結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−30058(T2000−30058/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2471502号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、昭和60年12月2日に登録出願、第9類「金属加工機械器具、その他本類に属する商品(但し、合成樹脂製袋製造機械及びその類似商品を除く)」を指定商品として、平成4年10月30日に設定の登録がされたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「軸受け、軸、軸継ぎ手およびベアリング、動力伝導装置、及びこれらの類似商品」についての登録を取り消す、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第3号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中「軸受け、軸、軸継ぎ手およびベアリング、動力伝導装置、及びこれらの類似商品」について継続して3年以上日本国内において使用されていない、また、専用使用権の設定又は通常使用権許諾の登録もないのであるから、使用権者による使用ということも問題にならないので、商標法第50条第1項の規定に基づき本件商標の指定商品中、上記商品につき登録取消審判を請求する。
(2)被請求人の答弁に対する弁駁
(a)本件の不使用に係る商品は、「機械要素」に属するものであるが、機械要素としての商品は、特定の機械器具だけにのみ用いられるものではなく、不特定の機械器具にも用いられるもの、すなわち汎用性があることが必要である。従って、機械要素に属するベアリングならベアリングメーカーが汎用性のある製品として製造(販売)する商品を意味している。
そこで、被請求人が提出した乙号証を検討するに、乙第1号証から被請求人がダイシングソーのメーカーであること、またダイシングソー(多数の部品・附属品から成り立っている)には回転軸やVベルトを含んでいることは明らかである。
しかしながら、ダイシングソーを構成する回転軸やVベルトは、当該ダイシングソーにのみ用いられるものであり、これらは機械要素というより交換部品、即ちダイシングソーの専用部品であって、その規格、仕様が本体との関係で決まっており、他の機械器具にも使用し得る商品としての独立性を有していない。
(b)乙第2〜5号証は、回転軸、Vベルトはダイシングソー用のものであることは立証しているが、当該回転軸及びVベルトがダイシングソー以外の機械器具にも使用可能なものであることを立証していないのである。また、乙第3号証、乙第4号証、乙第5号証によれば使用者(株式会社デイスコエンジニアリングサービス)の担当者が中四国SC(メンテナンス)関東SC(部品販売)であるところから、ダイシングソーの購入者からの部品交換のための注文により納品されたものを示すことから同様に商品の汎用性を立証し得ない。
(c)以上により被請求人が製造・販売しているとする回転軸、Vベルトはダイシングソー専用であり、機械要素に属せず、従って本件商標は請求に係る商品には使用されていないと考える。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証を提出した。
(1)本件商標は、「軸受け、軸、軸継ぎ手およびベアリング、動力伝導装置、及びこれらの類似商品」について本件商標の出願日前から現在に至るまで継続して使用されている。乙第1号証(被請求人が製造、販売しているダイシングソー「600」シリーズのカタログ)から明確に理解されるとおり、被請求人は、本件商標を継続してダイシングソー、即ち半導体ウエハーを格子状の切断ラインに沿って切断して所謂半導体チップを形成する精密切断装置、を製造、販売している。被請求人が製造、販売しているダイシングソーには種々の機械要素が部品として使用されており、かかる機械要素は軸の典型例である回転軸、及び動力伝導用ベルトの典型例であるVベルトを含んでいる。回転軸及びVベルトの如き機械要素は、長期間に亘る使用によって摩耗等を被り、従って必要に応じて交換することが必要である。
被請求人は、回転軸及びVベルトを含む種々の機械要素も交換部品として製造し、直接的に或いは被請求人の子会社である株式会社デイスコエンジニアリングサービスを通して販売している。そして、かような機械要素の販売に際して本件商標を使用している。以下、商品「回転軸」及び「Vベルト」についての本件商標の使用について詳述する。
(2)回転軸についての本件商標の使用
乙第2号証から明らかなとおり、被請求人は、商品名「NCP00001−J」として製造、販売している回転軸の販売に際して、ボール紙製包装箱自体に商品名「NCP00001−J」と共に本件商標と実質上同一である商標を付している。
乙第3号証(株式会社デイスコエンジニアリングサービスの納品書写し)は、商品名「NCP00001−J」として製造、販売している回転軸が平成12年(2000年)1月27日に、被請求人の子会社である株式会社デイスコエンジニアリングサービスを通して、松下寿電子工業株式会社に出荷されたことを示している。
(3)Vベルトについての本件商標の使用
乙第4号証から明らかなとおり、被請求人は、商品名「MOSAZ067」として製造、販売しているVベルトの販売に際して、透明プラスチックフィルム製包装袋に貼着したラベルに商品名「MOSAZ067」と共に本件商標と実質上同一である商標を付している。 乙第5号証(株式会社デイスコエンジニアリングサービスの納品書写し)は、商品名「MOSAZ067」として製造、販売しているVベルトが平成12年(2000年)2月15日に、被請求人の子会社である株式会社デイスコエンジニアリングサービスを通して、株式会社南陽信州営業所に出荷されたことを示している。
(4)以上詳述したとおりであるので、本件商標は指定商品「軸受け、軸、軸継ぎ手およびベアリング、動力伝導装置、及びこれらの類似商品」について本件商標の出願日前から現在に至るまで継続して使用されていることが明らかである。
本件商標は別掲に示すとおりの構成よりなり、被請求人は、指定商品中の「回転軸、Vベルト」について使用していると答弁するが、請求人は、該商品は機械要素に属さない旨の主張をしているのでまず、この点について検討する。
商標法第50条の規定により登録商標をその指定商品に使用しているかどうかは、商標法における商品、すなわち、商取引の目的物としての流通性を有するものに登録商標が使用されているかどうかという点から検討されなければならない。
ところで、商標法施行規則第3条及び別表によれば、同法施行令第1条の規定による商品の区分に属すべき商品の第9類には、「機械要素」としての「一 軸」が、また、「二 動力伝導装置」の項に「動力伝導用ベルト」が示されていることから明らかなように、これら商品は、それ自体独立して商取引における目的物としての流通性を有するものであるから、特定の登録商標をこれら商品に使用するときは、独立の商品たる軸、動力伝導用ベルトについてその商標を使用しているものとされるが、右軸、動力伝導用ベルトが機械器具の部品として用いられ、他の部品とともにその機械器具の一要素を構成するときは、商取引の目的物として流通するものは、その機械器具であって、軸、動力伝導用ベルトではない。すなわち、軸、動力伝導用ベルトは部品として機械器具に組み込まれることによって商品としての独立性を失うに至るものと認められる。
そうとすると、請求人がいう、汎用性のあるものはもちろんであるが、ある種機械に専用の部品であっても、それが前述のとおり、独立して商取引の対象となるものである以上は、該部品は機械要素の範疇に属する商品と認め得るものといえる。
機械要素としての商品については、上記の判断が相当であり、以下に述べる回転軸、及びVベルトは、被請求人が製造、販売している精密切断装置の部品として取り引きされていることが確認できるので、これらの商品は、取り消しに係る指定商品「軸受け、軸、軸継ぎ手およびベアリング、動力伝導装置、及びこれらの類似商品」に各々属する商品と認めることができる。以下被請求人が本件商標をその指定商品について使用しているとして乙各号証を提出しているので、検討する。
(1)回転軸についての本件商標の使用
乙第2号証の商品は「回転軸」と認められ、前記したとおり、該商品は本件商標の指定商品中の「機械要素」に属する「軸」の一と認め得るものであり、同号証の商品及び包装箱には本件商標と社会通念上同一と認め得る商標が付され、また、包装箱には、商品を特定する「NCP00001−J」の記号が付されている。
乙第3号証は納品書写しであり、商品を特定する「NCP00001−J」の記号(乙2号証の記載と符合している)が記載されており、製造、販売している回転軸が平成12年(2000年)1月27日に、被請求人の子会社である株式会社デイスコエンジニアリングサービスを通して、松下寿電子工業株式会社に出荷されたことを認めることができる。
(2)Vベルトについての本件商標の使用
乙第4号証の商品「Vベルト」は、同じく前記したとおり、該商品は本件商標の指定商品中の「機械要素」に属する「動力伝導用ベルト」の一と認め得るものであり、同号証の商品の包装袋・ラベルには本件商標中の「disco」の文字の下部に「ES」の文字が付加されてはいるが、未だ本件商標と社会通念上同一と認め得る商標が付され、該ラベルには、商品を特定する「MOSAZ067」の記号が付されている。
乙第5号証は納品書写しであり、商品を特定する「MOSAZ067」の記号(乙第4号証の記載と符合している)が記載されており、製造、販売しているVベルトが平成12年(2000年)2月15日に、被請求人の子会社である株式会社デイスコエンジニアリングサービスを通して、株式会社南陽信州営業所に出荷されたことを認めることができる。
そうとすれば、本件商標と社会通念上同一と認め得る商標が、その指定商品中の取り消しに係る指定商品について、被請求人或いは被請求人の子会社により、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用されたものということができる。
したがって、本件商標の指定商品中請求に係る商品についての登録は、商標法50条の規定により取り消すべき限りでない。
Next Action
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