結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30140(T2001−30140/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3214781号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「ミレックス」及び「Milex」の文字を二段に横書きしてなり、平成5年12月21日に登録出願、第1類「化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),原料プラスチック,肥料,人工甘味料」を指定商品として、平成8年10月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中『のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)』について、その登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが前記商品について商標の使用をした事実がないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨述べ、その証拠方法として、甲第1及び第2号証を提出した。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、その証拠方法として、乙第1ないし第4号証(被請求人は、添付書類に「甲号証」の表示をしているが、本審決においては「乙号証」として記載する。)を提出した。
(1)本件商標は、商標権者「三井化学株式会社」によって、昭和55年頃から現在に至るまで、商品「特殊フェノール樹脂」について日本国内で使用されている。そこで被請求人は、本件商標が審判請求の予告登録日である平成13年2月28日前三年以内に使用されていた事実を証するべく、商品カタログ「三井化学/機能性ポリマー事業部製品カタログ」(乙第1号証)を提出する。
同カタログの作成年月日は、2000年(平成12年)7月であり、同カタログの裏表紙右下にある「00.07.Per‐Poly.1‐4.1000.ZX」の記載からも容易に認識し得る。
よって、遅くとも2000年8月(予告登録日からおよそ7月前)には、乙第1号証を用いた商品販売活動が行われていた。
(2)乙第1号証中、本件商標と社会通念上同一の欧文字「MILEX」及び片仮名文字「ミレックス」が、耐熱性・耐衝撃性を特徴とする特殊フェノール樹脂(以下「本件商品」と称す。)の商標として、商標的態様により使用されている。
この特殊フェノール樹脂は、カタログに示すとおりの化学構造式をもち、例えば、自動車用ブレーキパッドやクラッチフェーシングの材料であるフィラー混合物を結合・成形するための「耐熱接着剤」として用いられる。ブレーキパッドの場合、フィラー同士を「接着させる」というよりは「結合させる」というイメージの強いことから、本件商品を「バインダー」と称することもある。カタログ中、「ブレーキ・バインダー」と表記されているのはこのためである。表記上の違いはあるが、「バインダー」とは、フィラー同士を接着する機能をもつ材料のことを指しているのだから、その商品の本質は「接着剤」にほかならない。パッドをブレーキの「裏金」(パッドを装着する金属部)に、正に「接着」する際にも本件商品が使用される。
よって、本件商品は、「事務用又は家庭用でない接着剤」に該当し、乙第1号証に徴すれば、2000年7月には本件商標が請求に係る指定商品について使用されていたことが明らかである。
(3)加えて、被請求人は、本件商品の接着性能を乙第2号証として示す。
表紙に被請求人の合併前の名称が示されていることからも明らかなように、乙第2号証は、本審判請求の予告登録日前3年以内に作成されたものではない。
よって、乙第2号証は、本件商品が接着剤であることの立証趣旨のみで用いるが、本件商品「ミレックス」が、合併前から2000年7月まで継続的に製造・販売されていたことを裏付けるものとしては意義がある。
(4)さらに、被請求人は、本件商品が接着剤であることを端的に示すべく、本件商品の購入者から、被請求人の製造・販売に係る「ミレックス」「MILEX」を工業用接着剤として購入している旨の証明書(乙第3及び第4号証)を入手したので、これを提出する。
(5)これら乙号証の内容を総合的に考察すれば、本審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者が、請求に係る指定商品「のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)」について本件商標の使用をしていたことは明らかである。
(1)被請求人は、乙第1ないし第4号証を提出して、本件商標の使用を立証するとしているところ、そのうち、乙第1号証のカタログをみるに、その裏表紙には、本件商標の商標権者(被請求人)の名称である「三井化学株式会社」の文字が表示され、また、その右下方部には、「00.07.Per‐Poly.1‐4.1000.ZX」の記載がある。
そして、被請求人の答弁の趣旨並びに第2ないし第4号証を総合的に勘案すると、乙第1号証の商品カタログは、商標権者が本審判請求の登録前3年以内の平成12年7月に作成し、その後、取引に使用していたものということができる。
(2)そこで、乙第1号証のカタログに使用されている商標をみるに、3頁の下方部には、用途として「自動車用ブレーキ・バインダー」及び「耐熱接着剤」の記載とともに、「MILEX」及び「ミレックス」の文字を二段書きしてなる商標が表示され、また、7頁の左上方部には、「ブレーキ・バインダー」の商品の表示とともに、「ミレックス」の文字からなる商標(以下、これら商標を「使用商標」という。)が表示されている。
ところで、本件商標は、別掲のとおり、「Milex」の欧文字及びその表音と認められる「ミレックス」の片仮名文字を二段に横書きしたものである。しかして、3頁の使用商標は、欧文字を全て大文字に変更しているが、その綴りは本件商標と同一である。また、7頁の使用商標は、本件商標の片仮名文字と同一の構成文字よりなり、片仮名文字の部分のみを取り出して使用したことによって、本件商標の称呼及び観念が変更されたということもできない。
してみれば、使用商標は、いずれも、本件商標と社会通念上同一の範囲にある商標ということができるものである。
(3)次に、使用に係る商品をみるに、「ブレーキ・バインダー」の「バインダー(binder)」とは、「接合(結合)剤」の意味を有するところ、乙第2ないし第4号証並びに被請求人の答弁の趣旨を総合的に勘案すると、商品を供給する被請求人は、該商品について、ブレーキパッドをブレーキの「裏金」(パッドを装着する金属部)に接着するための「接着剤」としており、また、取引者、需要者も、該商品を「工業用接着剤」として理解し、購入していたことが認められる。
また、「耐熱接着剤」も、被請求人提出の乙号証と答弁の趣旨を総合的に勘案すると、工業用に用いる「接着剤」であること明らかである。
してみれば、使用に係る商品の「ブレーキ・バインダー」、「耐熱接着剤」は、「工業用接着剤」の一つということができるものであり、そうとすれば、該商品は「のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)」の範疇に属する商品とみるのが相当である。
(4)以上のとおりであるから、本件商標は、商標権者(被請求人)によって、本審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、請求に係る指定商品中の「工業用接着剤」について使用されていたというべきものである。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、弁駁するところがないので、前記のとおり判断するのが相当である。
したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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