Trademark Appeal Case
普通名称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−4252(T2000−4252/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「テレワーク」の片仮名文字を書してなり、平成8年12月20日に登録出願、指定役務については、願書記載の指定役務を、平成11年10月19日付け手続補正書をもって、第38類「電子メール通信,テレビ会議通信及びビデオテレックス通信,デジタル通信,電子計算機端末・ファクシミリ・テレックス・移動体電話による衛星通信,テレビジョン文字多重放送,衛星通信によるテレビジョン放送,衛星通信による無線呼び出し,電子計算機端末の情報通信ネットワークへの接続の提供,加入電話の未利用時間に電話回線と通信装置を用いて主として音声情報を伝送する通信,コンピュータによるメッセージ及び映像の送信,電話・移動体電話・ファクシミリによる通信への加入契約の取次ぎ及び代理,電話加入権の貸与,衛星放送加入契約の代理,電話加入契約の取次ぎ,テレビジョン放送受信に関する契約の媒介,ファクシミリもしくは電話もしくはパソコン通信もしくはインターネットを利用したデータ通信に関する情報の提供,オペレータによる電話番号の案内,データ通信に関する情報の提供,ファクシミリもしくは電話もしくはパソコン通信もしくは情報通信ネットワークを利用した報道をする者に対する国際ニュース・スポーツニュースの供給,衛星通信回線の時間単位での提供,移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、『パソコンやインターネットなど情報通信ネットワークを使い企業などに通勤せずにホワイトカラーが自宅近くにセットされたサテライトオフィスで働いたり、自宅で在宅する遠隔勤務』を意味する『テレワーク』の文字を普通に用いられる方法で書してなるから、これを本願指定役務中『電子メール通信』『電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与』等に使用しても、上記遠隔勤務者用に提供される役務であることを表示したものと認められ、単に役務の質または提供の場所を表すものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 本願商標は、前記したとおりの構成よりなり、該構成文字は、「高度情報基盤を利用して企業などに通勤せずに勤務する労働形態」を意味する語として、近年広く用いられているものと認められる。
そして、該構成文字が本願指定役務に係る業界において、取引上普通に使用されている実情としては、例えば、次のような新聞記事、文献及びインターネットによるホームページの情報により、是認できるところである。
(1)「発進・マルチメディア/第2部・最新事例(2)
テレワーク
−郵政、山形県の3市に設置」の見出しのもと、「テレコミニュケーション手段の急速な発達と普及によって大きく注目されているのが『
テレワーク
』。・・・この中で最近大きく注目されているのが・・・
テレワーク
で実施しているモンゴル語の翻訳業務。これはモンゴルの首都ウランバートルにいる七人の現地スタッフがテレワーカーとして業務に就き、電話回線を利用したパソコン(PC)のネットワークで原稿の交換を行っている。・・・すでに外務省からモンゴルの法律書の翻訳が入っており、さらに今後本格化させていく方針。・・・また、・・・『いわき
テレワーク
センター』が今年五月に発足。東京にあるシンクタンク『プロトコル』とを結んで
テレワーク
を九月から本格的に開始する。地域の公的施設の情報化や首都圏の企業などを対象とした情報処理、画像制作業務などを行う計画・・・★
テレワーク
=高度情報通信網を活用し、都市部におけるオフィス機能の一部を地方地域で行うというもの。・・・
テレワーク
を支援する地域的施設が『
テレワーク
センター』。」旨の掲載記事
(平成6年8月30日付け日刊工業新聞 39頁)
(2)「官民で『
テレワーク
』推進会議 通信利用し、分散勤務 一極集中の是正期待」の見出しのもと、「郵政省と労働省は・・・、通信ネットワークを活用して本社に出勤せずに離れた場所で仕事をする『
テレワーク
』を推進するため、・・・
テレワーク
は平均七十分と言われる大都市圏のサラリーマンの通勤地獄を解消し、・・・過疎地の『村おこし』の手段や身体障害者の就労対策としても注目され、・・・・すでに『サテライトオフィス』や『
テレワーク
センター』などの形で導入した企業や自治体もあり、川崎市・新百合ヶ丘にオフィスを開設した富士ゼロックスでは、・・・」旨の掲載記事
(平成8年2月6日付け読売新聞 東京朝刊 6頁)
(3)「[ミニ時典]
テレワーク
」の見出しのもと、「企業と、自宅や自宅近くのサテライト(衛星)オフィスを、通信で結び、企業に出社しなくても仕事ができる勤務形態。日本サテライトオフィス協会の調べによると、今年2月時点で週1回以上、定期的に
テレワーク
に就いているホワイトカラー(正社員)は約40万人に達している。
テレワーク
の採用で、会社員は通勤時間を省け、育児と仕事の両立が必要な主婦や、身障者・高齢者の就業機会も増える利点がある。・・・」旨の掲載記事
(平成8年6月14日付け読売新聞東京朝刊 19頁)
(4)「[創世期の現場]マルチメディア社会/53 電脳事業=谷口泰三<編集委員>」の見出しのもと、「・・・同財団は1昨年春からモンゴルと連携した翻訳作業をしている。・・・ネットワークで仕事をする『
テレワーク
』の先駆事例で有名だ。ほかにも地図にさまざまな都市計画情報などを落とし込むマッピングや、役所や企業のデータベース作りなど事業を拡大してきた。・・・もう一つの元祖
テレワーク
は、東京急行電鉄が東京西郊の多摩田園都市で5年前から続ける主婦中心の会員制パソコン通信ネットワーク・・・。約350人の主婦会員がネットで交流するだけでなく、データベース入力、翻訳などの”電脳内職”にいそしむ。事務局・・・が年額2億円を超える仕事を受注、会員に割り振っている。」旨の掲載記事
(平成8年10月6日付け毎日新聞東京朝刊 4頁)
(5)「高度メディア時代 95万人が『
テレワーク
』自立性で高能率」の見出しのもと、「パソコン通信やテレビを利用して、自宅や近所のオフィスで働く。
テレワーク
という言葉は、1980年代半ばから使われ始めたが、今や総
テレワーク
人口は約95万人(95年、日本サテライトオフィス協会調べ)。
テレワーク
の『テレ』は『遠い』という意味。・・・」
(平成9年3月18日付け日刊スポーツ 22頁)
(6)「◆
テレワーク
様々な通信手段、コンピューターネットワークの普及に伴い、仕事も従来のようにオフィスに縛られたものから、在宅勤務、旅行先からの会議への参加、静養先からの仕事の指示、企画書の送信など、多様な形態が可能になりつつある。こうした、オフィスに拘束されない仕事のスタイルを表す言葉として「
テレワーク
」が使われる。SOHOと同じ様な意味。・・・」旨の記述
(「知恵蔵1998」 39頁 1998年1月1日発行 発行所 朝日新聞社)
(7)「学生援護会、女性向け求人誌を男女向け情報誌に衣替え」の見出しのもと、「・・・
テレワーク
(在宅就労)ニーズの拡大に対応して、「独立・紹介・SOHO・業務委託」のページも新設する。・・・。」
(平成11年2月10日付け日刊工業新聞 25頁)
(8)「[カイシャが変わる]
テレワーク
(1)通勤時間が大幅短縮(連載)」の見出しのもと、「・・・本社から離れたところでの勤務は『
テレワーク
』と呼ばれる。遠いという意味の『テレ』と、働くという単語の『ワーク』を組み合わせた造語だ。・・・個人にはゆとり、企業には生産性アップをもたらす
テレワーク
が、日本でも珍しくなくなりつつあるようだ。・・・」旨の掲載記事
(平成11年3月17日付け読売新聞東京朝刊 10頁)
(9)「
テレワーク
人口、2005年に445万人へ−協会まとめ」の見出しのもと、「日本
テレワーク
協会・・・、国内の
テレワーク
の実態調査をまとめた。それによると
テレワーク
の2000年の人口は246万人で、2005年には1・8倍445万人に増えると予測。企業の
テレワーク
実施率は12・7%で、規模が大きくなるほど増加する傾向だ。・・・」
(平成12年7月12日付け日刊工業新聞 9頁)
(10)「26日に発表された国民生活白書の要旨」の見出しのもと、「・・・
テレワーク
(遠隔勤務)は時間と場所に制約されず、女性や高齢者、障害者など就業が困難だった人が働くことも可能にする。・・・」
(平成14年3月27日付け読売新聞 東京朝刊 13頁)
(11)障害者雇用促進協会のホームページにおける「在宅勤務Q&A」において、「Q1・・・情報通信機器を活用して仕事をする形態が増えています。・・・
テレワーク
:遠く離れたところ(TELE)で仕事を行うこと(WORK)とも言い、在宅勤務は
テレワーク
の一つの形態としてとらえられています。
テレワーク
には、在宅勤務の他に、自宅の近くにオフィスを設け、通勤時間を短縮する「サテライトオフィス」、「
テレワーク
センタ−」、営業マンが携帯パソコンなどをもって活動する「モバイルオフィス」などがあります。・・・」旨の情報
(http:://www.challenge.jaed.or.jp/cgi−bin/challenge/MainMenu.cgi)
2 以上1のことよりすれば、本願商標を上記照応する指定役務(例えば、「電子メール通信」「電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」等。)について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、単に役務の内容及びその手段、方法を表すにすぎないものと理解するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ず、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるものと認められる。
3 したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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