sokuhyo

Trademark Appeal Case

e-hokenの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−20332(T2000−20332/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

この出願に係る商標(以下「本願商標」という。)は、別掲に示すとおり、ハイフンを介した「e−hoken」欧文字と「イーホケン」の片仮名文字とを上下二段に横書きに表してなり、第36類「インターネットその他の電子計算機端末による通信ネットワークを利用した保険に関する情報の提供,その他の保険に関する情報の提供,生命保険契約の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,保険に関する助言・指導」を指定役務として、平成11年6月23日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は『e−hoken』の文字とこの読みである『イーホケン』の文字を二段に普通に用いられる方法で書してなるところ、最近ではインターネットを介した役務の提供も一般的になってきており、例えば、『e-mail,e-money』等のように、語の前に『electronic』の『e』を付して『電子』の意を表すものが多用されているところから、本願商標中の『hoken』の文字は本願指定役務との関係においては『保険』を表すものと容易に認められるから、これを本願指定役務に使用しても『インターネットその他の電子計算機端末による通信ネットワークを利用した保険に関する役務』であることを認識させるにとどまり、単に役務の内容(質)を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「e−hoken」、「イーホケン」の構成よりなり、第36類「インターネットその他の電子計算機端末による通信ネットワークを利用した保険に関する情報の提供,その他の保険に関する情報の提供,生命保険契約の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,保険に関する助言・指導」を指定役務とするものであること前記のとおりである。

ところで、昨今、商品流通、金融、証券業務をはじめ、あらゆる分野で電子商取引の普及のためにインターネットを活用したビジネスが積極的に展開されている傾向が顕著にみられる。すなわち、保険業界では、日本生命保険が1998年4月に電子保険取引サービスを日本で初めて開始したこと(1998.2.25付毎日新聞社:大阪朝刊版、1998.3.4付共同通信社: 共同通信等より)、また、これまで電子保険取引システムの開発を保険各社が個別に進めていたが、平成10年度通商産業省補正予算事業「産業・社会情報化基盤整備事業」の一環であるプロジェクトにおいて、株式会社日立製作所、富士通株式会社、日本電気株式会社は、生命保険会社及び損害保険会社10社の協力のもとに電子保険取引システムのインフラとなる「保険取引基盤」を開発したこと(http://pr.fujitsu.com/jp/news/2000/08/24.html)、その後、大手保険会社協力による電子保険取引システムの実地検証を開始し、同システムの安全性確保、効率的活用等について、調査、研究、法的規制等の整備も行われている等の状況にみられる保険業界においても電子取引は一般化しているといえる状況にある。

そして、電子商取引を「イーコマース(e−commerce)」、電子マネーを「イーマネー(e−money)」、電子メールを「イーメール(e−mail)」、ネット出版物を「Eブック(e−book)」、或いは、遠隔診断を行う医師を「イー・ドクター(e−doctor)」のように表示するなどして、「e」及び「イー」の文字を、「電子の、インターネット」の如き意味合いで、今や電子取引という取引形態(取引手法)を表すものとして一般に使用されている(「現代用語の基礎知識2001」等より)のが実情である。

さらに、「hoken」(ホケン)の文字部分からは、上記電子取引事情よりして、容易に「保険」の語の意味合いを理解させるものであり、かつ、本願商標の指定役務である「保険(ほけん)に関連する役務」に関し、その取引対象を実質的に表示したものとみて差し支えなく、また、それ以外の何ものをも想起させないとみるのが相当である。

してみれば、本願商標をその指定役務について使用した場合、これに接する需要者、取引者は、前記事情よりして、全体として、電子保険取引であること、すなわち、該役務の質、取引方法(提供の方法)を表示したものと理解するに止まり、自他役務の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。

そして、前記電子保険取引の実情にあって、当業界に係わる事業者であれば「e−hoken」(イーホケン)等の表示は、誰しもその使用を必要とし、又はその使用を欲するものといえるから、かかるものを一私人の独占的使用に委ねることは、商標のもつ本来的機能、役割(自他識別の標識)と商標保護の法目的(法第1条)に照らし、適合性に欠けるものといわざるを得ない。

以上によれば、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものとすべきであり、また、これを、電子保険取引による役務以外の役務について使用するときは、役務の質(内容)についての誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ない。

してみれば、前記と同旨の理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。