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Trademark Appeal Case

BURTON商標の著名性と類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第35575号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3369956号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3369956号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に表示したとおりの構成よりなり、平成6年5月12日登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具を除く),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く),乗馬靴」を指定商品として、同10年8月7日に設定の登録がされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証を提出した。

(1)請求人が調査したところ、被請求人が本件商標の指定商品に係る業務を行っている事実は発見できなかった。

よって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものである。

(2)本件商標は、以下の登録商標、すなわち、昭和60年6月29日に登録出願され、「BURTON」、の文字を横書きしてなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成1年2月21日に設定登録された登録第2112745号商標及び平成1年5月12日に登録出願され、別掲(2)に表示したとおりの構成よりなり、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品および附属品」を指定商品として、平成4年7月31日に設定登録された登録第2435550号商標と類似する商標であり、指定商品も抵触するから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)本件商標は、請求人が商品「スノーボード、スノーボード用手袋・被服、バッグ」に使用している著名商標「BURTON/バートン」及び図形商標(以下「引用商標」という。)と類似の商標であり、商品も抵触する。

よって、本件商標が商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する。

(4)請求人の社名は、「THE BURTON CORPORATION」であり、新聞や雑誌でも「BURTON」と略称されて著名となっている。

よって、本件商標は、請求人の著名な略称を含む商標と言えるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。

(5)本件商標は、引用商標のただ乗りに該当するから、商標法第4条第1項第7号に該当する。

(6)叙上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備せず、同法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号、同第8号及び同第7号に該当する商標であるから、商標法第46条の規定に基づきその登録は無効とされるべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番号を含む。)を提出した。(なお、被請求人は、前記証拠の表示を甲号証としているが、乙号証として取り扱う。)

(1)被請求人は20年前より「海外ブランド」導入を専門に行っており、現在国内で300社以上の「サブライセンシー契約」を所有している。それらの企業は各種に渡り商品化の為の共同事業をおこなっているので、その中にも本件商標に関係する企業も多くある。日本国内に限っても16年前より「BURTON」商標を使用したライセンス展開事業を行っている。

(2)被請求人は請求人から本件商標と同種の理由での「異議申立」を5件受けたが、それらの全ては請求人の主張が退けられている。

(3)被請求人は本件商標と対比される「旧第17類」「旧第22類」及び「第25類」に本件商標と類似の商標の登録を得ている。

(4)「BURTON」商標に関する、他の「拒絶理由」では、「出願人の出願時には、取引者、需要者間に広く認識されていたと認められる。」との見解であるが、被請求人が提出した意見書をみるまでもなく、「BURTON」商標の旧第17類は、平成7年10年22日まで「メルボ紳士服(株)」(登録第664522号)(登録第2112745号)が、旧第21類は平成8年4月21日まで、「三共生興(株)」(登録第1229927号)が、旧第22類は現在まで「東洋ゴム工業(株)」(登録第1042684号)〔平成9年3月25日(株)ライフギア コーポレイションに商標権、営業権譲渡〕が、旧第23類は現在まで被請求人(登録第2098143号)が、旧第24類はアメリカのゴルフ用品会社「BURTON Ltd.」(登録第2435550号)が、それら全てを請求人以外の他人が所有しており、請求人が「スノーボード」以外の商品で「BURTON」を有名にしたと主張されているが、もしそうであれば、請求人は「商標権侵害」等の「不法行為」を行った事になる。

(5)被請求人は「BURTON」ブランドの商品化事業を日本国内で問題なく行うために昭和57年6月1日より下記の「商標使用権許諾契約」を行っていた。

(旧第17類)「バルトン BURTON」商標登録第664522号;契約先:メルボ紳士服株式会社;期間:昭和57年6月1日〜平成5年5月31日までの11年間

(旧第21類)「BURTON」商標登録第1229927号;契約先:三共生興株式会社;期間:昭和60年10月1日〜平成6年9月30日までの9年間

しかし、請求人は平成6年12月5日に「メルボ紳士服(株)」 の旧第17類商標に対して「取消審判」を請求して強引に譲渡を受けたり、旧第21類商標を「三共生興(株)」より買収したにすぎない。

その証拠として、上記「メルボ紳士服」の登録商標(登録番号第664522号)に対する請求人の「取消審判」が記録されている原簿を提出する。 仮に請求人の主張する通り「BURTON」のスノーボードが現在日本で著名であるとしても、被請求人が展開している「BURTON」の商品は純粋なファッション商品であり、請求人の展開する「スポーツ関連商品」とは売場も全く異なる。販売店も一般の百貨店や小売店であり、スポーツ専門店を中心とする請求人の商品とは全く関連がない。

(6)請求人は、「BURTON」の商標名は自分達によって日本で有名になったと主張しているが、上記国内商標の実施権を被請求人が旧第17類については11年間、旧第21類(新18類該当)については平成6年9月30日までの9年間使用していた事を考えると請求人の主張は正しいとは思えない。ちなみに請求人が旧第21類の商標権の譲渡を受けたのは、平成7年12月18日である。

(7)「BURTON」商標は被請求人が昭和57年から日本国内で展開していたブランドである。当時はアメリカのプレッピー・ファッションの全盛期であり、その流行の「バイブル」とも言われた「プレッピーハンドブック」で、「J.Press」「Brooks Brothers」「Paul Stuart」と同格に扱われていたニューヨークの有名なブティック「BURTON Ltd.」社の代表者「BURTON HORN」氏と1982(昭和57)年1月25日に被請求人はライセンス契約を締結し、現在まで継続して他の商標分類を含めた多数の商品展開を行っている。

また、被請求人が「BURTON」ブランドを展開した当初、「スノーボード」の「運動用具」は日本に登場しておらず、請求人の存在は知り得なかった。

(8)請求人の申立によれば、「BURTON」商標は、あたかも請求人が世界的に有名にした名前であるかのような見解であるが、もともと「BURTON」は、アメリカ人やアングロサクソン系ヨーロッパ人の一般的な名前であり、さしたる特徴もない名前である。

(9)しかるに請求人は、その後強引に自己が商標所得したにもかかわらず「スノーボード商品」の販売をやめずに、被請求人関連のファッション商品にも不法に進出し、被請求人の市場を荒らし、被請求人は困窮し、結果仕方なく「BURTON CLUB」等の商標出願をしたものである。

その後、被請求人は、上記国内商標権者に対し「不使用取消審判」等を繰り返し、強引に商標権を奪取したもので、被請求人は彼等から多くの不満を聞かされている。

(10)そもそも「BURTON」はスノーボードで有名であると主張をしているが、「スノーボード」は日本のスキー場で受け入れられたのは、ここ数年のことであり、それまではコースが荒れる、他のスキーヤーに危険だとの理由で、各スキー場から締め出されていた筈である。

(11)被請求人は1982年頃から「BURTON」商品を展開し、それに続き「BURTON CLUB」「BURTON HOUSE」を展開した事に引き換え、請求人の商品の市場での登場期間は短く、請求人の主張の根拠は希薄である。

(12)「BURTON」が「スノーボード」の商品名で有名であるとの見解は、請求人の主張を鵜呑みにしたものであり、その商標の商品は一般のデパートやスーパー等で全く売られておらず、ただ単にスキー専門店、スポーツ専門店で販売されているにすぎない。

(13)「BURTON」といえば、請求人であると考えるのは全くの誤りであり、被請求人の国内ライセンス展開以外に、日本及び世界で、下記の会社が有名である。:(イ)「BURTON」は、「プレッピー・ファッション」を代表するニューヨークの「ファッション・ブティック」名である。;「BURTON」といえば、70年代ニューヨークに始まり、日本でも大流行した「プレッピー・ファッション」の代表的ブランドで、そのオーナー「BURTON HORN」氏は、日本の雑誌でもよく紹介されている。ファッション・バイブル「プレッピー・ハンドブック」にも掲載され、「プルックス・ブラザーズ」「Jプレス」「ポール・スチュアート」と並び称されるニューヨークのブティックであり、アメリカで「BURTON」と言えば「バートン・マニュファクチュアリング・カンパニー・インコーポレーテッド社」(フロリダ州)の「ゴルフ・バック」が有名であり、日本のゴルフファンの間でも有名である。また商品製造にとどまらず、ストアーが全米10ヶ所に展開している。この「BURTON」が日本でも「キャディーバック」「ゴルフバック」として有名であることは、その輸入代理店が、大手企業「ダイワ精工(株)」であることからも推測できる。そのことは「ユニバーサルゴルフ社」の「ゴルフ用品総合カタログ・内外有名ブランド総掲載」1988年版、1998版に「BURTON」の「ゴルフ・バック」の広告が掲載されていることからも明らかである。:(ロ)イギリスでは、「BURTON」といえば、ロンドンの目抜き通りのリージェント街に店をかまえる「BURTON MENSWEAR」ストアーが有名であり、イギリス人で知らない人はいない程有名な「メン ズ・ショップ」である。会社設立は1929年10月22日で、既に69年の歴史がある。日本人観光客も多数押しかける程有名である。イギリスはもとよりヨーロッパで「BURTON」と言えばこの「メンズ・ショップ」を表すものである。:(ハ)日本では、「BURTON」といえば「東洋ゴム工業(株)」の「靴」のブランドとして有名であり、現在は三菱商事系列の「ライフギアコーポレーション(株)」によって引き継がれ製造販売されている。

(14)請求人は、日本で自己の商品「スノーボード」の商標権を所有していない。この事からしても請求人がアメリカや全世界で唯一の「BURTON」商標の持主であるとの主張は不自然である。そして、請求人は同商標の使用権を借りて、ブランド展開をしているにすぎない。これによっても、「BURTON」商標は、日本では請求人以外が有名にしたといえるし、請求人の名前ではないといえる。

(15)現在、「BURTON」の商標「旧第24類」を所有し、使用しているのは前記アメリカの「バートン・マニュファクチュアリング・カンパニー・インコーポレーテッド(現在のBURTON GOLF社)」である。同社が日本国内で「旧第24類」の商標登録出願を行ったのは昭和51年2月16日であり、請求人がアメリカで事業を行った以前より商標活動していた。

(16)請求人が日本で「BURTON」の名前とブランドを有名にしたとの主張は全く根拠の無いものである。被請求人の登録商標(登録第4012331号)における請求人の「異議申立書」に添付された資料をみる限り、請求人のオーナー「Jack Burton」氏がマンハッタンの銀行を脱サラしたのは1977年の23才の時であり、実際に「ザ・バートン・コーポレーション」を設立し、飛び立ち始めたのは1981年とされているが、日本に新会社「Burton Snowbords Japan」を設立したのは、1995年1月1日となっている。

(17)しかし、日本で「BURTON」の名は、次のような使用が以前よりされている。

(イ)アメリカの「ゴルフ」の「BURTON GOLF」社が日本国内で第24類の商標登録出願をしたのは1976(昭和51)年であり、その当時から同社が「BURTON」の「ゴルフ・キャディーバック」の商品を実際に日本で販売していた。

(ロ)日本の「東洋ゴム工業(株)」の「靴」の販売は1970(昭和45)年からであり、同社が旧22類の「BURTON」商標(登録第1042684号商標)を出願したのは1970(昭和45)年12月23日である。

(ハ)被請求人がニューヨークの「Burton Ltd.」と契約して日本での商品化展開を行ったのは1982(昭和57)年である。

以上を勘案すると請求人が日本に進出したのはしたのはずっと後であり、請求人が「BURTON」の名前を独占する根拠は全くあり得ないことである。

(18)以上の理由により、本件審判請求の理由は明らかに成り立たないものである。

4 当審の判断

(1)請求人提出の甲各号証によれば、請求人である「ザ・バートン・コーポレーション」は、米国で1977年に設立された「ゴーグル、スノーボード、スノーボード用手袋・被服、バッグ」等の製造販売を中心とした会社であり、会社設立以来、全商品にハウスマーク「BURTON」を約20年に亘り使用しており、平成8年2月当時において請求人の米国におけるスノーボードの市場(規模約750億円)の占有率は30%以上となっていたことが認められる。

そして、これらの商品は、日本でも1981年より販売が開始され、近時、スノーボードの人気は急激に高まってきているところであり、現在では、埼玉県浦和市所在のバートン・スノーボード・ジャパン(請求人の日本支社)から、全国6市(札幌、仙台、茅ヶ崎、名古屋、大阪、岡山)の販売代理店を通じて全国600の小売店で販売され、請求人の商標が使用されたスノーボードの日本におけるシェアーは、第1位の20%以上となっていることが認められる。

そうとすれば、請求人の使用する商標「BURTON」は、請求人の業務に係る商品「スノーボード及びスノーボード関連商品」を表示するものとして、本件商標の出願前ないし査定時においても、若者を中心とする一般消費者の間に周知著名となっていたものと認められる。

(2)被請求人は、1982年(昭和57年)1月25日から「BURTON」商標を使用したブランド展開を行っていると述べるとともに、「BURTON」は「プレッピー・ファッション」の代表的ブランドであり、そのオーナー「BURTON HORN(バートン・ホーン)」氏は日本の雑誌でもよく紹介されていること、また、アメリカで「BURTON」と言えば「ゴルフ・バッグ」が有名であり、イギリスで「BURTON」と言えば「BURTON MENSWEAR」ストア一が有名であり、日本で「BURTON」と言えば「東洋ゴム工業株式会社」の「靴」のブランドとして有名である等、請求人が使用を始めるより前から使用されていたのであるから、請求人が、「BURTON」の名前を独占することはあり得ない旨主張するが、被請求人の提出に係る上記に関する証拠をもってしても、引用商標の周知著名性が失われるものと認め難いというべきである。

そして、被請求人は、他の登録例、審査例等を挙げて種々主張するところあるも、過去にされた審査例等は具体的、個別的な判断が示されているのであって、必ずしも確立された統一的な基準によっているものとはいえず、仮にその中に矛盾や誤りがあるとしても、過去の審査例の一部の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、これらの点に関する同人の主張は採用することができない。

(3)してみれば、本件商標は、別掲に表示したとおり、構成中に他人の著名な商標と同一の構成よりなる商標を含むものであるから、被請求人が本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する需要者は、構成中の「BURTON」の文字に着目して、前記周知になっている請求人の使用に係る商標を連想、想起し、請求人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品の如くその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、請求人の主張するその余の無効事由について論及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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