Trademark Appeal Case
誇称的表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90656(T2001−90656/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4478732号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年5月27日に登録出願され、「Ultima」の欧文字を標準文字により書してなり、第9類「測定機械器具、電気磁気測定器、電線及びケーブル」を指定商品として、平成13年6月1日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標の構成
本件商標は、「Ultima」の英文字を普通に書してなるところ「ultima」の語は、ラテン語で「極上、最上」などの意味合いを有し、ラテン語を語源とする多くの言語が同様の意味を有している(甲第3号証乃至甲第8号証)。例えば、スペイン語で「ultima」は「究極の、最新の、ぎりぎりいっぱいの」などの意味、ポルトガル語で「ultimo」は「最後の、最新の」などの意味、フランス語で「ultime」は「最後の」、「ultimo」は「最後に」などの意味、イタリア語で「ultimo」は「最後の、究極の、最終点」などの意味を有する。
英語においては、「ultima」の語は「最後(末期)の音節」という意味を有し、また、他の語と結びついて、「Ultima Thule(最北の地)」などのように、「究極、極限、最後」などの意味をあらわしている(甲第9号証及び同第10号証)。さらに、「ultimate」、「ultimately」、「ultimatum」、「ultimo」などの語が「ultima」の派生語として、同様に「究極、極限、最後」などの意味合いを含んでいる。すなわち、本件商標「Ultima」は、「究極の」、「極限の」などの意味合いを示し、商品の品質などを誇称する語として普通に用いられるに過ぎないものである。
(2)測定・分析機械機具と本件商標
上述のように、「Ultima」の語は、「究極、極限、最新」などの意味合いを含むと同時に、「これ以上分析不可能、極限値、分析最小単位」など、特に測定・分析機械器具などの品質を表す意味をも含む語である。
すなわち、甲第9号証及び甲第10号証が示すように、「ultima」の関連語である「ultimate」の語は、「究極の、最終の」などの意味とともに「これ以上分析できない」という意味を有しており、「ultima」の語も、「これ以上分析できない、極限値」などの意味合いを含み、分析・測定機械器具の品質などを誇称する語に過ぎないものである。
実際にも、測定・分析機械機具を中心として、「Ultima」の語は広く商品の品位、等級などを誇称する語として商品名の一部に使用されている。具体的には、甲第11号証乃至甲第26号証で示すとおり、フィンランドダーテックスオメダ社製呼気ガス分析装置に「力プノマックウルティマ」、株式会社リガク社製多目的分析用X線回折装置が「RINT−Ultima」、コヒーレント社製パワー/エネルギー測定装置に「Ultima Lab Master」など、多くの商品名の一部に「Ultima」の語がその商品の品質を誇称する形で使用されている。
(3)まとめ
以上詳述したとおり、本件商標をその指定商品中「測定機械機具、電気磁気測定器」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品位・等級等を誇称したものと認識するに止まり、特に測定・分析機械などにはその商品の名称の一部などに使用する必要性もあるから、該文字は自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものと言うべきであり、かつ、上記以外の商品に使用するときは、品質について誤認を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当し商標登録を受けることができないものであるから、本件商標登録は商標法第43条の2第1項の規定により取り消されるべきものである。
3 当審の判断
本件商標は、「Ultima」の文字を標準文字により書してなるところ、該語がラテン語で「極上、最上」、スペイン語で「究極の、最新の」、英語で「最後(末期)の音節」の意味を有することなどから、「究極、極限」の意味合いを含み、「これ以上分析できない、極限値まで測定できる商品である」如き意味合いを暗示をさせる場合があるとしても、そのことのみをもって直ちに商品「測定機械機具、電気磁気測定器」の品位・等級等を表示したものということはできない。
また、申立人が提出している甲各号証のみによっては、「Ultima」の文字が、「測定機械機具、電気磁気測定器」等の商品を取り扱う業界において、商品の品質を表すものとして普通に使用されているとは認め難い。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品中の「測定機械機具、電気磁気測定器」に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものといえ、かつ、これを上記指定商品以外の指定商品に使用しても商品の品質について誤認を生じさせるおそれがはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたと認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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