京スタイルにより、本件審判請求登録前3年以内に本件商標を被服に属する使用商品に使用したのは明らかである。
(4)乙第9号証は、使用商品に本件商標が使用され、販売先へ納品されていた事実を示すものである。これは、イトーヨーカ堂の社内伝票であり、商品の納品状況が記されている。これより明らかなように、イトーヨーカ堂の津田沼店への使用商品の納品について、取引先の東京スタイルへの発注日が1999年3月1日、納品日が1999年3月3日であること、品名、規格欄に表示のコード番号「29741958」が記載され、、乙第3号証(コード表)より「29」が本件商標の「リーブル」を、「41」が「パンツ」を意味するものであることが分かり、品種については伝票への品名・規格にも明示されている。
納品された使用商品には、乙第8号証の写真のように、本件商標と社会通念上同一の商標が表示された「ラベル」又は「織ネーム」が付されていることを申し添える。
5.以上のとおり、本件商標は、指定商品である「被服」に属する使用商品について、本件審判請求登録前3年以内に実際の取引において使用されていることが明らかであるから、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。
1.乙各号証について
(1)乙第1号証の1及び2によれば、東京スタイル(東京都千代田区麹町5−7−1所在)は、帝人株式会社(被請求人)に対し、1996年(平成8年)12月13日に、本件商標に関し、「婦人服全般」についての使用の申し込みを行い、これに基づいて、両者は、平成9年4月20日に、東京スタイルが通常使用権者として本件商標を平成9年4月1日から同12年3月31日まで「婦人服全般」に使用する旨の使用許諾契約を締結したことが認められる。
(2)乙第2号証の1及び2によれば、東京スタイルは、帝人株式会社に対し、2000年(平成12年)3月16日に、上記(1)の使用許諾契約の継続の申し込みを行い、これに基づいて、両者は、平成12年4月5日に、使用期間を平成12年4月1日から同15年3月31日までとする使用許諾契約を締結したことが認められる。
(3)答弁の理由によれば、乙第3号証は、東京スタイルが作成した「コード表」と認められるところ、取引で使用されるコード番号は8つの数字(3番目の数字の次にハイフンが入る場合もある。)で構成され、左から、1、2番目の数字が「ブランド名」、3番目の数字が季節コード(1、4、7が春物、2、5、8が夏物、3、6、9が冬物)、4、5番目の数字が品種コード(コート、ジャケット等)、最後の3つの数字がデザイン番号と認められる。
(4)乙第4号証に示された大きさの異なる2種類のラベル(大、中)は、いずれも表面を黒地にし、その中央部分に白抜きで「LIBRE」と「TOKYO STYLE」の各文字を二段にして記載し、裏面を白地にし、その上段に「リーブル」の文字、「No.」、「Size」、「Color No.」等の各文字、及び「株式会社 東京スタイル/東京都千代田区麹町5−7−1」の文字を記載したものである。
(5)乙第5号証の1ないし7によれば、隆文堂は、東京スタイルに対し、平成11年11月16日、同年12月5日(3件)、同年12月14日、同年12月23日(2件)に、「反番」を「リーブル(大)」、「(中)リーブル糸付き」、「リーブル(中)」とし、「品名」を「299−50186」、「299−55314」、「291−55308」、「291−53306」、「291−75322」等とするラベルを納品したことが認められる。
(6)乙第6号証に示された4種類の織ネームは、黒地に白糸で「LIBRE」と「TOKYO STYLE」の各文字を縫い取りした大きさの異なる2種類(黒の大と小)と、白地に黒糸で「LIBRE」と「TOKYO STYLE」の各文字を縫い取りした大きさの異なる2種類(白の大と小)である。
(7)乙第7号証の1ないし4は、上記(6)の「織ネーム」及び「品質表示タグ」に関しての、東京スタイルとケーユーマークとの取引書類と認められるところ、「品番」を「299−35147」、「ブランド名」を「リーブル」とする「品名;ジャケット」に使用する織りネーム「ネーム指示;リーブル ショウ クロ」についての商品依頼が東京スタイルから「発行日;11/09/01」になされ、翌1999年(平成11年)9月2日にケーユーマークから東京スタイルに納品(伝票番号;121470)されたこと、同じく、「品番」を「299−35150」、「ブランド名」を「リーブル」とする「品名;ジャケット」に使用する織ネーム「ネーム指示;リーブル ショウ クロ」についての商品依頼が「発行日;11/09/08」になされ、翌1999年(平成11年)9月9日にケーユーマークから東京スタイルに納品(伝票番号;121620)されたこと、上記納品伝票番号「121470」について、1999年(平成11年)9月20日締切とする請求明細書がケーユーマークから東京スタイルに送付されたこと、東京スタイルは、ケーユーマークに対し、平成11年9月20日に、納品伝票番号「121470」の支払いをしたことが認められる。
(8)乙第8号証は、乙第6号証に示された黒地に色糸で「LIBRE」と「TOKYO STYLE」の各文字を縫い取りした織ネーム及び乙第4号証に示された表面を黒地にし、その中央部分に白抜きで「LIBRE」と「TOKYO STYLE」の各文字を二段に記載したラベルを付したジャケットとセーターを撮影した写真と認められ、その撮影年月日を「平成13年6月29日」とし、撮影場所を「(株)東京スタイル 6F 応接室」とするものである。
(9)乙第9号証は、東京スタイルがイトーヨーカ堂津田沼店に、品番「29735956」(「リーブル」ブランドの春物ジャケット)、品番「29742957」(「リーブル」ブランドの春物スカート)、品番「29741958」(「リーブル」ブランドの春物パンツ)を納品したことを示す1999年(平成11年)3月3日付け納品書(控)と認められる。
2.前記1.で認定した事実によれば、「東京スタイル」は、被請求人の通常使用権者と認め得るところである。
そして、通常使用権者である東京スタイルは、取引の便宜上、コード表(乙第3号証)に基づいたコード番号を用いて、商品の受発注を行っていること、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示したラベル(乙第4号証)及び織ネーム(乙第6号証)について、通常使用権者は、前者を平成11年11月から12月にラベル印刷会社より受領し、また、後者は平成11年9月に織ネーム製造会社より納品されたこと、上記織ネームは、セーター、ジャケットの内側の後中央衿の下に縫い付けられ、また、ラベルは、糸を通し安全ピンをもってセーターの織ネームに付されている状態で使用されていること、コード表(乙第3号証)に基づいたコード番号等を用いた納品書をもって、東京スタイルの取り扱う「ジャケット、スカート、パンツ」がイトーヨーカ堂津田沼店に1999年(平成11年)3月3日に納品されたことが認められ、以上を総合して判断すれば、通常使用権者は、本件取消に係る指定商品中の「セーター、ジャケット、スカート、パンツ」に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、日本国内において本件審判の請求の登録(平成13年5月9日)前3年以内に使用していたと認め得るところである。
3.請求人の主張について
(1)請求人は、被請求人の契約当事者は、代表権限を有していない繊維マーケティング部長であるから、本件商標の使用許諾契約が有効になされたものではなく、また、東京スタイルは、本件商標の通常使用権者であるという登録を商標原簿にしていないから、通常使用権者ということはできず、したがって、通常使用権者による本件商標の使用は認められない旨主張する。
しかしながら、乙第1号証の2及び乙第2号証の2における「商標使用についての契約書」中の冒頭部分には、「帝人株式会社と株式会社東京スタイル」とが商標の使用許諾に関し、契約を締結した旨が明記されていることからすれば、上記「契約書」に添付の「使用許諾商標目録」に「繊維マーケティグ部長」の氏名が記載されているとしても、該部長名は、単なる契約の担当部署としての責任者を明らかにしたものと容易に推認され、これをもって、本件商標の使用許諾契約が有効のものではないということはできない。また、商標法第31条第4項で準用する特許法第99条第1項による登録の効果は、商標権若しくは専用使用権の移転等があった場合に、通常使用権者としての地位は覆し得ないことにあると解され、したがって、商標登録原簿に通常使用権者の登録がなされていないことをもって、東京スタイルが通常使用権者ではないとすることもできない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(2)請求人は、「乙第3号証は、内部文書であり、『平成6年3月1日現在』と古い時期のものであり、コード番号の使用は登録商標の使用とは認められない。乙第4号証は、その製作日、付される商品が不明である。乙第5号証の1ないし7は、隆文堂が発行した物品受領書にすぎない。乙第6号証は、その製造日、付される商品が不明である。乙第7号証の1ないし4は、いずれも商品「被服等」につき本件商標を使用しているものとは認められない。乙第8号証は、その撮影年月日が本件審判の請求日及び予告登録日以降であり、撮影場所も東京スタイルの応接室である。
乙第9号証は、作成者が不明であり、品名の記載以外は規格番号のみの記載であり、商品『被服等』につき本件商標を使用しているものとは認められない。」などと、要するに、上記乙第3号証ないし乙第9号証は、本件商標の使用の事実を証明するものではない旨を主張する。
しかしながら、乙第3号証にみられるような当該社内で作成したコード表等を用いて取引に当たることは、格別珍しいことではなく、むしろ取引の実際においては普通に用いられている方法といえるものである。また、コード表の作成日が古いものであるか否かは本件には直接関係がない事項であるし、取引の実際においては、その関係者がまちがいを起こす率が少ない古くから馴染んだものが使用されるのが一般的であると考えられる。
そして、本件商標の使用の事実について、商品のコード番号のみによってこれを証明するのであればともかく、本件は、乙第3号証ないし乙第9号証から、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示したラベル、織ネームを被服の範疇に入る商品に付した状態で取引に資されていたと容易に推認し得るものである。(ラベル、織ネームの作成年月日も乙第5号証の1ないし7及び乙第7号証の1Aないし4より明らかである。)
さらに、乙第8号証に示された写真の撮影年月日が本件審判の請求日及び予告登録日以降であり、撮影場所も実際の取引の場でないとしても、これは、通常使用権者の取扱いに係る被服について、実際に取引があったことを示す取引書類に記載された品番と同一の商品に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示したラベル、織ネームが付されていることを証明するための、いわば本件商標の使用状態の写真というべきものであるから、その撮影年月日が本件審判の請求の登録日以降であるとか、撮影場所が実際の取引市場でないなどの主張は、失当といわざるを得ない。そして、乙第3号証ないし乙第9号証で示された取引書類全体を通じて、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に、通常使用権者により取消に係る被服に使用されていたことについて、何ら不自然なところは見出せない。
したがって、取引書類に商品のコード番号等が記載されていることのみをもって、本件商標の使用に当たらないとすることはできないから、この点に関する請求人の主張も採用することができない。
4.以上のとおりであるから、本件商標についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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