結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第31281号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1994439号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和58年11月9日登録出願、別掲に示すとおりの構成よりなり、第11類「電子応用機械器具(但し、電子管、半導体素子、電子回路を除く)」を指定商品として、昭和62年10月27日設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録は、これを取り消す、との審決を求めると申立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べている。
(1)本件商標は、その指定商品のいずれについても継続して3年以上使用されている形跡がない。また、登録原簿によれば、専用使用権や通常使用権が設定されている事実もない。よって、本件商標は、商標法第50条の規定により取消を免れないものである。
(2)本件商標は、欧文字「UNIVERSAL SYSTEMS ENGINEERING」と、その下方に欧文字「USE」を独特の書体をもって表してなる構成・態様である。これに対し、被請求人の提出に係る乙第1〜3号証に示された表示は、上段に欧文字「UNIVERSAL SYSTEMS ENGINEERING」を書し、その下方に、欧文字「USE」を、角を斜めに切削せずに垂直方向、水平方向に伸張させ、かつ、青塗り矩形中に表した構成・態様からなるものである。したがって、かかる表示が登録商標と社会通念上同一と認められるものであるか否かは疑わしい。
(3)該表示は、乙第1〜3号証裏面「開発・販売」なる表示の下に、表され、その右方には、被請求人の商号「ユニバーサルシステムズエンジニアリング株式会社」が書されている。すなわち、該表示は、商品の出所についてその責任の所在を示すために、自己の名称を表示するものであって、自他商品を識別するために使用されているものではない。むしろ、乙第1〜3号証における商標とは、「みまさか人事二(「二」は、ローマ数字で表されている。以下同じ。)」「みまさか会計二」「みまさか販売二」である。かかる場所における表示が登録商標の使用に該当するとするならば、商標法第26条の規定の存在意義が無に帰してしまうことは明らかである。
(4)請求人に送達された乙第1〜3号証は、複写であって、原本ではなく、「1998年7月1日」の書体は、他の書体と異なっているから、その作成年月日の信憑性が疑わしい。乙第1〜3号証は、すべて「カスタマイズサービス」の対象となっており、実質的には、第42類に属する役務である。乙第4号証は、本件審判事件とは何等関連性がない。乙第5号証は、証明日の記載がなく、かつ、被請求人の総務部部長によってなされているものであるから、客観的な信憑性がない。乙第1〜3号証は、実際に販売された証拠がない。
請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証を提出している。
(1)本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内から今日まで、商標権者によって継続的に商品「電子応用機械器具」について使用されており、その商標登録を取り消すことのできないものである。
以下に乙第1号証ないし乙第4号証をあげ、その理由を説明する。
(ア)乙第1号証、乙第2号証及び乙第3号証
乙第1号証ないし乙第3号証は、本件商標が指定商品「電子応用機械器具」の中の電子計算機〔中央演算処理装置およびその周辺機器(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路、磁気ディスク、磁気テープを含む。)〕の販売促進用パンフレットを示すものであり、本件審判の請求日より3月以前であって、かつ、本件審判の請求の登録の日前3年以内に、本件商標権者によって使用されていたものである。
乙第1号証ないし乙第3号証の裏面側の下方には、本件商標と同一の商標が記載されている。また、乙第1号証ないし乙第3号証には、これ等が作成された年月日が記載されている。更に、乙第1号証ないし乙第3号証の裏面中央部の「稼働環境」の枠内には、「OS・・・クライアント:Windows95、98又はWindowsNT4.0」と記載があり、ここから、乙第1号証ないし乙第3号証が、Windows98をOSとする電子計算機用のプログラムに関するものであることが判る。
(イ)乙第4号証
乙第4号証は雑誌「アスキー月刊PCI998年9月号」の一部を示すものであり、その99頁と104頁の間には、「Windows98の日本における発売日が平成10年(1998年)7月25日である。」ことが記載されている。
(ウ)乙第5号証
乙第5号証は、被請求人であるユニバーサルシステムズエンジニアリング株式会社において、乙第1号証ないし乙第3号証がアプリケーションソフトの販売用に使用されていたことを証明する証明書である。
(エ)上記乙第1号証ないし乙第5号証から明らかなように、本件商標が少なくとも平成10年7月25日から今日まで、本件商標権者によって、指定商品電子計算機〔中央演算処理装置およびその周辺機器(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路、磁気ディスク、磁気テーフを含む。)〕について使用されていることは、明白なことである。よって、本件商標は、商標法第50条の規定によりその商標登録を取消しされるべきものでない。
(1)乙第1号証ないし乙第5号証から、以下の事実が認められる。
(ア)乙第1号証ないし同第3号証によれば、これらの証拠は、被請求人の開発、販売にかかる人事情報、会計機能、販売管理を装備した電子計算機用のプログラムを記憶させた磁気ディスク(ソフトウェア)(以下「使用商品」という。)の販売促進用のパンフレットであり、1998年7月1日の日付、被請求人の名称、住所(本社及び支店)が記載され、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が明示されていることが認められる。
(イ)乙第4号証によれば、雑誌「月刊アスキーPC」において、Windows98及びオフィス97に関する記事が紹介され、Windoes98については、発売日が7月25日と記載されていることが認められる。
(ウ)乙第5号証によれば、被請求人の総務部部長の証明書であり、乙第1号証ないし同第3号証ののパンフレットが、平成10年7月25日以前から平成11年12月10日まで、使用されていたことを証明している。
(2)前記(1)で認定した事実によれば、被請求人は、遅くとも平成10年(1998年)7月25日には、乙第1号証ないし同第3号証に示す使用商品に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことが認められる。
したがって、被請求人は、本件取消請求に係る指定商品「電子応用機械器具(但し、電子管、半導体素子、電子回路を除く)」中に含まれる使用商品に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、日本国内において本件審判の請求の登録(平成11年10月6日)前3年以内に使用していたと認め得るところである。
(3)請求人の主張
(ア)請求人は、乙第1号証ないし同第3号証の商標は、構成、態様が異なり、社会通念上同一の商標の使用ではないこと、該商標が「開発・販売」の表示の下、及び被請求人の商号の左にあるから、商品出所の責任所在を示すためのもので、自他商品を識別するためのものではないこと、該パンフレットが複写であり、原本でないこと、パンフレットの作成日の書体が異なること、及び使用商品は、カスタマサービスの対象であるから、第42類に属する役務である旨主張している。
しかしながら、乙第1号証ないし同第3号証に示されている「USE」の文字部分が本件商標と若干態様が異なるとしても、該「USE」の文字は、その変更が登録された際の形態における商標の識別性に影響を与えず、かつ、商標の同一性を損なわないものであるから、当該登録商標と社会通念上同一の商標の使用であると解すべきである。
また、パンフレットの裏面の当該箇所に表示されているとしても、これをもって、該表示が自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとすることはできない。そして、該商品カタログは被請求人の作成に係るものであり、そこには本件商標と社会通念上同一と認められる商標が記載され、商品も使用商品について紹介し、解説してなる仕様(概要)説明書と認められ、該パンフレットに基づき取引きが行われた状況を十分窺わせるものである。また、本件商標の使用を証明するについて、その証拠となるパンフレットが複写(コピー)したものがいけないということはできないし、作成日とパンフレットの書体が異なるから認められないということもできない。
さらに、カスタマサービス自体は、請求人の主張どおり役務であるとしても、使用商品は、パンフレットの記載から、記録媒体に記憶した電子計算機用プログラムであることが認められ、該プログラムは電子応用機械器具の範疇に含まれる商品であることは明らかである。
(イ)請求人は、乙第4号証は、本件商標の使用と何ら関係がなく、乙第5号証は、信憑性がない旨主張している。
しかしながら、乙第4号証は、Windoes98というOSの発売日が7月25日であり、使用商品を稼働させるためには、OSが必要であること、そして、OSの種類に適した仕様、機能がバージョンアップされた使用商品が開発、販売されることは通常行われていることであるから、少なくとも上記OSの発売日(1998年7月25日)の前後に合わせて仕様商品が販売されたことを十分に推認させるものである。
また、乙第5号証の証明の内容は、パンフレットが使用商品の販売に使用されたことを担当部署の責任者としての総務部部長が証明しているものと推認され、使用開始時期が平成10年7月25日であり、上記OSの発売日が平成10年7月25日であること及びパンフレットの作成日が1998年(平成10年)7月1日であることを勘案すれば、全く信憑性がないものということもできない。
してみれば、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(4)結論
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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