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Trademark Appeal Case

著名商標の要部と称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2001−90644(T2001−90644/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4478432号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4478432号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年4月19日に登録出願され、別掲のとおりの構成よりなり、商品の区分第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年6月1日に設定登録されたものである。

2 異議申立ての理由

(1)引用商標

本件商標は、昭和55年11月21日に登録出願され、別掲のとおりの構成よりなり、第17類「被服(但し、和服、溶接マスク、防毒マスク、防じんマスク、防火被服を除く)、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和60年10月31日に設定登録され、その後、平成8年3月28日に商標権存続期間の更新登録がなされている登録第1816519号商標(以下、「引用商標」という。)と類似し、その指定商品も同一又は類似のものである。

(2)具体的理由

(イ)登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、所有する商標「Saks Fifth Avenue」が周知著名であることを示す資料として、「英和商品名辞典」(研究社刊1990年版)(写)(甲第5号証)、「リーダーズプラス英和辞典」(研究社刊1998年版)(写)(甲第6号証)の写しを提出した。また、1997年1月より1999年5月における「Saks Fifth Avenue」の世界各国での通信販売の国別販売額のりストを甲第7号証として提出するとともに、「Saks Fifth Avenue」の日本向け通信販売カタログのインボイスも甲第8号証として提出した。更に、申立人の取り扱う「Saks Fifth Avenue」の通信販売のカタログの写しを甲第9号証として提出した。

なお、申立人は、「Saks Fifth Avenue」の欧文字よりなる登録商標をわが国でも有するものであり、そのうち第25類に相当する商標の登録状況を甲第3号証の1ないし同第4号証の2として提出している。

(ロ)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、上記の通り「SACS」の欧文字4文字を図案化してなり、これより「サックス」の称呼が生じるものである。

一方、申立人であるサックス アンド カンパニーは、全米でもトップクラスの高級デパート「Saks Fifth Avenue」を所有・運営する法人であり、日本において商標登録第1816519号「Saks Fifth Avenue」(甲第2号証の1ないし2)を所有する。この引用商標に係る指定商品は第17類「被服」であるから、本件商標とは抵触関係がある。

申立人の引用する商標「Saks Fifth Avenue」のうち後半部の「Fifth Avenue」は番地の「5番街」の意味であることは明らかであるから、引用商標の要部は「Saks」であると認められる。また、甲第5号証に示す「英和商品名辞典」(写)において「Saks Fifth Avenue」の項の説明には、「米国New York市5番街(Fifth Avenue)にある伝統と格式を誇る全米でもトップクラスの高級デパートであって、しばしば『Saks』と略して呼ばれる」とされている例がある。

しかして、引用商標からは自然に「サックス」の称呼を生じるものである。また簡易迅速を旨とする商取引においては、これにより生じる称呼をもって、取引に資される場合も少なくない。

したがって、本件商標と引用商標は「サックス」の称呼において称呼上類似するものである。またそれぞれの指定商品も抵触する。

(ハ)商標法第4条第1項第15号について

申立人は上記の通り、アメリカ合衆国ニューヨーク州マンハッタンのフィフスアべニューに「Saks Fifth Avenue」という伝統・格式を誇る高級デパートを所有する。「Saks Fifth Avenue」は1924年創業で、全米主要都市に支店を持ち、主に高級ファッションの商品を扱っている(甲第6号証)。そして、ニューヨーク他全米の高級デパート以外でも、日本をはじめ全世界に対して通信販売を行っている。なお、1997年1月より1999年5月における「Saks Fifth Avenue」の世界各国での通信販売のみでの国別販売額のりスト(甲第7号証)によると、日本での売上高は150万ドルを優に超える。また、甲第9号証に、通信販売の取扱商品のカタログ(写)を添付するが、取扱商品は主に衣料品等であって、本件商標の指定商品は申立人の著名商標が使用されている「被服」を含み、これに関連する商品である。

したがって、本件商標がこれらの商品に使用された場合、申立人の商品であるかのように混同を生じる可能性が高い。

(ニ)結び

本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び商標法第4条第1項第15号に該当し、同法第43条の2第1号の規定に基づき、その登録は取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲のとおり欧文字を図案化して表したものとみられるものであるところ、該商標は、全体が極めて図案化されているために、如何なる欧文字を表現したものか俄に判読し難いものであるから、これに接する取引者、需要者をして、特定の称呼・観念は生じない一種の図形よりなる商標と認識されるものというのが相当である。

他方、引用商標は、別掲のとおり、「Saks Fifth Avenue」の欧文字を筆記体で表してなるところ、該構成文字に相応して、これよりは「サックスフィフスアべニュー」の一連の称呼を生ずるものといえる。

そうとすれば、本件商標より「サックス」の称呼を生ずるものとし、その上で本件商標と引用商標は、称呼上類似するものであるとする申立人の主張は、採用することができない。

また、本件商標と引用商標は、その構成前記したとおりであるから、外観上十分に区別し得る差異を有するものであり、本件商標からは特定の観念を生ずることがないこと前記したとおりで、観念においては両者は比較することができない。

してみれば、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれからしても類似しない商標といえるものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標と引用商標とが商標において類似しないこと、上記(1)で述べたとおりである。

また、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標が申立人の業務に係る商標として、本件商標の登録出願の時に取引者、需要者の間に広く認識されるに至ったものとは認められないものであり、かつ、本件商標は、前記したとおりであって、引用商標とは類似することのない別異の商標といえるものであるから、本件商標を、その指定商品に使用した場合、申立人の商標を想起したり、その商品が申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれはないものと認められる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反してなされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持する。

よって、結論のとおり決定する。

本件商標(登録第4478432号商標)

引用商標(登録第1816519号商標)

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