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Trademark Appeal Case

称呼と観念の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2001−35247(T2001−35247/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第3227127号商標の指定商品中「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(但し、「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊被服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」についての登録を無効とする。
その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3227127号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成5年12月8日に登録出願、商標の構成を片仮名文字及び欧文字とを上下二段に「サンタ マリア」及び「SANTA MARIA」と横書きし、指定商品を第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物、運動用特殊衣服、運動用特殊靴」として、平成8年11月29日に設定の登録がされたものである。

2 引用商標

請求人が、本件商標の登録無効の理由に引用する登録第394405号(以下、「引用商標」という。)は、昭和24年1月1日に登録出願、商標の構成を別掲に表示したとおりの構成とし、指定商品を第36類「メリヤス製品、その他本類に属する商品」として、昭和25年12月1日に設定登録、その後、4回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出している。

(1)請求の理由

本件商標と引用商標との類否について考察するに、まず、両者の構成中の欧文字及び外来語について、各辞典の記載は以下のとおりである。

(イ)「サンタ[santa]」

a)聖なるの意。キリスト教で聖人の列に加えられた人の名に冠することば。 b)サンタ・クロース。

(ロ)「セント[saint]」

聖者、聖徒。特に名に冠して用いる。セイント、サント、サン、サンタなどとも

(三省堂刊「コンサイス外来語辞典(第4版)」第368頁「サンタ」及び第511頁「セント」の各項写:甲第5号証の1及び2)。

(ハ)「マリア[Maria]」

a)イエスの母。夫ヨセフと婚約中、天使が現れ神の力によって救い主を生むべき旨を告げられ、イエスを生んだという。童貞マリア。サンタ・マリア。聖母マリア。 b)(以下略)(岩波書店刊「広辞苑(第5版)」第229頁「マリア」の項写:甲第6号証)

(ニ)上記の事実、すなわち「SANTA」と「SAINT」が同義語であり、「イエスの母」を指称する語が「サンタ・マリア」であり、「聖母マリア」であるという事実に徴すれば、本件商標からは「サンタマリア」の称呼とともに「聖母マリア」の観念が生じることは当然であり、一方、引用商標からは構成別掲のとおりの文字と図形に対応して「セントマリア」の称呼とともに「聖母マリア」の観念が生じることも、当然である。

したがって、本件商標と引用商標とは、「サンタマリア」と「セントマリア」という称呼上の類否を論及するまでもなく、当然、生じる「聖母マリア」という観念において相紛れるおそれのある類似の商標である。また、指定商品についても、両者が抵触関係にあることは明らかである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当していたにも拘わらず、これに違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により無効にさるべきものである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出している。

答弁の理由

本件商標と引用商標とを称呼上から比較すると、引用商標中「SAINT」は、乙第1号証及び乙第2号証にも記載されているとおり、「セント」または「セイント」であって、「サン」ではない。そして、両商標より生ずる「サンタマリア」と「セントマリア」の称呼とを比較するに、称呼上、最も強い印象を受ける第1音において「サ」と「セ」の相違があり、また第3音の「タ」と「ト」においても大きな相違点があるから、両商標は称呼上明確に相違するといわざるを得ない。

5 当審の判断

(1)本件商標は、上記のとおり「サンタ マリア」及び「SANTA MARIA」の文字よりなるところ、請求人提出に係る「コンサイス外来語辞典」(株式会社三省堂発行:甲第5号証)の見出し語「サンタ[ポsanta]」の解説によれば「『聖なる』の意.キリスト教で聖人の列に加えられた人の名に冠することば.〈室〉→セント.」旨、同じく見出し語「セント 2[saint]・・・」の解説によれば「聖者.聖徒.特に名に冠して用いる.セイント,サント,サン,サンタなどとも.・・・」旨、及び「広辞苑」(株式会社岩波書店発行:甲第6号証)の見出し語「マリア[Maria]」の解説によれば、「イエスの母。・・・サンタ・マリア。聖母マリア。・・・」旨の各記述がなされているものであり、一般世人においても、すなわち「サンタ」及び「SANTA」の文字(語)は、「セント(saint)」の語と同様に「聖人の名に冠することば」として、また、「マリア」及び「MARIA」の文字(語)は、「イエスの母、聖母マリア(サンタマリア)」を指称するものとしてそれぞれ理解され広く知られている文字(語)とみて差し支えないものである。

そうすると、「サンタ マリア」及び「SANTA MARIA」の各文字を二段に書してなる本件商標よりは、「聖母マリア」(サンタマリア)の観念・称呼を生ずるものというのが自然である。

(2)これに対し、引用商標は、別掲に示したとおり、図形と文字の組み合わせてなるところ、該図形は宗教画にみられるところの聖母マリアを描いたものと容易に看取させ、また、上段の「SAINT MARIA」の文字は、「セントマリア」と読まれ、甲各号証の解説からして「聖母マリア」を認識、理解させるから、引用商標よりは、「聖母マリア」(セントマリア)の観念・称呼を生ずるものといわなければならない。

(3)してみれば、本件商標と引用商標とは、「聖母マリア」の観念を同じくする類似の商標というべきものである。

そして、本件商標より生ずる「サンタマリア」の称呼と引用商標より生ずる「セントマリア」の称呼とは、語頭音が「サ」と「セ」及び第3音目が「タ」と「ト」と相違するとしても、該差異音はいずれも「サ行」及び「タ行」の同行音に属する音であり、また、「サンタ」及び「セント」の文字(語)が上述のとおりの同義の語として把握されるものであって、かつ、共に後半部の「マリア」の称呼よりは「聖母マリア」を認識し、これが強く印象付けられ聴取されることも相まって、該差異が称呼全体に及ぼす影響はそれ程大きいものとはいい得ず、両者は全体の語調、語感が近似し、彼此相紛れるおそれが少なくない。

(4)したがって、本件商標と引用商標とは、外観の差異を考慮してもなお、上記の観念を共通にするばかりでなく、称呼においても相紛らわしい類似の商標と判断するのが相当であって、また、本件商標の指定商品中「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(但し、「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊被服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」と引用商標の指定商品とは、同一又は類似のものである。

結局、本件商標は、上記商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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