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Trademark Appeal Case

不使用取消における商品区分

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30148(T2000−30148/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2718034号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2718034号商標(以下「本件商標」という。)は、願書に添付された商標を表示した書面に示すとおりの構成よりなり、その指定商品及び登録日は、商標登録原簿記載のとおりであって、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第13号証を提出した。

(1)本件商標の商標権者である被請求人は、継続して3年以上日本国内において、本件商標をその指定商品に関して正当な理由なく使用していない。また、本件商標について専用使用権は設定されておらず、通常使用権の登録もない。

よって、本件商標は商標法第50条の規定により、その登録を取り消されるべきである。

(2)弁駁の理由

被請求人が提出した乙第1号証乃至同第2号証によっても、本件商標が取消請求に係る指定商品について使用されていることは証明されていない。

被請求人提出の雑誌には、「調整栄養食品(流動タイプ)」である商品の広告が掲載され、当該広告及び商品に「エンリッチ−SF」なる商標が付されている。被請求人は、この商品が指定商品のどれに属するのかについて何も説明していないが、「化学品」でないことは明らかであり、また「医療補助品」に該当するとも考えられない。してみると、乙号証に示された商品(以下「本件商品」という)は「薬剤」の一種である、というのが被請求人の立場であると推測される。

しかしながら、本件商品は広告に明示されているように「調整栄養食品」であって、薬剤ではない。広告には、

「三大栄養素と適量のビタミン,ミネラルを含有/人体に不可欠な「たん 白質」「脂肪」「炭水化物」の3大栄養素と基本的な調節栄養素としての ビタミン,ミネラルをバランスよく含んでいます。」

「腸にやさしいファイバー入り/1缶に3.8gのファイバロンが含まれ ています。」

「乳糖無使用/牛乳に敏感な人にも飲んでいただけるように、乳糖は使用 していません。」

「飲みやすいバニラ味/飲みやすさを考えて,バニラ風味の味つけをして います。」

と謳われているが、これはいわゆる健康食品と称される商品と同等である。健康食品に明確な定義はないけれども、様々な栄養素やビタミン、ミネラルなどを含有していることを売り物にしており、形状も錠剤、カプセル、顆粒、液状など多様である。そして、特許庁の実務では、多種多様な健康食品が「原材料と形状を特定した加工食品」の表現形態で認められているが、旧第1類(現行第5類)の薬剤ではなく、旧第32類に属する「加工食料品」の扱いとなっている(甲第3号証)。

したがって、乙号証に示された本件商品は、本件登録商標の指定商品である「薬剤」に属するものではなく、これとは全く別の旧第32類に含まれる「加工食料品」の一種と言うほかない。

特許庁商標課編「商品区分解説」によれば、旧第1類の「薬剤」には、薬事法の規定に基づく医薬品の大部分と、同法にいう「医薬部外品」の一部が含まれるとされている(甲第4号)。この考え方は現在も同じである(商品及び役務区分解説」(改訂第3版)、(甲第5号証)。

しかるに、本件商品は薬事法の対象とする商品ではない。このことは、「栄養調整食品」と名乗っていることから明らかであるということのほかに、乙号証からは明らかでないが、本件商品の容器(缶)に「賞味期限」の記載があることによっても明白である。甲第6号証は本件商品を撮影した写真であり、缶の上部に「賞味期限:缶底に記載」とあって、缶底には「正味期限−000716」と印字されている。この記載は食品衛生法によって義務づけられているものである(甲第7号証)。同法によれば、「食品とは、全ての飲食物をいう。ただし、薬事法(昭和35年法律第145号)に規定する医薬品及び医薬部外品は、これを含まない。」(甲第8号証)であるから、「賞味期限」の表示を有する本件商品が食品衛生法の対象とする食品であって、薬事法の対象とする医薬品でないことに疑問の余地はない。

なお、医薬品については「有効期間」または「使用期限」の表示が義務づけられており、現に記載されている(甲第9号証、10号証)。また、いわゆる「置き薬」については「配置期限」という表示が必要である(甲第11号証〜13号証)。

このように、被請求人が提出した乙号証に示された商品は、本件登録商標の指定商品(旧第1類の薬剤)に属するものではなく、旧第32類に含まれる加工食料品の一種である。したがって、被請求人は本件登録商標の使用を証明していないから、取消を免れない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第2号証を提出した。

本登録商標は、被請求人の関連会社であるダイナボット株式会社により、現在も指定商品について使用されている。

被請求人は、本登録商標が記載された雑誌広告(乙第1号証、乙第2号証)をここに提出する。

したがって、請求人が本件審判請求書の「請求の理由」で述べている主張にもかかわらず、本件商標が被請求人の通常使用権者によって、指定商品について使用されていることは明らかである。

よって本件登録商標は、本件審判請求の予告登録前3年間において上記商品について使用されているものであり、商標法50条の規定に該当するものでなく、取り消されるべき商標ではない。

4 当審の判断

被請求人が関連会社であるダイナボット株式会社により、現在も指定商品について使用されている。として提出した乙各号証に記載された商品について、被請求人は本件登録商標の指定商品「化学品、薬剤、医療補助品」のうち具体的にどの指定商品に属する商品についての使用であるかを明らかにしていないので、まずこの点について検討する。

乙各号証の広告内容からすると被請求人は「化学品」「医療補助品」ではなく「薬剤」について本件商標を使用していると主張しているものと推認できるので、該商品が薬剤に属する範疇の商品であるのかが問題となる。

ところで、商品がどの区分に属するかは、商標法施行令別表、同法施行規則別表に掲げられた商品、さらには、特許庁が実務の運用、出願人等の便宜に資するために作成している類似商品審査基準、商品区分解説等を参考にするなど個別具体的に検討がなされるべきであるが、商品区分解説(発行 社団法人発明協会 昭和55年3月31日発行)の薬剤の項の解説によれば、この概念には次のものが含まれる。

(1)薬事法の規定に基づく医薬品の大部分

(2)同法にいう医薬部外品の一部

(3)すべての農薬

との記載及び解説がある。そこで本件使用商品についてみるに、乙各号証によれば、「調整栄養食品(流動タイプ)」との記載があり、広告の右欄には該商品の特徴や消費者にアピールするための記載がなされており、これらの記載からは、これがいわゆる健康食品として取り引きされる商品の1つで「主材料+形状」等の記載に続き食品の一種であることを示す「〜加工食料品」と表示して、多数指定商品として採択されている、商品の区分第32類に属する商品と判断するのが相当と認められる。

してみると、被請求人の提出に係る乙各号証からは、被請求人が、本件商標をその指定商品について使用したものと認めることはできない。

以上によれば、被請求人は本件審判請求の予告登録日前3年以内に本件商標を指定商品について使用したことを証明し得たものとはいえないから、本件商標の登録は、商標法50条の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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