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Trademark Appeal Case

他人の著名略称

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第90300号
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4219254号商標の登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4219254号商標(以下「本件商標」という。)は、平成8年12月11日に登録出願され、別掲の構成よりなり、第25類「イギリス製の被服,イギリス製のガーター,イギリス製の靴下止め,イギリス製のズボンつり,イギリス製のバンド,イギリス製のベルト,イギリス製の履物,イギリス製の運動用特殊衣服,イギリス製の運動用特殊靴」を指定商品として、平成10年12月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、昭和59年8月29日に登録出願され、別掲の構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成6年1月31日に設定登録された登録第2619948号商標ほか13件の登録商標(以下あわせて「引用商標」という。)と類似する商標であり、かつ、指定商品も引用商標と同一又は類似のものである。また、「ST.ANDREWS」は、英国スコットランドにあるゴルフ発祥の地として又世界的に有名なゴルフ場として我が国においても著名であり、同ゴルフ場は「ST.ANDREWS LINKS TRUST」(セント・アンドリユース・リンクス・トラスト)により管理運営されてきたことも周知となっている。

そして、申立人は、同トラストとライセンス契約を締結し、国内のファッションメーカーと共同で「ST.ANDREWS」及び「ST.ANDREWS LINKS」名を使用した各種ファッション商品の商品化事業を行っているものであり、同トラストと無関係な商標権者が本件商標をその指定商品について使用することは、申立人及び申立人と関係を有する者の利益を著しく損なうものである。したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由

本件商標は、その構成中に「ST.ANDREWS」の文字を有しているところ、申立人の提出に係る甲号各証によれば、「ST.ANDREWS」は、英国スコットランドにある世界最古とされるゴルフ場として我が国においても著名であって、同ゴルフ場は、「ST.ANDREWS LINKS TRUST」(セント・アンドリユース・リンクス・トラスト)により管理運営されてきたものと認められる。そうすると、本件商標中の「ST.ANDREWS」の文字は、「ST.ANDREWS LINKS TRUST(セント・アンドリユース・リンクス・トラスト)」の著名な略称でもあり、この文字を含んでいる本件商標は、他人の著名な略称を含む商標といわざるを得ない。また、商標権者は、本件商標を登録することについて、前記の者の承諾を得ていたとは認められない。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

「ST.ANDREWS LINKS TRUST」はスコットランドに在るゴルフ場(パブリックコース)を管理、運営するだけの機関にすぎないものであって、甲第2号証をもってしても、その名称が商標法第4条第1項第8号の規定により保護されなければならない人格(乙第4号証)を有するものであることが立証されていないし、仮にその人格を有する者であるとしても、本件商標は上記法条に該当しない。「ST.ANDREWS」(セント・アンドリュース)は英国スコットランドの地名であり、ゴルフ発祥の地であることは我が国においても広く知られているところであるが、セント・アンドリュースに在るゴルフ場の名称は「ゴルフ場」を意味する「LINKS」の語を不可欠とする「ST.ANDREWS LINKS」であり、このゴルフ場のパブリックコースとしての管理、運営をしているトラストの名称は「ゴルフ場トラスト」の意味の「LINKS TRUST」の語を不可欠とする「ST.ANDREWS LINKS TRUST」(セント・アンドリユース・リンクス・トラ スト)であることが本件商標に対する申立人の提出に係る各書証によっても明らかであり、それぞれの名称が、それぞれの名称をあらわす文字中の「LINKS」及び「LINKS TRUST」の語に相応する部分が省略されて、何れもスコットランドの地名と同じ「ST.ANDREWS」(セント・アンドリュース)と略称されることはあり得ないといわざるを得ないし、また、そのように略称されている事実は立証されておらず、ましてや「ST.ANDREWS LINKS TRUST」の名称が単に「ST.ANDREWS」(セント・アンドリュース)と略称されて著名になっているということは何等立証されていない。換言すれば、たとえ英国スコットランドにある世界最古のゴルフ場が著名であるからといって、直ちに、このゴルフ場を管理、運営している「ST.ANDREWS LINKS TRUST」の名称が著名である理由には全くならないし、ましてや、その名称が単にスコットランドの地名と同じ「ST.ANDREWS」(セント・アンドリュース)と略称され、しかも著名になっているとは到底考えられないことである。なお、申立人が平成11年4月8日付で提出した平成7年審判第4661号審決(写)では、被請求人が答弁しなかうた為もあってか、無効理由には「......ST.ANDREWSは英国スコットランドにある世界最古とされるゴルフ場として我が国においても著名であって、同ゴルフ場は、「ST.ANDREWS LINKS TRUST」により管理、運営されたものと認められるから、「ST.ANDREWS」の文字は「ST.ANDREWS LINKS TRUST」の著名な略称である......」とされている(本件に対する取消理由通知書における取消理由も同じである。)が、たとえ、スコットランドに在るゴルフ場が著名であるとしても、そのことが「ST.ANDREWS LINKS TRUST」の名称は「ST.ANDRBWS」と略称され、しかも著名なものとなっているという理由に繋がるものでないことはいうまでもないから、上記審決の理由は当を得ないものといわざるをえない。

他方、本書に添附した乙第2号証及び乙第3号証として示す比較的最近の審決である平成8年審判第1117号審決(写)及び商願平2一97801号に対する登録異議の申し立てについての決定謄本(写)においいては、本件商標と同一の商標について、商標中の「ST.ANDREWS」の文字は「ST.ANDREWS LINKS TRUST」の著名な略称をあらわしたものとは認められていないところである。

また、申立人が平成11年3月24日付で提出した特許庁長官宛の手紙(写)というのは「ST.ANDREWS」に在るゴルフコース「Old course」を管理、運営する唯一の機関が「ST.ANDREWS LINKS TRUST」である旨を述べ自画自賛している内容のものにすぎず、しかも発信人の氏名すら明らかにされていないものであって、全く信憑性のないものといわざるをえない。

したがって、「ST.ANDREWS」の文字は英国スコットランドの地名をあらわすものであっても、「ST.ANDREWS LINKS TRUST」の著名な略称をあらわすものでないことは明らかであるから、本件商標は商標法第4条第1項第8号に該当しないものである。

よって、本件商標の登録は維持すべきものとする旨の審決を求める次第である。

5 当審の判断

本件商標は、別掲の構成よりなるものであって、その構成中に「ST.ANDREWS」の文字を有しているところ、申立人の提出に係る甲第各号証を総合すると、「ST.ANDREWS」(セント・アンドリュース )は、英国スコットランドにある世界最古とされるゴルフ場として我が国においても著名であって、同ゴルフ場は、「ST.ANDREWS LINKS TRUST(セント・アンドリュース・リンクス・トラスト)」により管理運営されて来たものと認められる。

そうすると、本件商標中の「ST.ANDREWS」の文字は、即ち、同ゴルフ場を管理運営する「ST、ANDREWSLINKS TRUST(セント・アンドリュース・リンクス・トラスト)」の著名な略称といえるものでもある。

してみれば、本件商標は、その構成中に「ST.ANDREWS」の文字を含むものであり、その指定商品がゴルフと関連する商品(被服、運動用特殊衣服、運動用特殊靴)について使用するものであることを合わせ考えると、他人の著名な略称を含む商標といわなければならない。

また、商標権者は、本件商標を登録することについて、前記の者の承諾を得ていたものとは認められない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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