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Trademark Appeal Case

地名を含む商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−649(T2000−649/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本件商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成10年10月7日に登録出願されたものである。

2 原査定の引用商標

原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用された登録第3249033号商標(以下、「引用商標」という。)は、「半月」の文字を横書きしてなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成6年4月9日に登録出願、同9年1月31日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲のとおり、活字体の「鎌倉」の文字と、これよりやや大きい筆記体の「半月」の文字(「半月」の「半」と「月」の間に小さくその読みと認められる「はんげつ」の文字を書してなる。)を縦書きしてなるものである。

ところで、「鎌倉」の文字は、神奈川県南東部の著名な観光地である「鎌倉市」を指称する地名を表してなるものと容易に認識されるところ、地名は一般に自己の生産若しくは販売に係る商品の生産地、販売地ないしは店舗の所在地を表すものとして、随時採択使用されているものであるから、それ自体をもって商品の識別標識としての機能を果たし得るとはいえないものである。

そして、本願商標の構成が前記のとおりであってみれば、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「鎌倉」の文字と大きさを異にして一体的に書され、かつ、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「半月」「はんげつ」の文字部分に注意を引き、これより生ずる称呼、観念をもって、取引に資する場合も決して少なくないというのが相当である。

そうとすれば、本願商標は、その構成文字に相応して「カマクラハンゲツ」と一連に称呼される場合があるとしても、その構成中の「半月」「はんげつ」の文字より「ハンゲツ」の称呼及び「弓の弦を張ったような形をしている月、半月」の観念が生ずるものである。

一方、引用商標は、「半月」の文字を書してなるから、その構成文字に相応し「ハンゲツ」の称呼及び「弓の弦を張ったような形をしている月、半月」の観念が生ずるものである。

してみれば、両商標は、外観において異なるところがあるとしても、両商標より生ずる「ハンゲツ」の称呼及び「弓の弦を張ったような形をしている月、半月」の観念を共通にし、全体として相紛れるおそれのある類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品は引用商標の指定商品と同一のものであると認められる。

請求人は、本願商標は、その前半部にある「鎌倉」は、東京近郊の著名な観光地を表示したものでなく、本出願人の100%出資の子会社である株式会社「鎌倉座」が経営する、「鎌倉五郎本店」で販売する多くの菓子商品のなかで、中心的な製品として名付けられたものであって、「鎌倉五郎本店」の推奨菓子「鎌倉半月」であり、地名でなく、「鎌倉」という姓と「五郎」という名前を有する本店でのみ販売する菓子として、その所属と格を明示するものとして「鎌倉」を語頭部に書き表し、「鎌倉半月」と呼んでいるものであるとし、さらに、「鎌倉五郎本店」は、1990年以来、小田急、大丸、そごう、西武の各主要デパート、各地の繁華街に店舗を設け、菓子業界においては既に著名であり、商標登録もされ、「鎌倉半月」も1997年の販売開始以来、順当に売上を伸ばしているから、本商品が市場に流通する際には、その販売形態、販売場所が限定されており、一般消費者が引用商標と誤認、混同を生じるおそれは、この点においても有り得ない旨主張する。

しかしながら、「鎌倉」はもとより、多くの観光地においては「菓子」等の本願の指定商品に属する商品が、観光客目当ての土産品として販売され、それらには、その観光地の名称がそれと判るように表記される場合が決して少なくないものというのが相当である。

そして、このような実情からすると、本願商標の「鎌倉」の文字の構成及び態様からは、これをその指定商品について使用した場合、単に商品の販売地を表示するものと需要者に理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有しないものというのが相当である。

また、請求人は、登録例を挙げ、本願商標は登録されるべきものである旨主張しているが、これらの登録例は事案を異にするから、請求人の主張は採用できない。

以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとする原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する

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