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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2000−35592(T2000−35592/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3103828号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成4年12月7日登録出願、商標の構成を後掲(1)に示すものとし、指定商品を第5類「薬剤」として、同7年12月26日に設定の登録がされたものである。

2 引用商標

請求人が本件商標の登録無効を述べる理由に引用する登録第434141号の1商標(以下、「引用a商標」という。)は、昭和26年11月28日登録出願、商標の構成を後掲(2)に示すとおり縦書きの「プラス」の片仮名文字とし、指定商品を第1類「化学品、薬剤及び医療補助品」として、同28年10月31日に設定の登録がされた商標登録第434141号を原登録商標とし、その後、原登録に係る商標権についてその指定商品中の「化学品」を一部譲渡する旨の分割移転の登録が同58年8月15日にされたことに伴う権利であって、該商標権は、同51年12月8日、同58年11月28日及び平成5年10月28日の両3度に亘って存続期間の更新登録がされているものである。

同じく、引用登録第2098289号商標(以下、「引用b商標」という。)は、昭和60年7月18日登録出願、商標の構成を後掲(3)に示すとおり「PLUS」の欧文字とし、指定商品を第1類「薬剤」として、同63年11月30日に設定の登録がされ、その後、該商標権は、平成10年11月24日に存続期間の更新登録がされているものである。

3 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とすると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第19号証を提出した。 (1)無効事由

本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。

(2)無効原因

本件商標は、角の丸まった長方形の輪郭中に、欧文字にて「Maalox/Plus」と二段横書きしてなり、第5類「薬剤」を指定商品とし、上記1に示すとおり登録されたものであるが、請求人所有に係る上記2に示す引用各商標はその先出願に係るものであって、本件商標と引用各商標とは称呼上類似の商標であり、その指定商品も類似するものである。

(ア)本件商標について

本件商標は、「Maalox/Plus」と二段併記してなる構成であるから、各段は分離されてそれぞれの文字部分に照応した「マーロックス」「プラス」の称呼が生じるのが自然であり、他にこれを一連に称呼しなければならない特別の事情は見あたらない。

また、本件商標は全体として一体の意味は生じないので、上下段の文字部分が不可分一体のものと認識されるものではなく、各段の文字部分に照応して別個の称呼、観念を生じるものである。

よって、上下段の文字部分は分離して称呼されるものである。

特に、上段の「Maalox(マーロックス)」は被請求人の販売する胃粘膜の保護成分である水酸化アルミニウムを配合した医薬品に使用されている代表的な商標として広く一般に知られているものであり、胃薬「マーロックス」印のシリーズ商品5品目の統一商標として使用されているものである(甲第4号証)。

したがって、本件商標中、下段の文字部分である「Plus」は、上段の「Maalox」印のシリーズ商品5品目中の1つである「Plus」印の商品を指称する識別表示として機能しているものである。

換言すれば、「Maalox」の文字は被請求人販売に係るシリーズ商品(胃薬)の統一商標であり、同文字以外の部分が個々の商品を識別するための商品商標ということができる。

因みに、過去の無効審判の審決において、「トクホンラブ」の商標は、『「トクホン」の文字自体は被請求人会社の代表的な出所標識とみられることから、「ラブ」の文字部分が個々の商品毎に付される識別標識として理解される』と判断されている(甲第5号証)。

また、東京高裁判決(平六(行ケ)三二号)において、「健康科学/ヤクルト」の商標からは『代表的な出所標識である「ヤクルト」の部分が省略され、「ヤクルト」とは独立した個々の商品の識別標識である「健康科学」の部分に応じて、「ケンコーカガク」の称呼が生ずることを否定することはできない』と判断されている(甲第6号証)。

さらには、過去の異議申立及び審判等において、商標構成中の「プラス」「PLUS」が分離され、引用商標に類似すると判断された事例として、昭和53年審判第937号、平成9年審判第8697号の各審決例(甲第7号証及び甲第8号証)、商願平2−74594号、商願平2−74595号の各異議決定例(甲第9号証ないし甲第10号証)がある。

翻って、本件商標は、上述の通り二段併記よりなるものであり、且つ、下段の「Plus」の文字部分は商品商標と認められるものであるから、これに照応した「プラス」の称呼をも生じるものである。

本件商標は長方形の輪郭中に「Maalox/Plus」の文字を二段に配したものであるが、この輪郭を有することを以て、各段の文字部分を常に一体のものとして認識しなければならない根拠とする事はできない。この点は、例えば、昭和53年審判第12583号(甲第11号証)の審決例からも裏付けられる。そして、本件商標の輪郭は極めて単純な構成であり、これに「Maalox/Plus」の文字部分を二段に配したものであるから、これらを一体に考察すべき特別な事情は一切発見できない。

尚、本件商標中、下段の「Plus」の文字部分は、その指定商品との関係においても十分識別力を有するものであることは、異議2000−90123号の異議の決定でも説示されている通りである(甲第12号証)。

確かに、「プラス」「PLUS」の文字が「加えること、足すこと」の意味を有することはこれを否定するものではないが、それを理由に当該文字の識別力を否定するのは即断に失するものといわざるを得ない。

例えば、「カルシウムプラスビタミンC」「ビタミンEをプラス」といったように、加える内容を具体的に表示した場合には、商標法第3条第1項第3号にいう商品の品質、原材料等の表示に該当するものと思われるが、「プラス」「PLUS」の文字自体から生じる意味は抽象的なものであるから、何ら上記条項に該当するものではない。

現に、「プラス」「PLUS」の文字よりなる商標は各種の商品について商標登録されている(甲第13号証)。

また、請求人は商標「プラス」「PLUS」は請求人所有に係る登録商標であり、これらに類似する商標を無断で使用すべきでない旨の謹告・広告を定期的に紙上に載せ(甲第16号証ないし甲第17号証)、或いは、これを第三者に対して使用許諾している(甲第14号証ないし甲第15号証)。

以上の通りであるから、「プラス」「PLUS」の文字自体は本件商標の指定商品について十分、識別力を有するものである。

したがって、本件商標からは「Maalox/Plus」に照応した「マーロックスプラス」の称呼のほか、「プラス」の称呼、観念をも生じるものと認められる。

(イ)引用各商標について。

請求人の引用各商標からは、その構成から「プラス」の称呼、観念が自然と生じることは明らかであるから、結局、本件商標は引用各商標と称呼上及び観念上類似の商標といわざるを得ない。

(ウ)商品の類似について

本件商標の指定商品は甲第1号証に示すとおり、第5類「薬剤」である。

一方、引用商標の指定商品は甲第2号証ないし甲第3号証に示すとおり、旧第1類「化学品、薬剤及び医療補助品、但し、化学品を除く」及び旧第1類「薬剤」である。したがって、本件商標の指定商品は引用各商標の指定商品と同一又は類似のものである。よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)被請求人の答弁に対する弁駁 (a)答弁の理由「(2)」について

被請求人が所有する登録第2081345号「MAALOX PLUS」、登録第2081346号「マーロックス プラス」の登録商標は一段に表示してなるものであって、二段書きしてなる本件商標とはその構成を著しく異にするものであるから、本件商標をこれらの登録商標と同列に論じることはできない。また、「Maalox」印のシリーズ商品が幾つかある場合に、一般の需要者の中にはむしろ「Plus」をさして「このプラスを下さい。」ということも商取引上当然起こり得るものである。よって、2段に表示された本件商標が常に一連不可分に称呼されるという主張は、乙第1号証、乙第2号証の商標ならいざ知らず、何ら根拠が無く、到底合理的なものということはできない。

(b)答弁の理由「(3)」について

請求人が甲第5号証及び甲第6号証に示す審決・判決例を証拠として提出した意図は、これらが商標構成中の代表的な出所標識の部分は省略され、その他の文字部分に照応した称呼が生ずる旨を説示するものだからである。

すなわち、本件商標中「Maalox」は被請求人の販売する胃腸薬に使用されている代表的な出所標識として広く一般に知られているものであるから、「Plus」の文字部分が個々の商品を識別するための標識として機能し、これに照応した「プラス」の称呼をも生じると言わざるを得ない。そして、甲第10号証異議決定例も同様である。本件商標がこれと異なった判断をされなければならない合理的な理由は全く見当たらない。

また、被請求人のいう「PLUS」「プラス」に他の語を結合させた商標として挙げる乙第6号証の商標のうち、登録第4211418号「パブロン/プラス」、同第4382626号「リポビタンD/プラス」については、現在無効審判に係属している(なお、前者に係る2000年無効審判第35586号については、その後、その登録を無効とする旨の審決の確定登録が平成13年10月3日にされた。)。

さらに、「PLUS」「プラス」の語が「薬剤」との関係においても識別力を有するものであることは、商標「プラス/PLUS」が登録第4325885号として平成11年10月15日付にて登録されていることからも明らかである(甲第18号証)。

(c)答弁の理由「(4)」について

医薬品を取り扱う当業界においては「プラス」「PLUS」が請求人所有に係る登録商標であることは周知となっている。したがって、引用各商標に類似する本件商標の登録が維持されるとすれば、これはむしろ当業界の取引秩序を乱すおそれがあること明白であるから、本件商標は商標法制定の趣旨からも当然その登録を無効にされるべきものである。

4 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。 (1)請求人の主張はいずれも合理的な根拠がないから、本件審判請求は成り立たないというべきである。

(2)本件商標と引用各商標との類似性について考察する。

本件商標は、四隅を丸めた長方形の線図形の内部上段に「Maalox」、下段に「Plus」の欧文字を同一の書体・大きさでまとまりよく配したものであり、「マーロックスプラス」という一連の称呼のみが生じることは明らかである。

一方、引用a商標は、片仮名文字「プラス」を縦書きに表したものであり、引用b商標は、欧文字「PLUS」を横書きにしたものであるから、引用各商標からはいずれも「プラス」の称呼が生じ、それ以外の称呼の生じる可能性はない。

したがって、本件商標と引用各商標とは、その全体的な外観に何ら類似性はなく、また、全体の称呼も明らかに異なることが明白である。

上記のように、本件商標は、長方形の線図形の中に「Maalox」「Plus」の文字を同書・同大・等間隔で配したものであって、全体的に一個のまとまりのある標識として認識されることが明らかである。

ところで、被請求人は本件商標の他にも商標登録第2081345号(「MAALOX PLUS」,昭和63年9月30日登録)、商標登録第2081346号(「マーロックス プラス」,昭和63年9月30日登録)のような登録商標を有し、実際の市場においてこれらを使用している(乙第1号証ないし乙第3号証)。

請求人が『代表的な商標として広く一般に知られている』と述べているように、本件商標及び上記二つの商標は、「胃腸薬」についての被請求人の著名商標である。したがって、現実の取引に際して、このような著名商標が使用された商品を例えば一般の需要者が「プラス下さい。」などということはあり得ないし、また、本件商標は常に「マーロックスプラス」と一連不可分に称呼されると考えるのが自然であり、前半部「マーロックス(Maalox)」を省略して単に「プラス」と称呼され、取引に供されることなど現実にはあり得ないというべきである。

(3)請求人の挙げる過去の審決・判決例並びに異議決定の例は、すべて事案を異にするものであって本件には当てはまらないものであり、また、「Plus」(プラス)商標の使用許諾に関して述べる請求人の主張は、我田引水の論理であって到底合理的なものということはできない。

(4)以上詳述した通り、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼、観念を異にする非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号には該当せず、本件審判請求は理由がない。

5 当審の判断

本件審判における請求人、被請求人両当事者の主張の論点は、本件商標中の「Plus」の文字部分が単独で商品識別の標識として機能し得るものかまた、それにより本件商標と引用各商標とが「プラス」の称呼等において類似とされるものかどうかの一点にある。

商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である。そして、商標の外観、観念又は称呼の類似は、その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず、従って、前記3点のうちその1において類似するものでも、他の2点において著しく相違することその他取引の実情等によって、なんら商品の出所に誤認混同を来すおそれの認め難いものについては、これを類似の商標とすべきでないと解するのが相当である。

これを本件についてみるに、本件商標はその構成後掲(1)に示すとおり、横長の隅丸矩形の輪郭線内上段に「Maalox」、同下段に「Plus」の欧文字を二段に表してなるものであるところ、これら欧文字は同書体、同じ大きさをもって前記矩形内にバランスよく収まっていて視覚上ひとまとまりのものとして看取し得るものである。そして、これより生ずるとみられる「マーロックスプラス」の称呼もさほど冗長に亘るものでなく、無理なく一連に称呼し得るものである。また、意味上においては、上段の「Maalox」の文字部分からは直ちに特定の意味合いを想起し得ないのに対し、下段の「Plus」の文字部分は、「プラス」と読まれ、「+(プラス)記号、加えよ(加えるの意)、陽電気、陽性、利益」等の意味合いをもって世人一般に親しまれ馴染まれている平易な英語と認められる。

ところで、本件商標に関連して、被請求人が「MAALOX PLUS」又は「マーロックス プラス」の文字よりなる各標章について薬剤その他の商品を指定商品とする商標登録を保有しており(乙第1号証:商標登録第2081345号,乙第2号証:商標登録第2081346号)、このうち、後者の商標(「マーロックス プラス」商標)が、その事実上の使用権者である我が国国内の製薬関連事業者(山之内製薬株式会社)によりその取り扱いに係る胃腸薬を表示する商標として使用されている点については、請求人もこれを認めるところである(甲第4号証ほか)。そして、この「マーロックス プラス」商標が本件商標の登録出願前よりすでに我が国の需要者間において相当程度認識せられていたであろうことは、例えば、請求人提出の薬事日報社2000年発行「医薬品・医療衛生用品価格表(抜粋)」(甲第4号証)の当該記載及び被請求人提出の当該商品(胃腸薬)の現物写真(乙第3号証)並びに被請求人主張の全趣旨よりして十分推認し得るところであって、この事情を述べる被請求人の答弁に対して、請求人は敢えて反駁していない。

そうすると、本件商標をその指定商品である薬剤について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、その全体称呼(「マーロックスプラス」)を同じくする等の事情からして、直ちに周知商標というべき前記「マーロックス プラス」商標(以下、「国内周知商標」という。)を連想・想起し、国内周知商標に係る商品(胃腸薬)と密接に関連するものとしてこれを把握し、さらに、その取り扱い・販売に係る事業主体とを密接に関連づけて認識・把握するとみるのが取引の実情に照らし相当である。

また、同時に、「Maalox」、「Plus」の各欧文字を主要な構成とする本件商標は、国内周知商標と同様に全体として不可分一体のものとして認識・把握されるとみるのが相当であって、殊更、構成中の「Plus」の文字部分のみを分離抽出し、これを、例えば、第三者に係る商品ないしその商標等との関係において捉えるべき特段の事情は存しないものといわなければならない。

そして、本件商標は、その構成自体一体感の強いものであり、かつ、全体より生ずる称呼も無理なく称呼し得るものであり、さらに、意味上においては、国内周知商標と同様に感得されるものであること等の点については、前記認定のとおりである。

してみれば、本件商標についてその商品分野における取引の実情に照らし、外観、観念、称呼等より受ける取引者・需要者の印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察した場合、構成中の「Plus」の文字部分が単独に商品識別の標識として捉えられ、或いは、同文字部分より生ずる「プラス」の称呼・観念をもって取引に資されるとする取引状況は存在せず、また、その証拠も見出せない。

請求人は、この点に関し、本件商標は二段構成であって各段は分離されること、また、それぞれに相応して「マーロックス」又は「プラス」の称呼を生ずるものであって一連に称呼されるという特別の事情は見当たらないこと、本件商標は全体として一個の意味を有しない故に不可分一体のものとして認識されないこと、或いは、「Plus」の文字はそれ自体商品識別の機能を有すること等の理由を述べ、審決又は異議決定の事例(甲第5号証、甲第6号証ほか)を挙げているが、本件については、商標自体と国内周知商標の存する事情その他その商品の分野における取引の実情よりして前記認定・判断を相当とするものであって、国内周知商標の存する事情並びにそれによって形成される需要者一般の印象認識等よりして、本件商標は常に不可分一体のものとして捉えられるというべき特別の事情に当たるというべきであるから、この実情を無視し又は看過して述べる請求人の主張は妥当でなく、採用することができない。また、その提示に係る審決又は異議決定の事例は、対比される商標自体が本件事案とは相違し、かつ、取引の実情その他の点を総合勘案すべき本件事案にあって、本件とそれら事例を同列に論ずることは必ずしも適切でなく、したがって、これら事例に固執して述べる請求人の主張は採用の限りでない。

また、請求人は、本件商標中の(上段の)「Maalox(マーロックス)」標章について、これを被請求人に係る「マーロックス」印の胃薬シリーズの統一商標であり代表的な商標であるとし、或いは、広く一般に知られたものであるとし、(下段の)「Plus」はそのシリーズ商品中の1つを指称するための個別的な識別表示として機能している旨述べているが、「Maalox(マーロックス)」標章が著名であるかどうかの点はさておき、国内周知商標(「マーロックス プラス」商標)自体が我が国において需要者一般に広く認識せられるに至った商標であること、また、それによって形成される需要者一般の印象認識よりして本件商標は常に不可分一体のものとして把握されるものであること、さらに、本件商標がそのように捉えられるというべき特段の事情を有するものであること、その他、構成自体が一体性の強いものであること等を認定した前記判断は相当というべきであって、「Maalox(マーロックス)」標章のみに言及して一方的に述べる請求人の主張は妥当でなく、採用の限りでない。

このほか、前記認定を覆すに足りる証拠はない。

以上によれば、本件商標中の「Plus」の文字部分が単独に商品識別の標識として機能し得るものとはいい難く、また、そうとすれば、本件商標より「プラス」の称呼(又は観念)を生ずるとはいえないから、この称呼(又は観念)において本件商標と引用各商標との類似を述べる請求人の主張はその前提を欠くものというべく、その理由をもって本件商標と引用各商標とを類似のものとすることはできない。その他、本件商標と引用各商標とを類似のものとすべき事由は見出せない。

そうすると、本件商標と引用各商標とはその指定商品の類否について論ずるまでもなく、商標において互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、結局、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものということはできない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第46条第1項により、無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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