結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2001−35123(T2001−35123/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4255310商標(以下「本件商標」という。)は、「SBS」の文字を標準文字で横書きしてなり、平成9年9月5日に登録出願、第12類「軸,軸受け,軸継ぎ手,ベアリング,制動装置」を指定商品として、平成11年3月26日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第3340776号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲に示したとおりの構成よりなり、平成6年10月4日に登録出願、第12類「船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品,自転車並びにその部品及び附属品,乳母車,車いす,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械器具,陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,乗物用盗難警報器,落下傘」を指定商品として、平成9年8月22日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第6号証を提出している。
(1)本件商標は、標準文字で英文字「SBS」を書してなり、これより、「エスビーエス」の称呼が生じる。
(2) 請求人は、デンマークのオートバイブレーキシステムの開発、製造、販売を業とする法人である。
甲第3号証は、引用商標の実際の使用態様を示すもので、請求人が製造・販売するブレーキ部品の適合リスト抜粋である。
表紙中央に描かれているように、商標「sbs」は、「SCANDINAVIAN BRAKE SYSTEMS」の表示を下に組み合わせて使用されている。
また、甲第4証は、引用商標の広告が掲載された雑誌であり、ここでも、引用商標は、「SCANDINAVIAN BRAKE SYSTEMS」と組み合わせて使用されている。
すなわち、本件商標は、請求人が開発したブレーキシステムの名称である「Scandinavian Brake Systems」の頭文字「sbs」を組み合わせ、一体的にデザインしてつくられた商標で、「エスビーエス」と指称されている。
引用商標の英文字「sbs」は、一体性を出すためにデザイン化されているとはいえ、英文字の態様に変更はなく、「エスビーエス」の称呼は極めて自然に生じる。
(3)したがって、本件商標は、引用商標と称呼「エスビーエス」において同一である。
更に、本件商標を構成する英文字の中「S」は、大文字も小文字も形に相異がないことから、外観においても、引用商標と類似する。
よって、本件商標と引用商標は、同一の称呼を持ち、外観においても類似する相互に極めて紛らわしい、混同の蓋然性の高い商標である。
ところが、本件商標における登録異議申立て手続においては、引用商標は、図案化された特殊の形態からなり、特に中央の欧文字は、判読し難いものであるから、これより全体として「エスビーエス」の自然的称呼は生じないものと判断するのが相当であるとし、両商標を非類似と判断した。
しかしながら、この判断は、これまでの審決例(甲第5号証及び同第6号証)に照らしても、妥当性を欠くものと言わざるを得ない。
また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品に含まれているものであり、両商標の指定商品は抵触する。
(4)本件商標と請求人の商標とは、称呼及び外観において類似する商標であり、また、その指定商品も抵触する。したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから、無効とされるべきである。
被請求人は、「本件審判請求には理由がなく、よって、本件商標の登録を維持する」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第21号証を提出している。
(1)請求人は、本件商標は標準文字「SBS」からなり、引用商標は英文字「sbs」からなるので、両商標からは「エスビーエス」という同一の称呼が生じると主張する。
本件商標から「エスビーエス」の称呼が生じるのは自然であるが、しかしながら、引用商標が英文字「sbs」からなるので「エスビーエス」という称呼が生じるという主張には納得できない。
引用商標は、請求人が主張するところの英文字の「s」「b」「s」らしきものが連結され一体となって一つの商標を構成しており、それぞれ独立した英文字から構成されているものではないから、一見してその構成文字を明確に判断することができない。特に中心部分にある「b」らしき図形は、縦方向と横方向に延びた線が鋭角を構成しているため、英文字「L」と「o」の組み合わせた図形のようにもみえ、通常グリッド線に対して直角に縦線を書す英文字「b」であると認識することは困難である。
また、請求人が主張するところの英文字「s」らしき部分の一部分が中心部の「b」らしき部分と結合しているため、請求人が主張するところの英文字「b」は、英文字「t」にも見え、仮に文字と見ても、いかなる文字を表したものか特定し得ない程度に図案化が図られており、これを英文字「b」と認識することはとてもできない。
さらに、請求人が主張するところの英文字「s」は、一見して英文字「b」と判別できない特異な図形を間に挟み、それと連結された形で表されているため、一見してそれを英文字「s」であると判別することはできない。一見して英文字「b」と判別できない特異な図形は数字の「6」にも見えるため、そのようにみた需要者は、英文字「s」と思しき図形を数字の「5」を変形させたものと想像するのも難くないことである。
請求人は、雑誌を挙げて、引用商標は「SCANDINAVIAN BRAKE SYSTEM」という表示とともに用いられているので、引用商標はこの表示の頭文字「sbs」であるとしているが、登録となっている引用商標には「SCANDINAVIAN BRAKE SYSTEM」の表示は一切ない状態であるから、引用商標のみからそれを英文字「sbs」であると認識することはできない。逆に、引用商標は、表示「SCANDINAVIAN BRAKE SYSTEM」とともに使用されて初めてそれが英文字「sbs」と認識されるのであって、単独では英文字「sbs」をイメージすることができない。
よって、引用商標は、英文字「sbs」ではなく、「図案化された英文字と思しき図形をまとまりよく連結して横長に配置してなる構成で、特定の称呼・観念を生じないモノグラム風の図形を描いてなる」商標であると解すのが妥当である。
このことは審決例(甲第1号証ないし同第19号証)によっても裏付けられる。
(2)以上述べたことから、引用商標は、特定の称呼・観念が生じないモノグラム風の図形であり、そこから「エスビーエス」という称呼は生ぜず、また図形と標準文字は外観も異なることから、両商標は外観・称呼のいずれにおいても非類似の商標であるといえる。
よって、請求人の本件商標が商標法第43条の2第1号(商標法第4条第1項第11号)に違反して登録されたため無効とすべきとの主張には理由がなく、本件商標の登録は維持されるべきである。
本件商標は、「sbs」の文字を標準文字で表してなるものであり、該構成文字に相応して「エスビーエス」の称呼を生ずるものと認められる。
これに対し、引用商標は、別掲に示したとおりの構成よりなるものである。
ところで、商標を構成する文字の一部又は全部を図案化させ、或いは彩色するなどして、その文字自体では判読が不能なものであっても、隣接する文字との関連で、或いは組み合わされたことによりそれぞれの字形の特徴が現れてみえるなどの事由により、全体としてみれば、判読可能な程度に視覚上の特徴をもたせた商標が今日普通に採択、使用されている実情にあるものと認められる。
上記実情に照らすと、引用商標は、曲線などを連続させて表した三つの構成要素のうち、左端及び右端の構成部分は、欧文字の「s」を表したものと容易に看取し得る形状よりなるものである。そして、「s」の欧文字に挟まれた中央部分は、隣接する「s」の文字に連続させて、同文字と同じ太さの線、同じ手法で表されており、また、その横幅、態様からすると、「s」と同様に欧文字1字を表したものと認識するのが自然であって、右に傾斜した直線と連続する横線を底部とする円状図形を組み合わせた形状は「b」の文字の特徴を失っていないものというべきである。
そうすると、引用商標は、「sbs」の文字よりなると認識して取引に資される場合が決して少なくないものであり、むしろ自然であると判断するのが相当であるから、該構成文字に相応して「エスビーエス」の称呼を生ずるものといわなければならない。
してみれば、本件商標は、引用商標と、外観において相違している点を考慮しても、なお、「エスビーエス」の称呼を共通にする類似の商標と判断するのが相当である。
また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品に包含されているものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効にすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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