Trademark Appeal Case
氏姓と業種名の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成5年審判第16777号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「マツモトデンキ」の片仮名文字を書してなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)電気材料」を指定商品として、平成2年12月27日に登録出願されたものである。
2.原査定の理由
原査定は、「本願商標は、ありふれた氏姓『松本』を片仮名で表したものと認められる『マツモト』に取扱商品、業種を示す『電気』を片仮名で表したものと把握、理解される『マツモトデンキ』の文字よりなるものであるから、全体として、ありふれた名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。
3.当審の判断
「松本」がありふれた氏姓であることは、例えば、平成5年3月発行に係る日本電信電話株式会社の「東京都23区個人名全区版・下巻」に掲載された電話加入者の数からみても認められ、また、「電気」の文字が業種名や業態名を表示する語として一般に使用されているところである。
そして、日常一般商取引の場において、氏姓と業種名或いは業態名とを結合し、これを片仮名文字をもって表示する場合も少なくないところであるから、「マツモトデンキ」を書してなる本願商標は全体としてありふれた名称を片仮名文字をもって表示したものと判断するのが相当である。
しかして、本願商標は普通に用いられる方法の域を脱しない程度に表示されてなるから、本願商標に接する取引者、需要者は、ありふれた名称を片仮名文字で表示したものと理解し、認識するに止まるものといえる。
したがって、本願商標は、その指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものといわざるをえないから、結局、本願商標は商標法第3条第1項第4号に該当し登録することができない。
請求人は、本願商標はその指定商品について永年使用された結果、取引者、需要者間に広く認識されるに至ったものであるから、商標法第3条第2項の規定により登録されるべきである旨主張し、原審において出願人発行の宣伝用チラシ4部(甲第1号証)及び出願人会社案内(甲第2号証)を提出し、当審において甲第3号証乃至106号証を提出した。
そこで、請求人(出願人)の提出した甲各号証をみるに、日本経済新聞コピー(甲第100号証)、テレビ広告(甲第101号証)、出願人会社案内(甲第2号証、甲第102号及び甲第103号証、なお、甲第2号証は甲第102号に同じ)、事業報告書(甲第104号証)、各店舗の写真(甲第105号証)によれば、請求人は昭和36年11月に埼玉県に設立されたものであって、つるせ電気館、つるせメディア館、上福岡店、東松山店、深谷店、清瀬店、坂戸店、入曽店、入間店、大宮指扇店、鶴ヶ島店、新座野寺店、飯能店、大宮店、戸田店、与野店、所沢東店等の各営業所を有し、そして、宣伝用チラシ(甲第1号証及び同第106号証)によれば、テレビ、ビデオ、オーディオ、OA関連機器、一般家庭電化製品、健康器具等について本願商標を使用していることが認められるところである。
しかしながら、請求人が使用する本願商標は、いずれも埼玉県下の各営業所において使用しているにすぎないものであり、かつ、テレビ広告(甲第101号証)をみても、広告、宣伝の方法、地域、回数及び内容等も具体的に把握し難いものである。
更に、本願商標の指定商品は「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)電気材料」であるところ、証明書(甲第3号証乃至同第99号証)の記載内容によれば、本願商標は「電気製品」のトータルブランドとして現在周知著名となっていることを証明するものであって、本願商標の指定商品についての使用を証明しているものとはいい難いものである。
してみると、請求人の提出した各号証を総合的に勘案しても、本願商標はその指定商品の全てに使用された結果、請求人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者間に広く認識されるに至ったものとはいい難く、結局、本願商標は商標法第3条第2項の規定に該当する商標と認められないから、請求人の主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
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