結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30642号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1447449号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和47年4月22日に登録出願、同55年12月25日に設定登録されたものである。その後、指定商品中の「布製身回品(他の類に属するものを除く)」及び「寝具類(寝台を除く)」の登録については、いずれも平成10年12月21日付け審決により取り消され、平成11年3月19日に審決が確定し、その登録が同11年8月11日になされているものである。
請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1.本件商標は、商標権者により、少なくとも過去3年以内に日本国内でその指定商品には使用されていないから、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。
2.被請求人(公冠販売)が「パジャマ」を製造しているとの証拠、及び「ポロ・シャツ」を販売しているとの証拠を提出しているが、「公冠株式会社」(以下「公冠」という。)、「公冠販売株式会社」(以下「公冠販売」という。)、「ポロ・ビーシーエス株式会社」は、関連又は同一資本の会社のものであり、公的証明を行うには十分な能力がある資料とは言いがたい。
(1)本件商標の商品「ポロシャツ」が一般に販売されたとの主張であるが、それらは被請求人の関連会社又は同一資本の会社「公冠販売」のものであり、公的証拠力が弱い。
(2)商品見本のポロの印刷部を強調しているが、この様な商品は費用をかけず簡単に製作出来るもので、それを以て一般市場で商品を販売したとは言いがたい。
(3)商品に付ける「タグ」「織ネーム」等を見ても、紺一色の白抜き字であり、印刷には一色しか使用せず、余りにも簡単すぎ、本件時間のために製作された様に思える。同図柄も余りにも作意的であり、一般市場向けのものとは考えられない。
(4)販売先においても、伝票を見る限り被請求人の近隣の会社であり、その伝票が実際の販売のものであるかどうか判明出来ない。その上「株式会社西條百貨店」(以下「西條百貨店」という。)の伝票には「サンプル」と読み取れる。
以上を見ても明らかに本件事件の為に故意に作成された資料の可能性があり、また、そうでなくても3年間の使用実績を作る目的において作成されたものであるものと考える。
3.本件商標は、「POLO」が主体となり構成されているが、そもそも「POLO」関連商標は、米国のデザイナー「ラルフ・ローレン」の関係で商標登録が出来ないのが通例となっており、被請求人目身も他の所有登録商標において、特許庁より別紙の「取消理由通知書」を受けている。(甲第1号証)
また、本件商標は、平成11年5月28日に上記理由で無効審判(平成11年審判第35252号)が請求されている。
よって、本件商標もその理由から取り消されるべきものと思われる。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第17号証を提出した。
1.審判請求の登録前3年以内(平成8年6月22日から平成11年2月28日)に、日本国内において、通常使用権者「公冠」が、本件商標を付した商品「パジャマ」を製造業者に製造させていた事実、並びに商標権者「公冠販売」が本件商標を付した商品「ポロシャツ」を、被服販売業者に納入していた事実がある。以下、上記について説明する。
(1)乙第1号証に示すように、公冠は、本件商標権者の関連会社であり、かつ、前商標権者である公冠販売(本件商標の旧権利者)の主要株主であって、平成11年5月、公冠販売を合併して現在に至っている。
かかる事実から、公冠と公冠販売は実質的に親会社、子会社の関係にあり、そのため、公冠販売は公冠に本件商標に関する通常使用権を「被服」等について昭和63年11月頃から、平成11年4月頃まで未登録ながら許諾していた。
(2)使用に係る「パジャマ」について
ア.乙第2号証(A)は、本件商標を付した「パジャマ」上下の実物の全体写真である。このパジャマの胸部には、乙第2号証(B)に示すように、デザイン化された「Polo」が書され、その織ネーム及び下札には、乙第2号証(C)に示すように、「図Polo」が刺繍あるいは印刷されている。
上記商標の使用形態は、社会通念上、登録商標と同一性ある商標の使用である、と思考する。
イ.乙第3号証は、株式会社アイドマから公冠に対する縫製(完成品)納入伝票の写しで、その日付は、平成8年9月24日であり、上記乙第2号証と、この乙第3号証とによって、品番「3485−22」の本件商標を付した「パジャマ」が、当時の通常使用権者である公冠によって、審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用されていたことが明らかである。
ウ.乙第10号証は、乙第2号証及び乙第3号証に示す品番3485−22の商品「パジャマ」が、本件審判請求前3年以内に、通常使用権者により販売されている事実を証明するものであり、ジャスコ株式会社(以下「ジャスコ」という。)への1997年(平成9年)5月12日及び13日のコンピュータ納品データの写しである。「ヒンバン=348522」の商品を、「YYMMDD」欄の納品日に、「店コード」欄のジャスコのどの店舗に納入したかが明白である。店コードは、乙第11号証に示すジャスコのコードNo及び店名と一致する。
例えば、納品データ欄最上部のデータからは、品番348522の商品を1997年5月12日に177773という伝票番号で3枚を店コード357のジャスコ金剛東店へ納入したことが判明する。
(3)使用に係る「ポロシャツ」について
ア.乙第4号証(A)は、本件商標を付した「ポロシャツ」の実物の全体写真である。このポロシャツの胸部には、乙第4号証(B)に示すように、「Polo」が書され、その織ネーム及び下札には、乙第4号証(C)に示すように、「図Polo」が刺繍あるいは印刷されている。
上記商標の使用形態は、社会通念上、登録商標と同一性ある商標の使用であると思考する。
イ.乙第5号証は、公冠販売から西條百貨店名古屋に対する納品書(控)の写しで、その日付は、1998年(平成10年)2月6日であり、上記乙第4号証と、この乙第5号証とによって、品番「377222」の本件商標を付した「ポロシャツ」が、当時の商標権者である公冠販売によって、審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用されていたことが明らかである。
ウ.乙第12号証及び乙第13号証は、乙第4号証及び乙第5号証に示す品番377222の商品「ポロシャツ」が、本件審判請求前3年以内に、通常使用権者により販売されている事実を証明するものであり、1998年(平成10年)2月25日に西條百貨店名寄店に納入した事実及び1998年2月25日に西條百貨店稚内店に納入した事実を示すものである。
エ.乙第14号証は、品番371101の商品「紳士用ポロシャツ」のカラーコピーであり、乙第15号証は、上記商品を1998年(平成10年)6月4日付けで西條百貨店稚内店へ納品した伝票の写しである。
また、乙第16号証は、品番376101の商品「紳士用ポロシャツ」のカラーコピーであり、乙第17号証は、上記商品を1998年(平成10年)5月29日付けで西條百貨店駅前店へ納品した伝票の写しである。
各品番により商品が特定され、販売店への納入日付も明らかである。すなわち、本件商標はその指定商品について、本件審判請求前3年以内に、通常使用権者が使用していることは疑いのない事実である。
(4)これらの証明書及び写真によって、少なくとも平成11年3月までに、日本国内において本件商標が、指定商品「被服」について使用されていたことが確認され、かつ、伝票及び納品書から、本件商標に係る商品のうち少なくとも「被服」については、実際に製造、販売されたことが証明されるものである。
なお、サンプル品とは、本格的にその商品を取り扱うことを前提に譲渡される見本であり、有償・無償・数量に関係なく取り引きされ、商取引の一形態であることは明白である。そうすると、サンプル品が商標法上の商品であることに疑いはなく、サンプル品の表示のみでその商品たる性質を否定される理由ない。少なくとも乙第5号証に示す納品伝票には数量及び金額が明記されている。以上の被請求人の主張を裁判例をもって立証する(乙第7号証ないし乙第9号証)。
2.以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、当時の商標権者又は通常使用権者(公冠)が、その請求に係る指定商品のうち「被服」について使用していたことは明白であり、本件は商標法第50条第1項の規定には該当しない。
1.本件商標に関し、その商標登録原簿を職権により調査したところによれば、公冠販売は、被請求人(ポロ・ビーシーエス株式会社)に商標権を移転し、その登録が平成10年4月27日になされているところから、被請求人の前の商標権者であったことが認められる。
2.乙第1号証ないし乙第3号証並びに乙第10号証及び乙第11号証によれば、通常使用権者である「公冠」は、品番を「3485−22」とする「パジャマ」の縫製(完製品)を、平成8年8月8日、同年9月24日に株式会社アイドマから納入されたこと、及び上記品番「3485−22」の商品が1997年(平成9年)5月12日、13日にジャスコの金剛東店、田原本店、青森店等に納品したことが認められる。
3.乙第4号証及び乙第5号証並び乙第12号証ないし乙第17号証によれば、公冠販売は、品番を「377222」とする「ポロシャツ」のサンプル品を1998年(平成10年)2月6日に西條百貨店名古屋に納入したこと、また、上記品番「377222」の「ポロシャツ」を1998年(平成10年)2月25日に西條百貨店の名寄店及び稚内店に納品したこと、さらに、品番を「371101」とする「ポロシャツ」を1998年(平成10年)6月4日に西條百貨店稚内店に納品したこと、及び品番を「376101」とする「ポロシャツ」を1998年(平成10年)5月29日に西條百貨店駅前店に納品したことが認められる。
4.上記「パジャマ」及び「ポロシャツ」には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されており、これらの商品が取消に係る指定商品中に含まれるものであることは明らかである。
5.上記1.ないし4.で認定した事実を総合すれば、通常使用権者である公冠及び前商標権者である公冠販売は、本件審判の請求の登録(平成11年6月23日)前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件請求に係る指定商品に含まれる「パジャマ」及び「ポロシャツ」について使用していたものと認め得るところである。
6.請求人は、乙各号証について、本件事件のために故意に作成された資料の可能性があり、また、そうでなくても3年間の使用実績を作る目的において作成されたものである旨主張するが、これを認めるに足りる証拠は見出せないから、前記判断を覆すことはできない。
また、請求人は、本件商標はもともと登録されるべき商標でないなどと本件商標が取り消されるべき理由を種々述べ、書面を提出しているが、請求人の上記主張及びこれに関して提出された書面は、商標法第50条第1項の規定による本件審判の請求とは何らの関係を有しないものであるから、この点に関する請求人の主張は失当である。
7.以上のとおりであるから、本件商標についての登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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