結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−31096(T2001−31096/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1995103号商標(以下「本件商標」という。)は、「ワイズマン」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和58年3月18日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として、昭和62年10月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標は、その指定商品中『民生用電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具』の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び同第2号証を提出した。
本件商標における指定商品中「民生用電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具」については、請求人が鋭意調査した限りにおいては、継続して3年以上日本国内において使用している事実がない。すなわち、商標権者自身による使用はもとより、商標登録原簿を見ても設定登録された専用使用権はなく、また、許諾を受けた通常使用権者等による使用の事実もないと共にその不使用についての正当な理由があるとも認められない。
よって、本件商標における指定商品中、取消請求にかかる商品について、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録の取り消しを請求するものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第7号証を提出した。
(1)被請求人は、下記に示すように、本件商標と実質的に同一と認められる商標を取消に係る指定商品について継続して正当に使用している。
本件商標である「ワイズマン」と実質的に同一の商標は、本件商標が登録された昭和62年10月27日以降、被請求人会社から通常使用権の許諾を受けた、東京都世田谷区池尻3−1−3所在の武藤工業株式会社によって正当に使用継続されて今日に至っているものである。
なお、被請求人は周知のように、楽器、音響製品、オーディオ、家具、ホーム用品等を製造・販売する会社である。
(2)商標の同一性
乙第1号証に係るカタログには、表紙の右上方に「M−Draf/新製品/汎用2次元CAD/〔ワイズマン〕/Wiseman」と「Interactive Intelligent CADSystem for Windows」文字とが並べられて表示されている。
そこで、本件使用商標の態様を考察すると、上記の如く複数の文字が並べて表示されてはいるが、各文字「M−Draf」、「新製品」、「汎用2次元CAD」、「〔ワイズマン〕」、「Wiseman」等は、それぞれ異なる書体と大きさ、或いは、囲み記号により表示されていることから、「新製品」,「汎用2次元CAD」を除き、それぞれが独自に自他商品の識別標識として機能していると捉えることができる。
ここで、「汎用2次元CADワイズマン」の表示に注目すると、「M一Draf」や、「Wiseman」より小さく書されてはいるが、この中の「〔ワイズマン〕の文字は大括弧〔 〕で括られていることから、明らかに「汎用2次元CAD」と区別され分離して捉えられる。よって、この「ワイズマン」の部分は独自に自他商品の識別標識として機能している。
また、この括弧書きの「ワイズマン」は、片仮名文字「ワイズマン」で成る本件商標と同一の構成で、本件商標と同一の称呼及び観念を生ずることから、本件商標と自他商品の識別標識として同一の機能を果たしていることは明らかである。
さらに、大きな書体で強調表示されている文字「Wiseman」は、片仮名文字「ワイズマン」で成る本件商標と文字種を異にするが、この「Wiseman」は本件商標をローマ字の表示に置換したものであって、本件商標と同一の称呼及び観念を生ずるから、本件商標と自他商品の識別標識として同一の機能を果たしている。よって、この「Wiseman」は本件商標「ワイズマン」と社会通念上同一と認められるものである。
(3)商品の同一性
取消請求に係る商品について論及する。乙第1号証カタログには、商品「CADシステム(コンピュータ)」、「CADシステム用ソフト」が掲載されている。
上記使用商標「Wiseman」、「ワイズマン」を表示した「CADシステム」は、本件商標の指定商品「電子応用機械器具」に該当する。けだし、特許庁商標課編による(社)発明協会発行の「商品及び役務の区分」に基づく類似商品・役務審査基準〔改訂第8版〕には、第9類の「電子応用機械器具」が「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む)」を含むことが明記されている。
してみれば、商品「CADシステム」に付した上記使用商標「Wiseman」、「ワイズマン」の使用は、本件商標の指定商品「電子応用機械器具」についての使用であることは明らかである。
(4)本件商標の使用権者である「武藤工業株式会社」が、「唯建築計画事務所」宛に本件商標を付した商品「WISEMAN」(乙第1号証のカタログにて呈示される商品)を出荷した際の出荷案内書控写しを乙第2号証として、「唯建築計画事務所」から本件商標を付した商品「WISEMAN」の受注を受けた際の受注票の写し及び納品時の納品書控写しを乙第3号証として提出する。
乙第2号証は、1999年12月27日付で発行されたもので、「商品」欄に「WISEMAN6 ミレニアムキャンぺ」と記載されており、この時期に上記商品(乙第1号証のカタログにて呈示される商品)の取引が実際に行われたことを示している。
乙第3号証は、「製品・商品名」や「品名」欄に「M−Draf Wiseman V6 リプレース」や「WISEMAN6 ミレニアムキャンペ」という商品名が記載されており、また「発行年月日」欄に1999年12月28日等を示す記載がある。よって、この時期に商品の取引が実際に行われたことが認められる。
また、同様に、「武藤工業株式会社」が「有考プレス工業株式会社」宛に本件商標を付した商品「WISEMAN」を出荷した際の2000年8月25日付け出荷案内書控の写しを乙第4号証として、「武藤工業株式会社」が「有考プレス工業株式会社」から本件商標を付した商品「WISEMAN」の受注を受けた際の2000年8月24日付け受注票の写し及び納品時の2000年8月28日付け納品書控の写しを乙第5号証として、さらに、「武藤工業株式会社」が「東邦計装工業株式会社」宛に本件商標を付した商品「WISEMAN」を出荷した際の2001年2月13日付け出荷案内書控の写しを乙第6号証として、「武藤工業株式会社」が「東邦計装工業株式会社」から本件商標を付した商品「WISEMAN」の受注を受けた際の2001年2月13日付け受注票の写し及び納品時の2001年2月14日付け納品書控の写しを乙第7号証として提出する。
乙第4号ないし同7号証は、それらの出荷案内書控等が発行された時期に商品(乙第1号証のカタログにて呈示される商品)の取引が実際に行われたことを示している。
したがって、上記の乙第2号証ないし同第7号証から、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標と実質的に同一と認められる商標を掲載した商品が取引きされた事実は明らかである。
(5)以上のように、本件審判の取消請求に係る商品中の「電子応用機械器具」について、本件商標と実質上同一の機能を果たし得ると認められる商標「ワイズマン」「Wiseman」が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人によって使用されている事実が充分明らかとなったものと考える。
したがって、本件商標は商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録が取り消されるべきものではない。
被請求人が本件商標の使用事実ついて提出した乙第1号証〔武藤工業(株)作成の本件商標を付した商品パンフレット〕、同第2号証〔武藤工業(株)発行の唯建計画事務所宛出荷案内書控写し〕、同第3号証〔武藤工業(株)発行の唯建計画事務所宛受注票写し及び納品書写し〕、同第4号証〔武藤工業(株)発行の有考プレス工業(株)社宛出荷案内書控写し〕、同第5号証〔武藤工業(株)発行の有考プレス工業(株)受注票写し及び納品書写し〕、同第6号証〔武藤工業(株)発行の東邦計装工業(株)宛出荷案内書控写し〕、同第7号証〔武藤工業(株)発行の東邦計装工業(株)受注票写し及び納品書写し〕によれば、本件商標に関する通常使用権者と認められる東京都世田谷区池尻3−1−3所在の武藤工業株式会社は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一というべき商標をCADシステム(媒体物にCADソフトウェアを記録させた商品)に付し、該商品の販売を行ったことが認められる。
そして、前記商品は、本件商標の取消請求にかかる指定商品中「電子応用機械器具」に含まれるものである。
以上によれば、被請求人は、本件商標をその取消請求にかかる商品について使用したものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条により取り消すことができない。
そして、請求人は、上記答弁に対し何ら弁駁するところがない。
なお、被請求人は、答弁書の理由中及び証拠方法の表示において前記通常使用権者の表示を「武蔵工業株式会社」「武蔵工業(株)」としているが、乙第1号証ないし同第7号証によれば、当該表示は「武藤工業株式会社」「武藤工業(株)」の明らかな誤記と認められるので該表記をもって判断した。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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