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Trademark Appeal Case

ECHOとECCOの称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35703(T2000−35703/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4320646号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおり、「ECHO」の文字を書してなり、平成7年11月27日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、平成11年10月1日に設定登録がされたものである。

2.引用商標

請求人が本件商標の登録の一部無効を主張して引用した登録第3028996号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)に示すとおり、「ECCO」の文字を書してなり、平成4年4月21日に登録出願、第25類「洋服,コート,ワイシャツ類,エプロン,帽子」を指定商品として、平成7年3月31日に設定登録がされたものである。

なお、請求人が後出3.(1)(ウ)において、参考として挙げている登録第2023557号商標(以下「参考(A)商標」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成態様よりなり、昭和60年10月8日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和63年2月22日に設定登録、その後、平成9年11月4日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

同じく、請求人が参考として挙げている登録第3028995号商標(以下「参考(B)商標」という。)は、別掲(4)に示すとおり、「エコー」の文字を書してなり、平成4年4月21日に登録出願、第25類「洋服,コート,ワイシャツ類,エプロン,帽子」を指定商品として、平成7年3月31日に設定登録、その後、当該商標の登録を取り消すとの審決が平成11年4月23日に確定し、当該商標権の抹消登録が平成11年6月16日にされたものである。

3.請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中の「洋服,コート,ワイシャツ類,エプロン,帽子及びこれらに類似する商品」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第60号証を提出した。

(1)本件商標と引用商標の類否について

(ア)本件商標は、「ECHO」の欧文字よりなるから、これより「エコー」の称呼及び「反響,こだま」等の観念を生ずる。

これに対し、引用商標は、「ECCO」の欧文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、該文字は直ちに特定の読みをもって親しまれた語とはいえないことから、これを称呼する場合、その構成文字の読みを連ねた「イーシーシーオー」の称呼のほか、我が国において最も普及し浸透している英語の発音に倣って称呼されるものである。そして、引用商標の構成文字中、語頭の「E」は、例えば、「ECHO」が「エコー」、「EIGHT」が「エイト」、「EXERCISE」が「エクササイズ」とそれぞれ称呼されるように「エ」と称呼されること、また、引用商標の構成文字中の「CCO」が、例えば、「ACCORDION」を「アコーディオン」、「ACCOST」を「アコースト」とそれぞれ称呼するように「コー」と称呼されること、さらに、引用商標のように末尾に「O」の欧文字が来る場合には、例えば、「ECHO」が「エコー」、「HELLO」が「ハロー」、「HERO」が「ヒーロー」とそれぞれ称呼されるように、末尾の「O」は長音をもって称呼されるのが普通であるから、結局、引用商標の全体よりは、「エコー」の称呼を生ずるものである。

(イ)引用商標が本件商標と同一の発音(甲第3号証)であること、人名としての「ECCO」の発音(甲第4号証)が「エコー」であること、そして、イタリア語の「ECCO」が英語の「ECHO」にあたること(甲第5号証)、また、英国中期の英語においては、現在の「ECHO」を「ECCO」と表示していたこと及び「反響,こだま」等の観念が同じであること(甲第6号証ないし同第8号証)は、これらの証拠によって明らかである。

(ウ)引用商標は、その登録の際、別掲(3)に示すとおりの構成態様よりなる登録第2023557号商標(「参考A商標」)及び別掲(4)に示すとおり、「エコー」の文字よりなる登録第3028995号商標(「参考B商標」)と連合する商標として登録されたものである。特に、引用商標「ECCO」が参考B商標と連合する商標として登録されたことから、両者は同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品に使用すると判断されたにほかならず、これよりすれば、「エコー」の称呼を生ずる本件商標「ECHO」と引用商標「ECCO」とは同一又は類似の商標であることに疑いの余地はない。

また、「商標出願・登録情報検索(詳細画面)」(甲第11号証)をみると、引用商標の称呼として「エコー」も記載されているので、引用商標からは「エコー」の称呼を生ずることが確認できる。しかも、引用商標が「エコー」と称呼されることは甲第12号証及び同第13号証によっても明らかである。

(エ)請求人の出願(2000年商標登録願第12314号)に係る商標「ECCO」に対して、本件商標を引用した商標法第4条第1項第11号の拒絶理由通知(甲第14号証)が発せられていることから、本件商標と引用商標とは同一又は類似の商標である。

(オ)請求人は、昭和57年以降、商品「革ぐつ」について、「ECCO」「エコー」商標を使用し大々的に宣伝してきた結果、これらの商標は、請求人の商標を表示するものとして著名となっている(甲第15号証ないし同第25号証)。

以上のとおり、引用商標からは、「エコー」の称呼を生ずるから、本件商標と引用商標とは、「エコー」の称呼を同じくし、かつ、観念も同一であり、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある類似の商標である。

また、本件商標の指定商品である第25類「被服」と、引用商標の指定商品である第25類「洋服,コート,ワイシャツ類,エプロン,帽子」とは、人が着るもの等の用途を共通にする同一又は類似の商品である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その指定商品中の「洋服,コート,ワイシャツ類,エプロン,帽子及びこれらに類似する商品」について、その登録を無効とすべきである。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

(ア)被請求人は、我が国において最も普及浸透している発音方法によれば、引用商標からは、「エッコ」の称呼のみを自然に生ずると述べているが、請求人は、引用商標が「エコー」と称呼され、観念も「反響、こだま」等であると反論する。

(イ)被請求人は、引用商標「ECCO」の構成文字中、語頭の「E」が「エ」と称呼されるか否かは議論の対象外である旨主張し、かつ、「EACH」「EVEN」「EYE」等といった語頭の「E」が「エ」と称呼されない多数の例を挙示するとともに、引用商標から「イーシーシーオー」の称呼が生ずることを請求人も認めているから、請求人が引用商標の語頭の「E」から「エ」の称呼を生ずるというのは矛盾等である旨主張している。

しかしながら、請求人は、引用商標の語頭の「E」から「エ」の称呼を生ずるので、引用商標は「エコー」と称呼される旨主張したにすぎない。

本件商標「ECHO」が「エコー」と称呼されるように、引用商標「ECCO」の構成文字中、語頭の「E」が「エ」と称呼されるのは極めて自然であり、請求人は、事例を挙示(「EIGHT」、「EXERCISE」等)したが、このほかにも「E」を語頭とし、「エ」と称呼される英語は枚挙にいとまがない。

(ウ)被請求人は、請求人が例示した(a)「ACCORDION」及び「ACCOST」が、当該構成文字中の「CCO」の後に、他の文字の続く英語であること、それに対し、引用商標「ECCO」が「CCO」の文字で終り、他の文字が続かないこと、したがって、両者は「CCO」の文字の配置において異なること、また、欧文字はアルファベットの配列、構成語の長さ、文字の配置個所、アクセントとの関係など、数多くの要素の下で発音方法が決定されるから、前記(a)のように、「CCO」の文字が中間に位置する場合には、後続する文字の称呼に引っ張られ、該「CCO」の文字は「コー」と称呼されるが、引用商標「ECCO」のように、「CCO」が末尾に位置する場合には、該「CCO」は「コー」と称呼されないと主張しており、さらに、前記(a)のように、6文字又は9文字で構成される英単語の場合と4文字で構成される引用商標の場合とでは、単語の長さや音数が異なるので、同列に論ずることができないと述べ、したがって、前記(a)をもってしては、引用商標「ECCO」の構成文字中の「CCO」が「コー」と称呼される証左とはならないこと、さらに、引用商標の構成文字中の「CCO」と同じ条件の場合、例えば、(b)同一の子音要素が連続して配列され(「CC」「SS」「ZZ」等)、その直後に「O」や「A」等の母音が1文字だけ続くという条件の下では、「ESSO」が「エッソ」、「LOTTE」が「ロッテ」、「GUCCI」が「グッチ」と称呼されるように、連続する子音要素は詰まった音である促音「ッ」として発音される旨主張している。

しかしながら、請求人は、甲第26号証ないし同第28号証(審決例)によって、被請求人の主張に対して反論する。すなわち、これらの審決例によれば、連続する子音要素を有する文字(例えば、「rr」「MM」「LL」)の位置(中間や末尾)や文字数の差異とは関係なく称呼がされており、たとえ、連続する子音要素であったとしても、促音「ッ」の称呼がされるというわけではない。その証拠として、請求人は、「SSO」が「ソー」(甲第29号証ないし同第31号証)と、また、「LLO」及び「llo」が「ロー」と、「ZZO」が「ゾー」と、「RRO」が「ロー」と、「MMO」が「モー」と、「CCO」が「コー」(甲第32号証以下)とのみ称呼されていること並びに被請求人の主張する条件下でも、これらの商標の称呼に促音「ッ」が採用されていないことを主張・立証する。

(エ)被請求人は、現在ほど英語が普及していない20年以上も前の辞典(甲第3号証)をもってしては、引用商標「ECCO」から「エコー」の称呼が生ずることを立証し得ないと主張するとともに、甲第4号証ないし同第8号証についても同様の趣旨のことを述べているが、これらが印刷物として出版され、永久に残存することを考慮すれば、被請求人の主張を認めることはできない。

(オ)被請求人提出の乙各号証を総合すると、被請求人は、自己に都合のよい証拠だけを提示したと思料されるだけでなく、引用商標「ECCO」に関する全ての登録・出願についての称呼を挙示していないから、乙第1号証ないし同第6号証をもってしては、引用商標から「エッコ」の称呼のみを自然に生じるということはできない。

(カ)甲第55号証ないし同第60号証によれば、「ECHO/エコー」「ECCO」「ECHO」「ecco」の各商標が、同一又は類似の商標であることは間違いない事実である。

4.被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第6号証を提出した。

(1)請求人は、本件商標「ECHO」より「エコー」の称呼及び「反響、こだま」の観念を生ずるとしているのに対して、引用商標「ECCO」は、直ちに特定の読みをもって親しまれた外国語とはみられないために、「イーシーシーオー」の称呼を生ずると認めている。

その一方で、請求人は、引用商標「ECCO」が我が国において最も普及浸透している発音に倣って称呼されるべき旨主張し、かつ、引用商標「ECCO」から「エコー」の称呼を生ずると主張し、その証拠として、甲各号証を提出している。

しかしながら、被請求人は、我が国において最も普及浸透している発音方法によって称呼される場合には、引用商標「ECCO」からは「エッコ」の称呼のみを自然に生ずると確信する。

したがって、本件の場合には、引用商標「ECCO」から「エコー」の称呼が生ずるとする請求人の主張が的確か否かが問題にされるべきである。

(2)引用商標「ECCO」から「エコー」の称呼を生ずる理由として、請求人は、次の(ア)ないし(ウ)を挙げているが、これらに対し、被請求人は、以下のように抗弁するものである。

(ア)引用商標「ECCO」の構成文字中、語頭の「E」が「エ」と称呼されることについて

本件の場合には、語頭の「E」が「エ」と称呼されるか否かは議論の対象外であるが、被請求人は、「EACH」「EVEN」「EYE」など「E」が「エ」と称呼されない数多くの例外が認められることや請求人自身が引用商標から「イーシーシーオー」の称呼を生ずると認めていることからみて、語頭の「E」が「エ」と称呼されるとの請求人の主張には矛盾等が認められることを指摘する。

(イ)引用商標「ECCO」の構成文字中、「CCO」が「コー」と称呼されることについて

請求人は、このことを示すために、「ACCORDION」が「アコーディオン」と、「ACCOST」が「アコースト」と称呼される例を挙げている。

しかしながら、請求人が例示する「ACCORDION」や「ACCOST」は、「CCO」の文字の後に、さらに、欧文字が後続する英単語であり、本件において問題となっている「CCO」の文字で終わる引用商標「ECCO」の場合とは「CCO」の文字の配置が異なるので、当該事例は事案を異にするものである。すなわち、欧文字は、26文字のアルファベットの配列、構成される単語の長さ、文字の配置箇所、アクセントとの関係などの数多くの要素の下で発音方法が決定されるため、「CCO」の文字が中間で発音される場合には、後続する文字から生ずる称呼に引っ張られて、「CCO」は「コー」と称呼されるが、「CCO」の文字が末尾で発音される場合には、後続する文字から生ずる称呼に引っ張られることがないため、「CCO」は長音「コー」と称呼されることはない。

したがって、「CCO」の文字が中間で発音される場合と、末尾で発音される場合とでは、条件が全く異なるため、両者を同一に論ずることはできない。また、請求人が例示する「ACCORDION」や「ACCOST」のように6文字又は9文字で構成される英単語の場合と、4文字で構成される引用商標「ECCO」の場合とでは、単語の長さや音数が異なるので、この点においても、両者を同一に論ずることはできない。

よって、「ACCORDION」や「ACCOST」の語において、「CCO」が「コー」と発音されていることは、引用商標「ECCO」における「CCO」が「コー」と称呼されるべきことの証左とはならない。

これに対して、被請求人は、引用商標「ECCO」における「CCO」の文字と同一の条件、すなわち、同一の子音要素が連続して配列される場合(「CC」「SS」「ZZ」「TT」等)であって、これらの連続する子音要素の直後に「O」や「A」等の母音要素が1文字だけ後続するという条件の下では、例えば、「ESSO」が「エッソ」と、「LOTTE」が「ロッテ」と、「GUCCI」が「グッチ」と称呼されるように、「CC」「SS」等の同一の子音要素の連続配列部分が詰まった音である促音「ッ」として称呼されるべきものと確信する。そして、審決例も、このような考え方で称呼の特定がされていると思料する(乙第1号証)。したがって、我が国において最も普及浸透している発音方法によって称呼される場合には、引用商標「ECCO」からは「エッコ」の称呼のみを自然に生ずるというべきである。

(ウ)引用商標「ECCO」の構成文字中、末尾の「O」が長音をもって称呼されることについて

請求人は、このことを示すために「ECHO」が「エコー」と称呼されること等の例を挙げている。

しかしながら、末尾の「O」が長音をもって称呼されるか否かは、末尾の「O」の直前に配置される文字との関係、すなわち、末尾の「O」の直前に「CC」「SS」等のような促音「ッ」として発音されるべき同一の子音要素の連続配列があるか否かによって決定されるべきであり、末尾に「O」を有するがゆえに末尾が長音をもって称呼されるというのとは異なる。

したがって、末尾に「O」を有する場合に、末尾が長音をもって称呼されるとの請求人の主張は、引用商標「ECCO」から「エコー」の称呼が生ずるという根拠にはなり得ない。

(3)引用商標「ECCO」から「エコー」の称呼を生ずるとして請求人が提出した甲各号証をもってしては、引用商標「ECCO」から「エコー」の称呼が生ずることを立証するに足りない。

(4)以上のことから、引用商標「ECCO」が「エコー」の称呼を生ずるとする請求人の主張には根拠がなく、引用商標「ECCO」からは「エッコ」の称呼のみを自然に生ずると被請求人は確信する。

そして、本件商標「ECHO」から生ずる「エコー」の称呼と、引用商標「ECCO」から生ずる「エッコ」の称呼を対比すると、両称呼は極めて短い音構成にあって、長音「ー」の有無及び促音「ッ」の有無において差異を有し、これらの差異に基づく語調・語感が著しく相違するため、両称呼は明確に聴別し得る非類似の称呼であることが明らかである。特に、本件商標「ECHO」から生ずる「エコー」の称呼は、長音「ー」の部分を明確に発音しなければ、「生態環境への適合」等を意味する「ECO」の語から生ずる「エコ」の称呼と区別し得ないため、より注意深く称呼され、聴取されることから、「エコー」と「エッコ」との相違は一層明瞭になる。

してみると、本件商標から生ずる「エコー」の称呼と、引用商標から生ずる「エッコ」の称呼とは類似しないことが明らかである。

また、本件商標と引用商標との観念上の類否について検討するに、本件商標からは「反響、こだま」等の観念が生じるのに対して、引用商標は、請求人も認めているように、直ちに特定の読みをもって親しまれた外国語とはみられない造語に係るものであって、特定の観念が生ずることはないため、本件商標と引用商標とは観念において類似しないことが明らかである。

さらに、本件商標と引用商標とが外観上類似しないことは一見して明白である。

したがって、本件商標は、外観・観念はもちろんのこと、称呼においても引用商標とは類似せず、商標法第4条第1項第11号に該当しないと確信する。

5.当審の判断

(1)本件商標と引用商標との類否について

本件商標は、別掲(1)に示すとおり、「ECHO」の文字を書してなるから、該構成文字に相応して、「エコー」の称呼を生ずる。

他方、引用商標は、別掲(2)に示すとおり、「ECCO」の文字を書してなるところ、これが特定の観念を有する語とは直ちに理解し得ず、かかる場合、全体をアルファベット読みに「イーシーシーオー」と称呼するか、もしくは、例えば、「ESSO」が「エッソ」、「LOTTE」が「ロッテ」、「GUCCI」が「グッチ」と、いわゆる著名商標がそのように読まれている如く、これを「エッコ」と読み、その称呼をもって取引に資されるとみるのが自然である。

そうとすれば、引用商標は、その構成文字に相応して、「イーシーシーオー」又は「エッコ」の称呼を生ずるものと認められる。

そこで、本件商標より生ずる「エコー」と引用商標より生ずる「イーシーシーオー」又は「エッコ」の称呼を比較するに、「エコー」と「イーシーシーオー」とは判然と聴別し得るものである。

また、本件商標より生ずる称呼「エコー」は、滑らかに称呼し得るのに対し、引用商標より生ずる称呼「エッコ」は、「エッ・コ」と息の段落を生ずるように称呼されるといえることから、その差異が短い音構成よりなる両称呼の全体に及ぼす影響は大きく、両称呼を一連に称呼する場合には、それぞれの語調、語感を異にし聴き誤るおそれはないものというべきである。

そして、本件商標は、「反響、こだま」等の意味合いを有するのに対し、引用商標は、直ちに特定の観念や読みをもって親しまれた語とはいえず、一種の造語というべきであるから、両者は観念においても明確に区別し得るものである。

さらに、両者は、その外観構成においても明らかに相違し、判然と区別し得るものである。

そうすると、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)請求人の主張について

請求人は、引用商標「ECCO」の構成文字中、「CCO」につき、例えば、「ACCORDION」を「アコーディオン」と、「ACCOST」を「アコースト」と称呼するように、「CCO」の文字は「コー」と称呼されること、そして、引用商標のように、末尾に「O」を有するものについては、例えば、「ECHO」を「エコー」と、「HELLO」を「ハロー」と、「HERO」を「ヒーロー」と称呼するように、末尾の「O」は長音をもって称呼されるのが普通であること、さらに、引用商標と別掲(3)及び(4)に示す商標とが連合商標として登録されていた経緯があることから、引用商標の全体よりは、「エコー」の称呼を生ずる旨主張している。

しかしながら、「ACCORDION」、「ACCOST」の例は、「CCO」の後に、さらに、別の文字が続くものであって、これらと引用商標とを同視するのは必ずしも妥当でなく、むしろ、前記著名商標の例によれば、これを「エッコ」と読むとみるのが自然であること前記のとおりである。そして、仮に、引用商標が「エコー」と読まれる場合があるとしても、本件商標とは、その外観、観念を著しく異にし、かつ、全体から受ける印象も異なるから、結局、これらの点を総合判断すると、両者は、その出所について混同するおそれのない非類似の商標とみるのが相当である。それゆえ、請求人主張の連合商標の事由をもってしても、なお、この認定を覆すことはできない。よって、請求人の主張は採用することができない。

また、請求人は、甲第3号証(ENGLISH PRONOUNCING DICTIONARY OF PROPER NAMES 固有名詞英語発音辞典)、甲第4号証(The New CENTURY CYCLOPEDIA OF Names)、甲第5号証(THE CAMBRIDGE ITALIAN DICTIONARY)、甲第6号証(RANDOM HOUSE Webster’s COLLEGE DICTIONARY)、甲第7号証(SHOGAKUKAN RANDOM HOUSE ENGLISHーJAPANESE DICTIONARY)及び甲第8号証(THE AMERICAN HERITAGE DICTIONARY OF THE ENGLISH LANGUAGE)を挙げ、引用商標からは、本件商標と同一の称呼「エコー」を生じ、かつ、「反響、こだま」等の観念も同一である旨主張している。

しかしながら、たとえ、前記「ENGLISH PRONOUNCING DICTIONARY OF PROPER NAMES 固有名詞英語発音辞典」等に「ECCO」の発音記号等が記載されているとしても、そのことをもって、直ちに引用商標「ECCO」が我が国の一般需要者間において「エコー」と称呼され、かつ、「反響、こだま」等の観念を有するものとして広く認識されているものとまではいい難く、むしろ、該文字は、造語と把握されるべきものであること前記認定のとおりである。

したがって、その出典に基づく請求人の主張は採用することができない。

(3)結語

以上のとおり、本件商標は、その指定商品中の「洋服,コート,ワイシャツ類,エプロン,帽子及びこれらに類似する商品」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえないから、その登録は、商標法第46条第1項の規定により、無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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