Trademark Appeal Case
称呼の要部抽出の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90578(T2001−90578/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4471935号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成12年4月5日に登録出願され、商標の構成を「SOMETHING」の欧文字により後掲に示すとおりの構成態様とし、指定商品を第3類「せっけん類,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」として、平成13年5月11日に設定登録されたものである。
2.登録異議申立の理由
本件商標は、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が引用する登録商標、すなわち、昭和43年3月29日に登録出願され、商標の構成を「SOMTHIN'ELSE」の欧文字(記号を含む。)を横書きとし、指定商品を第4類「洗剤、せつけん、その他本類に属する商品」として、昭和45年6月3日に設定登録された登録第859079号商標(以下、「引用商標」という。)と称呼において類似する商標であって、両者の指定商品は同一又は類似のものである。
また、引用商標は、申立人より使用許諾を受けた「ネイチャーケア・ジャパン株式会社」が商品「洗剤」について「サムシン・エルス」と称呼されて使用する商標として、本件指定商品において我が国内で広く知られているものであって、両商標はその一部表記ないし称呼が重複する部分が存在するから、本件指定商品の分野の需要者は、本件商標をその指定商品について使用した場合、上記会社の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3.当審の判断
(1)本件商標は、前記のとおり「SOMETHING」の欧文字によりなるところ、該欧文字は、「何か、あるもの」等の意味合いを有する英単語の一つとして我が国でもよく知られるものである。
しかして、申立人提出に係る「The CROWN English Series II New Edition」(参考資料2)によれば、日本語の「グ」と称呼される音を添えないものである旨、申立人が述べ主張する点は認め得るとしても、直ちに、本件商標が「サムシン」として発音されるとの点は認め得ず、むしろ、一般世人においては、該参考資料2葉目下段に例示の語尾に「ng」を有する「spring」「wrong」「king」及び「young」等の英単語がそれぞれ「スプリング」「ロング」「キング」及び「ヤング」と片仮名表記ないしは発音されているのが実情であるところから、本件商標は、その構成文字に相応して「サムシング」の称呼を生ずるというのが自然である。
(2)これに対して、引用商標は、前記のとおり「SOMTHIN'ELSE」と書してなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさで綴り、「SOMTHIN」と「ELSE」の文字間に英語で省略・所有格などを表す記号である「’」(アポストロフィ)を介し、横一連に表されていて視覚上一体的に把握し得るばかりでなく、意味上においても両文字間に特に主従・軽重の差も見出せないものであって、申立人が述べるように「何かほかのもの[事]、格別にすばらしいもの[人]」等の意味合いを有する熟語「something else」を想起し得るとしても、第4字目の「e」が欠落し、「ng」の文字をアポストロフィにより略したものとも俄に理解し難く、該構成は、全体として不可分一体の造語よりなるものとみるのが相当であるから、引用商標は、その構成文字に相応して「サムシンエルス」の平滑・流暢な一連の称呼をもって常に取引に資され、構成各音はいずれも明瞭に発声・聴取されるものというべきである。
(3)そこで、本件商標より生ずる「サムシング」の称呼と、引用商標より生ずる「サムシンエルス」の称呼とを比較するに、両者はその構成音数、音の配列等において明確な差異を有し、それぞれを一連に称呼し、また、離隔的に考察した場合であっても彼此紛れるおそれはないといわなければならない。 そうすると、本件商標と引用商標から共に「サムシン」の称呼が生ずるとし、これを前提に両商標が称呼上類似する商標であるとする申立人の主張は、採用することができない。
また、本件商標と引用商標は、外観においては判然と区別し得る別異の商標であり、かつ、観念上においては比較すべくもないものである。
してみれば、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれからしても類似しない商標といえるものである。
(4)更に、申立人提出に係る証拠(甲第3号証ないし同第5号証)を徴するに、これら甲各号証は、いずれもインターネット上のホームページにおける企業紹介または各種製品紹介の情報(平成13年11月1日出力)であり、これらよりは、ネイチャーケア・ジャパン株式会社によって商品「食器・調理器具用中性洗剤」について「SWIP SOMTHIN'ELSE」ないし「スワイプ サムシン・エルス」とする商標を使用していることを認め得るとしても、その使用時期(期間)、当該商品の流通市場における評価、占有率などの取引事情は不明といわざるを得ないから、これら提出に係る証拠をもってしては、引用商標が本件商標の登録出願時において、取引者・需要者間に広く認識されていたものとは直ちに認め難いものである。
そして、本件商標と引用商標は、共に不可分一体の構成からなり、単に「サムシン」の称呼が生じ得ないこと前述のとおりであり、我が国でもよく知られる英単語によりなる本件商標の構成文字中、語尾の「G」の文字を略して「SOMETHIN」の綴りのみをもって取引に資されるとするのは困難であって、また、引用商標の構成中から「SOMTHIN」文字部分のみをもって取引に資されているとの実情も認められず、ほかに、両者がその出所において紛れ得るとする事由は見出せない。
そうすると、本件商標をその指定商品について使用したとしても、これより直ちに引用商標を想起し、その商品が「ネイチャーケア・ジャパン株式会社」の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。
(5)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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