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Trademark Appeal Case

著名商標の称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2001−35452(T2001−35452/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4449298号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4449298号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成12年2月1日登録出願、「スカイボーグ」の片仮名文字を標準文字とし、第7類「農業用歩行トラクター並びにその部品及び附属品,その他の農業用機械器具並びにその部品及び附属品,園芸用機械器具並びにその部品及び附属品,金属加工機械器具並びにその部品及び附属品,土木機械器具並びにその部品及び附属品,荷役機械器具並びにその部品及び附属品,化学機械器具並びにその部品及び附属品,食料加工用又は飲料加工用の機械器具並びにそれらの部品及び附属品,包装用機械器具並びにその部品及び附属品,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。)並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械の部品及び附属品,機械式の接着テープディスペンサー並びにその部品及び附属品,自動スタンプ打ち器並びにその部品及び附属品,起動器並びにその部品及び附属品,交流電動機及び直流電動機並びにそれらの部品及び附属品(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機並びにその部品及び附属品,直流発電機並びにその部品及び附属品,芝刈機並びにその部品及び附属品,廃棄物圧縮装置並びにその部品及び附属品,廃棄物破砕装置並びにその部品及び附属品,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」及び第12類「産業用無人ヘリコプター並びにその部品及び附属品,その他の航空機並びにその部品及び附属品,農業用トラクター並びにその部品及び附属品,その他の自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車並びにその部品及び附属品,人力車並びにその部品及び附属品,そり並びにその部品及び附属品,手押し車並びにその部品及び附属品,荷車並びにその部品及び附属品,馬車並びにその部品及び附属品,リヤカー並びにその部品及び附属品,車いす並びにその部品及び附属品,荷役用索道並びにその部品及び附属品,カーダンパー並びにその部品及び附属品,カープッシャー並びにその部品及び附属品,カープラー並びにその部品及び附属品,牽引車並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,乗物用盗難警報器並びにその部品及び附属品」を指定商品として、同13年1月26日に設定の登録がされたものであるが、その後、権利放棄により、同14年1月15日に本件登録の抹消の登録がされている。

2 請求人の引用する商標

請求人が本件商標の登録を無効とすべきものとする理由に引用する登録第655209号商標(以下「引用商標1」という。)は、「VOGUE」の文字を書してなり、昭和36年10月23日に登録出願され、第26類「印刷物、ただし、この商標が特定の著作物の表題(題号)として使用される場合を除く」を指定商品として同39年10月9日に設定登録され、その後、同50年8月1日、同59年9月17日及び平成6年9月29日にそれぞれ商標権存続期間の更新登録がされているものである。

同じく引用する登録第967284号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ヴォーグ」の文字を書してなり、昭和43年12月20日に登録出願され、第26類「雑誌、その他本類に属する商品」を指定商品として同47年6月7日に設定登録され、その後、同57年6月25日、平成4年5月28日及び同13年12月18日にそれぞれ商標権存続期間の更新登録がされているものである。

3 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第73号証(枝番号を含む。)を提出した。

(請求の理由)

引用商標1は、請求人の所有に係るファッション雑誌のタイトルとして、日本を含め世界的に著名となっている商標である。 また、引用商標2は、我が国においては第二次世界大戦以前より現在に至るまで、引用商標1のカタカナ表記として使用されている。

この引用商標1及び引用商標2からは「ヴォーグ」の称呼の他に「ボーグ」の称呼も生じる。

引用商標1の称呼に関し、日本語の感覚からすれば「ボーグ」と「ヴォーグ」の称呼の区別はつけにくいところである点は、東京高裁による「VOGUE」関連判決における認定でも明らかである。現に、我が国における「VOGUE」誌の説明においても「ボーグ」と表記している例も多くみられている。

しかも、登録商標の著名度が高い場合には、その著名度の高い部分に世人の注意が集中し当該著名商標の称呼、観念が生じることも裁判所においても明確に認定されているところである。

これに対し、本件商標は標準文字のカタカナ「スカイボーグ」からなり、「スカイボーグ」の称呼の他に「スカイ」と「ボーグ」とを分離した称呼も生ずる。

しかも、本件商標は、第7類及び第12類に属する殆ど全商品を指定商品としている。このうち、第12類に属する自動車,自転車,乳母車,馬車等は、今から20年ないし30年前とは異なり、現代におけるファッション商品となっていることはイタリアVOGUEの姉妹雑誌「AUTION VOGUE」をはじめとして、男性用のファッション雑誌、男性用ライフスタイル雑誌「GQ誌」等により明白である。

さらに、自動車の附属品である「自動車タイヤ」についてもファッション性が重視されていることは審決例によっても明らかである。

したがって、本件商標は、「スカイ」と「ボーグ」とが一連不可分である必然性はなく、「スカイ」と「ボーグ」とに分離して観察することができるため、その出願時及び査定時において引用商標1及び引用商標2と称呼「ボーグ」を共通にし、かつ、指定商品がファッション関連商品を含むものである以上、本件商標は商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、なんら答弁していない。

5 当審の判断

(1)引用商標の著名性について

請求人の提出に係る甲各号証を総合すると、「VOGUE」誌は、1892年アメリカで創刊され、1909年からは、コンデ・ナスト社(後日本件審判の請求人に合併)により、ファッション雑誌として発行されるようになり、アメリカ、イギリス、フランス等で出版され、世界各国で発売されており、古典的かつ世界的な権威を持ったファッション雑誌として、世界的に広く知られている。請求人は、昭和63年にコンデ・ナスト社を合併したが、「VOGUE」誌は、その後も同様に発行されていることが認められる。

そして、我が国においては、昭和24年10月に戦争のために入荷が途切れていた「VOGUE」誌が再発売されて後、昭和30年には「最も知られた流行服飾雑誌」(世界大百科事典1955年8月30日平凡社発行)となり、さらに、平成8年6月には「著名なファッション雑誌」(朝日新聞1996年6月1日発行)との評価を得て現在に至っている。

そうとすれば、本件商標の登録出願がされた平成12年には、既にファッションに関心のある各種デザイナーはもとより、一般女性その他ファッション関連商品の取引者・需要者間において、「VOGUE」は、その片仮名表記の「ヴォーグ」とともに、ファッション雑誌の題号として広く認識され、その状態は本件商標の設定登録がされた平成13年1月当時に至っても継続していたものと認められる。

(2)出所の混同を生ずるおそれについて

本件商標は、上記1に示すとおり、「スカイボーグ」の文字よりなるところ、その構成文字全体をもって、一般に親しまれた熟語的意味合いを表す語として一般に認識されているとは認められないものであり、構成中に、我が国における日常会話においては前記(1)に示す著名商標の片仮名表記「ヴォーグ」と同じ称呼として発音、聴取される「ボーグ」の文字を有してなるものである。

そして、近時における企業経営の多角化は、異業種間においても行われている実状にあり、また、多種多様な商品について、著名商標等に関連した商品化事業が広く行われているところである。

そうとすれば、その構成中に前記著名商標とその称呼を同じくする「ボーグ」の文字を有してなる本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、本件商標の構成文字中の「ボーグ」の文字部分に着目するとともに、著名な引用各商標を想起することも少なくないものといわざるを得ず、これを請求人または請求人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如くその商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。

(3)結語

以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、同法第46条第1項により、その登録を無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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