結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30030(T2001−30030/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1187735号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第10類「理化学機械器具」を指定商品として、昭和48年10月8日に登録出願、同51年3月8日に設定登録され、その後、同61年5月21日、平成8年5月30日に商標権存続期間の更新登録がされている。
してみれば、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきである。
(1)被請求人は、答弁書と共に、登録商標の使用の証拠として、商品カタログ(乙第1号証)と商品写真(乙第2号証)を提出している。しかし、これらの証拠によっては、本件商標が、審判請求登録前3年以内に商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって、その指定商品である「理化学機械器具」について使用された事実が、客観的に証明されるものではない。以下に、その理由を述べる。
(2)まず、商品カタログには、その発行年月日が記載されておらず、また、被請求人は、このカタログが頒布された日付けを何ら証明していない。したがって、このカタログが、本件審判請求登録前3年以内に、当該商品の販売を目的として実際に頒布されたと客観的に認めることはできない。
(3)さらに、そのカタログに示されている実験用加熱攪拌装置は、当該カタログの記載によれば、「...有機合成実験、減圧蒸留、各種分析などの化学実験において、幅広く利用することができる」ものである。実際にも、この種の商品の場合、商品カタログを用いた広告・宣伝活動がなされれば、常識的に考えて、かなりの台数の商品が販売される筈である。にも拘わらず、被請求人は、商品カタログを示すのみであり、当該商品が実際に販売された事実を何ら証明していない。しかも、商品カタログが発行された日付けや頒布された日付けも明らかにしていない。
この点からも、本件商標が、審判請求登録前3年以内に、実際に使用されたと客観的に認めることはできない。
(4)商品カタログ(乙第1号証)によれば、被請求人の実験用加熱攪拌装置は、具体的には、マグネチックスターラ一、加熱浴、温度制御器の3つの装置が一体となったものと解される。しかし、被請求人の答弁書に添付された商品写真(乙第2号証)には、温度制御器のみが写っており、マグネチックスターラ一と加熱浴は写っていない。被請求人の実験用加熱攪拌装置は、マグネチックスターラ一・加熱浴・温度制御器が一体となって構成されるものであり、写真に写っている温度制御器のみによって構成されるものではない。写真に写っている「温度制御器」は、単独の商品としては「測定機械器具」の範疇に属するものであって、「理化学機械器具」に属する商品ではない。このことは、特許庁編「商品及び役務区分解説」の記載からも明らかである。
また、商品カタログ(乙第1号証)によれば、「温度制御器は、加熱浴と切り離して適当なリレーを用いることにより、各種温度制御に利用できる」と記載されている。つまり、この温度制御器は、実験用加熱攪拌装置を構成する装置として使用されるだけでなく、一般的な温度制御器(すなわち「測定機械器具」)としても使用されるものである。
したがって、温度制御器だけが写っている写真(乙第2号証)からは、本件商標が「測定機械器具」について使用されていることを確認することができるのみであり、「理化学機械器具」について使用されていることを確認することはできない。
以上から、その商品写真によっては、本件登録商標が「理化学機械器具」に使用されている事実を認めることはできない。
(5)さらに、商品カタログ(乙第1号証)と写真(乙第2号証)には、「みどり化学株式会社」又は「Midori Kagaku Co.,Ltd.」の名称が確認できるのみであり、被請求人の名称である「有限会社みどり化学研究所」の文字は確認できない。この点につき、被請求人は、答弁書において何ら言及していない。仮に、みどり化学株式会社が、本商標権についての専用使用権者又は通常使用権者であるならば、その点についての立証がなされるべきであるにも拘わらず、被請求人は、何ら具体的な証拠を提出していない。
したがって、本件登録商標が、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用されている事実を認めることはできない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出している。
被請求人は、昭和51年頃より、マグネチックスターラ一の使える定温加熱装置に本件商標を付し、商品として販売会社みどり化学株式会社が販売のためこれを展示し、商品カタログを頒賦して使用しているので、請求人の不使用取消の審判請求は理由がない。
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人が、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は、使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
そこで、被請求人が、本件商標の使用の事実を立証する証拠として提出している乙第1号証及び乙第2号証を検討するに、乙第1号証(商品カタログ)には、「実験用加熱撹拌装置」であること、その商品の特徴・仕様が記載され、また「ホットスター」及び「HOT−STIR」の商標がそれぞれ記載されている。更に、該商品カタログの1頁目には「Midori Kagaku Co.,Ltd.」の文字、最終頁には問い合わせ先として「みどり化学株式会社」(住所、電話番号)の文字がそれぞれ記載されている。
次に、乙第2号証(商品写真)には、機器の前面に「POWER」、「HEATER」(ON・OFF)と表示した2つのスイッチと温度の表示部と思われる部分、及び、その同じ面に「HOT−STIR」と「MK−5」の文字及び「Midori Kagaku Co.,Ltd.」の文字等がそれぞれ表示されている機器が示されている。
そして、被請求人は、昭和51年頃より、マグネチックスターラーの使える定温加熱装置(乙第1号証によると「実験用加熱撹拌装置」を指すものと認められるので、以下「実験用加熱撹拌装置」という。)について本件商標を使用し、販売会社である「みどり化学株式会社」が販売のためこれを展示し、商品カタログを頒布して使用している旨主張しているが、乙第1号証によっては商品「実験用加熱撹拌装置」の商品カタログに本件商標を表示して作成されたことは推認できるとしても、これが、審判請求の登録前3年以内に「実験用加熱撹拌装置」について、本件商標の使用がされた事実、例えば、商品カタログの印刷時期・数量・頒布時期、当該商品を販売のため展示した時期・場所又は生産・販売等の取引書類・販売数量等を裏付ける客観的な事実が何ら証明されていない。
また、乙第2号証は、写真による証拠であるところ、その撮影時期、撮影者、撮影場所等が不明であり、また、その写真に示されている機器は、乙第1号証に掲載されている「実験用加熱撹拌装置」とは異なる機器であり、それが「実験用加熱撹拌装置」であることの確認もできないものである。
更に、被請求人は、請求人の弁駁に対し何の答弁もしていない。
してみれば、乙第1号証及び乙第2号証によっては、「実験用加熱撹拌装置」について、被請求人が主張する当該商品の販売会社である「みどり化学株式会社」(通常使用権者と推認される。)が、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標を使用していた事実があったものと認めることはできない。
以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、本件審判請求に係る指定商品のいずれかについて使用していることを証明し、又は、使用していないことの正当理由があることを明確にしていないものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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