Trademark Appeal Case
HONDAの要部抽出と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第13742号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第4類「工業用油,液体燃料」を指定商品として平成8年9月18日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、東京都港区所在、本田技研工業株式会社の取り扱いに係る商品『自動車、潤滑油』等を表示するものとして取引者・需要者間に広く認識されている『HONDA』と酷似する『HONDA』の文字を有してなるものであるから、これを出願人がその指定商品に使用するときは、前記会社若しくは同人と関係のある者の業務に係る商品の如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張
本願商標における「HONDA」からは、需要者等が、本田技研工業株式会社を必ずしも想起するとはいいきれない。
「HONDA」は、わが国においてありふれた氏「本田」「本多」に通ずるものであり、さらに、本願商標は「MUGEN」と「HONDA」の文字を、同種の英文字で軽重の差なく、横一連に書してなるものであるから、その称呼も、一気かつ一連に称呼されるべきものであって、「HONDA」のみを抽出して意識すべき格別な理由はない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号該当するものではなく、登録されるべきものである。
4 当審の判断
(1)引用商標の周知著名性について
原査定において引用する「HONDA」の文字よりなる標章(以下「引用商標」という。)は、東京都港区南青山2丁目1番1号に本社を置く、わが国有数の二輪自動車・自動車製造・販売会社である「本田技研工業株式会社」(以下「本田技研工業(株)」という。)が一貫して自己の事業を表彰し、或いはその取り扱いに係る商品「二輪自動車,自動車」等について使用し、本願商標の登録出願前から、現在に至るまで、取引者、需要者間において我が国ばかりでなく、世界的にも広く認識されている商標となっていることは、顕著な事実である。
(2)出所の混同を生ずるおそれについて
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、前半部分の「MUGEN」の文字は、既成の語である「無限」に通ずるものであり、後半部分の「HONDA」の文字は、前記の周知著名な商標「HONDA」とその綴りが同一であること、さらには、本願商標全体をもって、特定の観念を認識させ、常に一体不可分にのみ看取されるとみるべき格別の事由もなく、前記認定の如く引用商標が著名であることに照らせば、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「HONDA」の文字に注目し、引用商標を連想、想起するというのが相当である。
しかして、本願商標の指定商品は、「工業用油,液体燃料」であって、引用商標の使用商品「二輪自動車,自動車」等とは、その使用過程において、互いに密接な関係にあるものである。
以上によれば、本願商標をその指定商品について使用した場合、取引者、需要者は、本願商標の構成中、後半の「HONDA」の文字部分より、周知著名な引用商標「HONDA」を想起し、その商品が本田技研工業(株)あるいは同人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同するおそれがあるというべきである。そして、この出所の混同を生ずるおそれは、本願商標の出願時はもとより、現在(審決時)においても認められるものである。
(3)請求人の主張について
請求人は、「本願商標は、『MUGENHONDA』の文字を同書同大に一連に書されてなり、称呼も一連に称呼するに相応しい6音であることから『ムゲンホンダ』と認識、称呼するとし、また、請求人は同一態様の登録商標を各分野で得ているので、本願商標も登録されるべきである。」旨主張するが、もとより、前記認定・判断が商標の類似に基づくものでないことはその判断の過程よりして明らかであり、また、そもそも、商品の出所混同のおそれの有無の判断に当たっては、商標自体とそのほか諸般の事情、すなわち、当該他人の商標の著名度、当該商品分野における需要者一般の注意力の程度及び当該商品相互の関係等を併せ考慮の上、取引の実情に照らし総合判断することが至当と解される。そして、本件にあっては、前記認定を相当とするから、この点について述べる被請求人の主張は妥当でなく、採用の限りでない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、その理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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