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Trademark Appeal Case

商標使用の証明要件

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30663(T2001−30663/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4153441号商標(以下、「本件商標」という。)は、中央に大きく「宙」の漢字とその下にやや小さい「そら」の平仮名文字を横書きに配してなり、平成9年1月13日に登録出願、第18類「原革,原皮,なめし皮,毛皮,革ひも,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘」を指定商品として、同10年6月5日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

1 請求の趣旨

本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。

2 請求の理由

(1)本件商標は、請求人の調査したところによれば、その指定商品「原革,原皮,なめし皮,毛皮,革ひも,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がまロロ金,傘」について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。

(2)弁駁

(a)被請求人は平成13年8月28日付の答弁書において「商標の使用事実を示す書類」として乙第1号証を提出し、本件商標は審判請求登録時以前より継続的に使用されているので、本件審判の請求は成り立たないと主張する。しかしながら、以下に述べるように、乙第1号証のカタログは、本件商標がその指定商品「原革,原皮,なめし皮,毛皮,革ひも,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がまロロ金,傘」について、審判請求登録前の3年以内に日本国内において商標権者等のいずれかが使用をしたことを証明するものではない。

(b)前記答弁書によれば、「乙第1号証は被請求人が商品『袋物』に関する広告に本件商標『宙/そら』を付して展示し又は頒布した事実を示すカタログ」(答弁書2頁17〜19行)とのことである。そしてそのカタログの下部には「97発売製品」、「98.09」との付記が見られる。また、被請求人は「同号証のカタログは、被請求人(印傳屋上原勇七)が事実上の本社である「山梨県甲府市川田町アリア201」とする住所地、又は、商号登記簿上の本社である「山梨県甲府市055(233)1100」とする住所地において本件商標を展示し又は頒布している事実が認められる。」(答弁書3頁1〜4行)とも主張する。しかしながら、このような一遍の書類、乙第1号証及び被請求人の主張をもってしては、商標法第2条第3項第7号に規定の商標の使用行為、すなわち、当該「商品に関する広告に商標を付して展示又は頒布する行為」が審判請求登録前3年以内に存在したと客観的に把握することができないことは下記のとおりである。

(イ)まず、乙第1号証のカタログが現実に本件審判請求登録前3年以内の時期に存在していたと客観的に確認できない。例えば当該カタログがいつ、何人により企画、作成されたのか、また何人により商品写真の撮影がされ、印刷されたものか、これら乙第1号証の作成者の氏名、住所並びに作成部数などを併せて明らかにし、前記の事実が客観的に把握できるようにされたい。このような事実さえ確認できない乙第1号証をもってしては当該商品「袋物」の広告に当該商標を付して展示し、又は頒布したとは俄に信じがたく、乙第1号証が通常の商行為において用いられる書類とは客観的に理解できない。結局のところ本件審判請求登録前3年間に乙第1号証の資料が広告に用いられ、展示、頒布されていたとことを信ずるに足る程度に立証がなされているとは到底いえない。

(ロ)つぎに、乙第1号証が如何なる理由により被請求人主張のごとく、被請求人の本社などにおいて「展示し又は領布している事実が認められる」(答弁書3頁1〜4行)のか客観的に把握できない。すなわち、乙第1号証のカタログの展示、頒布が現実にどのような態様、期間、範囲で行われたかを客観的に確認する資料は何等見当たらない。このような事実の確認できない乙第1号証をもってしては、当該商品「袋物」の広告に当該商標を付して展示し、又は頒布がなされたとは俄に信じがたく、本件審判請求登録前3年間に乙第1号証の資料が広告に用いられ展示、頒布されていたとことを信ずるに足る程度に立証がなされているとは到底いえない。

(c)さらに、被請求人の主張によれば本件商標を使用した商品は乙第1号証カタログ(1998年9月発行)により宣伝されていて、現在まで約3年の期間が経過している。そうであれば、通常の商取引においては当該商品にかかる実際の取引書類が被請求人の手元に少なからず存在するはずであり、かかる取引書類を提出し、当該商標の使用を立証するのが自然である。本件商標が指定商品との具体的関係において使用されていることを明らかにする前記書類の提出もなく、ただ乙第1号証のカタログの存在のみをもって、本件商標が審判請求登録時以前より継続的に使用されているとの主張はいささか信じがたく、被請求人主張の事実が客観的に認め得るものとは思われない。

(d)以上、被請求人の主張及び乙第1号証を検討しても、これらから本件商標が使用されていたと客観的に把握することはできず、他に本件商標の使用を立証する証拠は何も見出し得ない。そうすると、本件商標は指定商品「原革,原皮,なめし皮,毛皮,革ひも,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がまロロ金,傘」について、被請求人、または使用権者のいずれもが、国内において継続して3年以上使用しておらず、また使用していないことについて正当な理由があることも明らかにされていない。

第2 被請求人の答弁

1 答弁の趣旨

結論同旨の審決を求める。

2 答弁の理由

被請求人は、答弁の理由を次のように述べ、その証拠方法として乙第1号証を提出した。

(1)本件商標は、被請求人が以下に主張立証するように、本件審判請求登録時以前より継続的に使用されているので、本件審判の請求は成り立たない。

(2)被請求人は、本件商標を継続的に使用している事実を乙第1号証を提出して主張立証する。

乙第1号証は、本件商標を所有している被請求人(商標権者)が、商品「袋物」に関する広告に、本件商標「宙/そら」を付して展示し又は頒布した事実を示すカタログである。

同号証は、商標法第2条第3項第7号に該当する商標の使用行為であり、本件商標が継続的に使用されていることは明らかである。

(3)乙第1号証に示すカタログを更に具体的に説明すると、同号証に示す製品は、被請求人が新製品として1997年度(平成9年度)に発売した製品であり、そして同号証のカタログは、1998年(平成10年)9月以降に発行し、頒布されたものである。したがって、同号証によると、本件商標は、本件審判請求登録前3年以内に指定商品「袋物」について使用していることは明らかである。

また、同号証のカタログは、被請求人(印傳屋上原勇七)が事実上の本社である「山梨県甲府市川田町アリア201」とする住所地、又は商号登記簿上の本社である「山梨県甲府市05 5(233)1100」とする所在地において、本件商標を展示し又は頒布している事実が認められる。

(4)したがって、上記の事実から明らかなように、乙第1号証によると、商品「袋物」に関する広告に標章「宙/そら」を付して展示し、又は頒布する行為(商標法第2条第3項第7号)が認められるから、本件商標は、本件審判請求登録前3年以内に指定商品「袋物」について継続的に使用していることは明白である。

第4 当審の判断

(1)被請求人が本件商標の使用について提出した乙第1号証によれば、以下の事実が認められる。

乙第1号証は、本件審判請求の登録前3年以内に該当する1998年9月に商標権者(被請求人)により発行された商品カタログであって、該カタログ中には、商標権者の代表的出所標識と認められる「INDEN-YA」の文字等と共に本件商標が付され、商品「手提げ袋」が紹介されている。

(2)そして、このような場合、該カタログが頒布されるものであることは、商取引の経験則に照らして相当であるから、作成後、該カタログが頒布されたことは容易に推認でき、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、商標権者により、その指定商品中の「袋物」について、使用されたものと認められる。

(3)したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消すべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

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