Trademark Appeal Case
称呼・外観類似と商品類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成7年審判第25321号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ダイヤライト」及び「DIALITE」の文字を二段に横書してなり、第19類「合成建築専用材料、アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料、ゴム製の建築用又は構築用の専用材料、しっくい、石灰製の建築用又は構築用の専用材料、石こう製の建築用又は構築用の専用材料、繊維性の落石防止網、建具(金属製のものを除く。)、土砂崩壊防止用植生板」を指定商品として、平成5年4月28日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については「合成建築専用材料、アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料、ゴム製の建築用又は構築用の専用材料、しっくい、石灰製の建築用又は構築用の専用材料、石こう製の建築用又は構築用の専用材料、(ただし、上記材料より炭酸マグネシヤ保温材並びに他類に属しない保温材を除く。)、繊維製の落石防止網、建具(金属製のものを除く。)、土砂崩壊防止用植生板」と補正されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において本願の拒絶理由に引用した登録第544869号商標(以下、「引用商標」という。)は、「DIALITE」と「ダイヤライト」の文字を二段に横書してなり、第70類「炭酸マグネシヤ保温材並に他類に属せざる保温材」を指定商品として、昭和33年12月19日に登録出願、同34年11月30日に設定登録され、現に有効に存続するものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標とは、前記の通り同一綴りの欧文字及び片仮名文字の二段構成よりなるものであって、ただその欧文字部分と片仮名文字部分の位置関係が上下入れ替わったに過ぎないものであるから、それぞれの構成文字に相応して「ダイヤライト」の称呼を生ずること明らかである。
してみれば、本願商標は、引用商標と称呼を同一にするものであって、外観においても互いに紛れるおそれのあるものといわざるを得ない。
(2)請求人(出願人)による本願商標の当初の指定商品から引用商標の指定商品を削除する補正によって、両者の指定商品の類似の関係までが全て解消したかどうかについて具体的に検討する。
ア.▲1▼「建築用語事典」(■技報堂昭和53年11月1日発行)によれば、「保温材」の項に「保温保冷の目的に用いる材料.材質によって有機質保温材(低温用)および無機質保温材(主として高温用)とに分ける.有機質のものはコルク・おがくず・フォームポリスチレン・軟質繊維板・フェルト類など.無機質のものには石綿・岩綿・ガラスウール・けいそう土・塩基性炭酸マグネシウムなどがある.」との記載が認められる。
▲2▼「マグローヒル科学技術大辞典第2版」(■日刊工業新聞社1992年11月10日発行)の「保温材」の項では「保温材」が「断熱材」の同義語として扱われている。
▲3▼「わかり易い建築講座10建築の材料」(彰国社昭和39年6月1日発行)の「断熱材料」の項では、「断熱材料は熱絶縁材料ともいわれ使用温度域によって保温材と保冷材に分かれる。」との記載と共に「板状のもの」として、「軟質繊維板(インシュレーションボード)、半硬質繊維板(セミハードボード)、硬質繊維板(ハードボード)、パーティクルボード、ガラス綿板、岩綿(ロックウール)板、鉱滓綿(スラグウール)板」等の記載が、また、「フェルト・マット・シート状のもの」として、「ガラス綿フェルト・マット」「岩綿フェルト・マット」「石綿フェルト・マット」「泡ゴム」等の記載が認められるほか、「ブロック状のもの」その他が記載されている。
▲4▼「商品大辞典」(東洋経済新報社1996年4月15日発行)には「プラスチック製断熱材の種類」として「ユリア、スチロール、フェノール、塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ」が掲げられている。
▲5▼1985年3月27日付日経産業新聞には「防火性能が良い無機材と断熱効果の高い有機建材を組み合わせた複合断熱材」の記載が、また1985年10月8日付同紙には「特殊複合断熱材を開発・・・フェノール樹脂の発泡体と石膏(こう)ボードまたはロックウールを一体成型し、二重構造にした新複合材料」の記載が、さらに1991年3月5日付同紙には「この高断熱性保温材はけい酸カルシウムに酸化チタンを混ぜて無機質複合断熱材にした。」の記載が認められる。
▲6▼上記▲3▼の書籍中「防音材料」の項に「断熱材料の多くは防音材料にもなる。」との記載が認められる。また、上記▲4▼の書籍中には「岩石繊維および鉱滓繊維の加工製品として「保温板・フェルト・ブランケット、保温帯、保温筒、壁材、マット、吸音板」が記載され、さらに、「多孔質吸音材」について「材料そのものは断熱材の場合と全く同一である」との記載がある。
以上によれば、「保温材」の原材料は無機質、有機質及び複合のもの等多種類を占め、その形状も用途に応じさまざまであり、また、これと同じ材料で「防音材」が製造されていることが認められる。
イ.引用商標は、大正10年法下における商品分類により「炭酸マグネシヤ保温材並に他類に属せざる保温材」を指定商品として設定登録されたものであるところ、「他類に属せざる保温材」には、「炭酸マグネシア保温材」のほか例えば「アスベスト保温材」、「シリカ保温材」、「複合材料よりなる保温材」等が含まれているものと認められる。そして、それら以外の「他類に属する保温材」は、それぞれの材質により他の各類に分類されていたものである。
ウ.大正10年法当時、第70類に分類されなかった保温材、例えば、「泡ゴム製保温材」は、本願商標の指定商品中の「ゴム製の建築用又は構築用の専用材料」に含まれるているものと判断するのが相当である。また、本願商標の指定商品には引用商標の指定商品と原材料を同じくする「建築専用の防音材」も含まれるものと認められる。
エ.比較すべき両商品が類似するか否かの判断に当たっては、生産部門、販売部門の同一性、原材料、品質の同一性、用途の同一性、需要者の範囲の同一性、及び完成品と部品の関連性等現在における取引の実情を総合的に考慮すべきところ、引用商標の指定商品と本願商標の指定商品に含まれる「泡ゴム製保温材」とは共に保温を目的として用いられるものであり、その用途、販売部門及び需要者を同一にするばかりでなく、生産、加工部門を同一にする場合もあるものと認められる。
また、引用商標の指定商品と「建築専用の防音材」とは原材料、品質、生産部門、販売部門、需要者を同一にする場合が多いものと認められる。
さらに、本願指定商品中の前記以外の商品も建築又は構築専用材料として引用商標の指定商品と取引系統を共通にする可能性が高いものと認められる。
してみれば、これらの商品に同一又は類似の商標が付され、取引の場に置かれた場合、取引者、需要者が商品の出所について混同を生じるおそれがあるから、本願商標の指定商品の補正にも関わらず、なお補正後の本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類似関係は解消していないものといわざるを得ない。
なお、請求人(出願人)は、過去の登録例を引用し、これと引用商標とが併存していたものであるから、商品は類似しない旨主張するが、登録1805148号商標については、その指定商品は、引用商標の指定商品とその「類似商品」を削除しているものであり、他の事例は登録時の判断であり、権利は既に消滅している。
(3)以上、本願商標と引用商標とは類似の商標であり、かつ、両商標の指定商品も類似するから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして拒絶した原査定は妥当であって、取り消す理由はない。
よって、結論のとおり審決する。
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