sokuhyo

Trademark Appeal Case

パワーの品質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成5年審判第17622号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「パワー」と「POWER」の文字を2段に書してなり、第11類「電子応用機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年12月14日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、『出、入力』あるいは『能力』等を表す語としてスピーカーシステム、電子式卓上計算機、スイッチ等多くの電気、電子機器に広く使用されている『パワー』『POWER』の文字よりなるものであるから、これを指定商品に使用しても、商品の機能、品質を表したものと認識されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定し、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

請求人は、「最近の電子機器には多種多様な機能を搭載したものが多く、この機能を選択するために多くのスイッチ類が配置されているが、スイッチには個々にそのスイッチが果たす機能の名称表示がされているのが一般的である。しかし、機能表示的使用であっても、自他商品識別のために使用すれば充分商標として、顕著性を有しているものも多数ある。例えば、パソコンに使用されている「NUM」、「DEL」、「ESC」等がある。これらは、一見キートップ等に使用された場合には機能を表す用語とも考えられるが、自他商品識別のために使用すれば充分に商標としての登録要件を具備しており登録されるべきものである。本願商標も機能表示として使用するものでなく自他商品識別の商標として使用するものである。」旨主張している。

4 当審の判断

本願商標を構成する「パワー」及び「POWER」の文字は、力、能力、体力、動力、仕事率等を意味する(「現代用語の基礎知識」1987年1月1日、自由国民社発行)外来語であり、日常においても、「パワー(power)のある車」、「パワー(power)に欠ける」等といって親しまれているものである(「大辞林」1988年11月3日、株式会社三省堂発行)。

さらに、「パワー」及び「POWER」の文字を本願指定商品との関係からみるときは、例えば、「乾電池」について、日経産業新聞(1996年6月25日、13頁)に、「...乾電池は、マンガンからよりパワーのあるアルカリヘの移行が進んでいるが、...」、日経流通新聞(1989年2月4日、10頁)に、「使い捨て型電池−OA需要が拡大、パワー大きいリチウム...」また、「モーター」について、日本経済新聞(1991年7月25日、朝刊13頁)に、「...高温超伝導でモーター試作...超伝導状態で0.5アンペアの電流を流し、回転させたところ、25ワットのパワーが得られたという。」、日経産業新聞(1985年5月24日、8頁)に、「DC(直流)サーボモーター...容量を従来の約2分の1に縮小する一方、パワーは50%アップした。」、いわゆる「CDラジカセ」について、日経産業新聞(1995年9月8日、9頁)に、「...CDラジカセのスピーカーとしては業界最大の30ワットのパワーを持ち、...」等、と掲載されていて、これ等の「パワー」は、何れも「力、力のある、出力」を意味する語として使用されている事実を確認することができる。

以上を総合すると、「パワー」及び「POWER」の文字を普通に用いられる態様で書してなる本願商標を電気機械器具、電気通信機械器具について使用しても、本願商標に接する取引者、需要者は、該商品の動力、出力等の力の大きさ、強さを総称して表示したものと、理解し、認識するに止まり、格別自他商品の識別標識とは把握し得ないものとみるのが相当であるから、結局、本願商標は、商品の品質を表示するにすぎないものといわざるを得ない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。

なお、請求人は、機能表示使用であっても、自他商品識別のために使用すれば充分商標として、顕著性を有しているものも多数あるとして、具体的事例として「NUM」、「DEL」、「ESC」等を挙げ、本願商標もこれ等に準ずる趣旨の主張をしているけれども、指定商品との関係が明らかでなく、本願商標については、前記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。