結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2001−35403(T2001−35403/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4246046号商標(以下「本件商標」という。)は、平成9年7月11日登録出願、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく 」を指定商品として、平成11年3月5日設定登録されたものである。
請求人が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第245129号商標(以下「引用商標1」という。)は、昭和7年9月21日登録出願、別掲(2)に示すとおり構成よりなり、第47類「小麦粉及びふすま」を指定商品として、昭和8年7月24日に設定登録されているものである。同じく、登録第1769453号商標(以下「引用商標2」という。)は、昭和56年9月22日登録出願、別掲(3)に示すとおり構成よりなり、第33類「穀物、豆、粉類、素材蛋白、飼料、その他の動物で他の類に属しないもの」を指定商品として、昭和60年5月30日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第6号証を提出している。
(1)本件商標は、証拠から明らかなように、商標法第4条第1項第11号に該当し、また、同法第3条第1項柱書に反して登録されたものであるから、商標法第46条の規定により、本件商標の指定商品中「豆、食用たんぱく」について登録を無効とされるべきである。
(2)利害関係
請求人は、平仮名書きの「うめ」とその下段に漢字の「梅」を二段書きにしてなり、第30類及び第31類に属する商品を指定商品として、平成12年10月24日に商標登録出願(商標登録願第2000−115356号)をした。請求人は、上記出願について、平成13年7月27日付で、「果実,苗木,花,盆栽」については商標法第3条第1項第3号に該当し、また、同一又は類似する本件商標他の先登録が存在するため商標法第4条第1項第11号に該当するとの拒絶理由通知を受領した。
(3)具体的理由
(ア)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、ありふれた図形である「○」(円形)内に「梅」の漢字が書され、「梅」の文字と「山本のり店」の文字が均等に左横書きされている。当該態様から本件商標は、「ウメ」、「マルウメ」、「マルウメヤマモトノリテン」、「ヤマモトノリテン」、「ヤマモトノリ」及び「ヤマモト」称呼が生ずると考えられる。
簡単かつありふれた標章からなる商標は商標登録を受けることができないことになっている(商標法第3条第1項第5号)。審査基準によると、「○」(円形)は 「簡単かつありふれた標章」に該当するものとして挙げられている。これは、「○」(円形)のようなありふれた図形は特定の観念や称呼が生じないため商標としての識別力を有せず商標としての主要部にはなり得ないということになる。
したがって、本件商標中「○」(円形)内に「梅」を書してなる部分からは、単に「ウメ」の称呼も生ずるものと考える。
特許電子図書館「商標出願・登録情報検索」の「称呼」においても「ウメ」、「マルウメ」、「マルウメヤマモトノリテン」、「ヤマモトノリテン」、「ヤマモトノリ」、及び「ヤマモト」の記載があり、「ウメ」の称呼が生ずるとなっている。
一方、引用商標1は、梅その他の装飾模様に囲まれた「梅」の漢字から、「ウメ」の称呼が生じる。また、引用商標2は、梅その他の装飾模様に囲まれた「梅」の漢字及びひらがな書き「うめ」の文字部分から、「ウメ」の称呼が生じることは明白である。
特許電子図書館「商標出願・登録情報検索」の「称呼」をみても引用商標1及び引用商標2は、共に「ウメ」の称呼が生じるとなっている。
よって、本件商標と引用商標1及び引用商標2は、共に「ウメ」の称呼を生じ、その称呼において類似する商標であるといえる。
また、指定商品については、本件商標「豆」と引用商標1の指定商品中の「小麦粉」が類似するものであり、本件商標「豆・食用たんぱく」と引用商標2の指定商品中の「穀物、豆、粉類、素材蛋白」が類似するものである。
請求人は、引用商標1及び引用商標2の権利者であり、出願商標を商標登録出願し、商標法第4条第1項第11号に該当するとの拒絶理由通知を受領したが、本件商標も拒絶理由のひとつとして引用された。当該審査が妥当であるとすれば、前述したとおり本件商標と引用商標1及び引用商標2は類似との判断がされてしかるべきである。つまり、引用商標1及び引用商標2の後願である本件商標の登録には瑕疵があり、無効理由が存在することになる。
(イ)商標法第3条第1項柱書について
本件商標の指定商品中「豆、食用たんぱく」については、権利者が自己の業務に係る商品として使用している事実又は今後使用する蓋然性について極めて低いと考える。したがって、商標法第3条第1項柱書に反して登録されたものである。
商標法第3条第1項柱書について、商標法第3条第1項柱書の規定によると、「自己の業務に係る商品について使用」をしないことが明らかであるときは登録を受けることができる商標には該当しないものとされている。つまり、出願人が商標登録出願した指定商品を「自己の業務として取り扱っている」、又は出願時に当該業務を行っていない場合であっても「近い将来その業務を開始する予定がある」ことが認められなければ、登録を受けることはできない。
本件商標の権利者は、甲第6号証を見る限り海苔を専業とする業者であり、本件商標の指定商品中「豆、食用たんぱく」を自己の業務として行っている事実は見受けられない。また、近い将来「豆、食用たんぱく」に係る業務を開始する蓋然性は極めて低いと考える。特に、「食用たんぱく」は、食品の品質改良剤やたん白強化剤となる特殊な商品で製造、販売業者が限られていることから、商標法第3条第1項柱書の要件に反して登録された可能性が極めて高いと考えられる。本件商標の権利者によって使用についての証明書が提出されない限り、権利者が「豆、食用たんぱく」について商標法第3条第1項柱書の要件を充足して本件商標が登録になった可能性は極めて低いと考える。
(4)むすび
本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、「ウメ」の称呼を共通にする類似の商標であり、また、その指定商品も本件商標の指定商品中「豆、食用たんぱく」について同一又は類似するものである。したがって、商標法第4条第1項第11号に該当し、商標登録を受けることができないものであり、また、本件商標の指定商品中「豆、食用たんぱく」について、権利者が自己の業務として使用している事実又は使用する蓋然性がないことから、商標法第3条第1項柱書に反し、商標登録されたものであるから、本件商標は商標法第46条の規定により無効とされるべきものである。
被請求人は、何ら答弁していない。
本件商標と引用商標の類否について検討する。
(1)本件商標について
本件商標は、別掲(1)に示すとおり円形内に「梅」の文字を描き、その右横に「山本のり店」の文字を書してなるものであるところ、これを常に一体不可分のものとしてのみ把握する特段の事情も認められず、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものとみるのが相当である。
そして、本件商標の図形部分は、円形内に、該円形内が埋まる程の大きさと太字で「梅」の漢字を描いてなるものであるところ、該円形内に配置された「梅」の漢字部分は、日本の代表的な落葉高木として、また、春の訪れを告げる木として、一般に親しまれている「梅」を表したものと容易に理解させるばかりでなく、前記したとおり太字で描かれていることより、一層看者の注意を強く惹き、印象に残るものといえる。
してみると、本件商標は、強く印象に残る「梅」の漢字部分より、「ウメ」の称呼及び「梅」の観念をも生ずるものといわなければならない。
(2)引用各商標について
引用商標1の構成は、別掲(2)に示すとおり、外側にやや太めの円を描き、その円形内に中心部より3分の2程度の位置に二重の内円(二重円の外側の円は、内側の円より細く描かれている)を描き、該二重円と外円の間に、下部にリボン結びの図を描き、その左右から円弧状に麦の穂をそれぞれ3個描き、また、二重円の内側の下部やや右よりに梅の花が2輪描かれている枝の左側から二重円の内側に円弧状に枝を描き、右側と接続し、その二重円の中央部に太字で「梅」の漢字を大きく描がいた図形よりなるものである。
また、引用商標2は、上記引用商標1と同一の図形に、外円の左上部に図形と下部に「うめ」の平仮名文字を付加した図形よりなるものである。
そして、引用各商標の中央部に配置された「梅」の文字部分は、前記したとおり、大きく描かれてなるものであるところ、該「梅」の文字は日本の代表的な落葉高木として、また、春の訪れを告げる木として、一般に親しまれている「梅」を表したものと容易に理解させるばかりでなく、太字で描かれていることより、一層看者の注意を強く惹き、印象に残るものといえる。
してみると、引用各商標は、強く印象に残る「梅」の漢字部分より、「ウメ」の称呼及び「梅」の観念を生ずるものといわなければならない。(なお、引用商標2からは、外円の下部に「うめ」の平仮名を書してなるから、「ウメ」の称呼を生ずることは、明らかである。)
(3)本件商標と引用商標の類否判断
本件商標と引用各商標とは、外観上区別しうる差異があるとしても、前記認定のとおり、「ウメ」の称呼及び「梅」の観念において、類似する商標といわなければならない。
(4)指定商品について
本件商標の指定商品は、「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」であり、引用商標1の指定商品は、「小麦粉及びふすま」、引用商標2は、「穀物、豆、粉類、素材蛋白、飼料、その他の動物で他の類に属しないもの」であることは、前記のとおりである。そして、本件商標の指定商品中「豆」と引用商標1の指定商品中「小麦粉」は、販売系統を共通にする場合が多い類似の商品であり、又、本件商標の指定商品中「豆、食用たんぱく」は、引用商標2の指定商品中「穀物、豆、粉類、素材蛋白」と同一又は類似する商品と認められる。
(5)結論
以上のとおり、本件商標は、引用各商標と称呼、観念において類似する商標であって、その指定商品においても、本願の指定商品中「豆、食用たんぱく」は、引用各商標の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、その指定商品中の「豆、食用たんぱく」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条の規定により、その登録を無効とすべきである。
なお、請求人の主張する商標法第3条第1項柱書に該当するかについては、請求人提出の証拠のみをもっては、被請求人が、自己の業務に係る商品として使用していないと認めることはできないから、その主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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