Trademark Appeal Case
著名商標の周知性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第91133号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4268482号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成9年2月13日に登録出願、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第39類「主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する相談,旅行情報の提供,旅行切符の手配,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,水先案内」を指定役務として、同11年4月30日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が本件商標の取消しの理由に引用する商標は、いずれも別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、出願日、登録日、指定商品は商標登録原簿に記載のとおりの登録第2388236号商標、同第2352496号商標、同第2338839号商標、同第2352474号商標、同第2414954号商標、同第2368634号商標、同第2388260号商標、同第2407153号商標、同第2396797号商標、同第2385468号商標及び平成4年6月20日に登録出願、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同6年8月31日に設定登録された登録第3002383号商標(以下、これらを一括して「引用商標」という。)である。
(1)本件商標は、他人の著名な名称若しくは略称を含むものであるにもかかわらず、商標権者は申立人及びその関連会社から本件商標の登録について何ら承諾を得ていないから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(2)引用商標を構成する「WET’N WILD」は、水を利用した総合娯楽施設(ウォーターパーク)を表す申立人及びその関連会社の商標として、広く一般に知られているところ、本件商標は、この著名な引用商標と類似するものであるから、本件商標をその指定役務に使用した場合には、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。そうとすれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)本件商標は、その著名な引用商標と酷似するものであり、他人の周知な商標を不正の目的をもって使用するものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)申立人及び商標権者の主張並びに提出に係る各号証をみるに、引用商標を構成する「WET’N WILD」は、1976年にアメリカ合衆国フロリダ州に建設された水を利用した総合娯楽施設(ウォーターパーク)の名称(標識)であり、その後、アメリカ合衆国のほかにカナダ、メキシコ、ブラジル、中南米及びヨーロッパでも前記娯楽施設が運営されているということができる。
そして、申立人は、日本国に進出する具体的計画を有しているとして、日本テトラポッドが、米国のウォーターパーク事業の開発運営会社ウェットンワイルドと業務提携し、同事業に進出する旨の記事の掲載された甲第14号証(日経流通新聞1989年6月15日)及び甲第15号証(日経リゾート1989年8月21日No11)を提出したが、本件商標の登録査定時において、日本で同事業を開発運営しているとの証拠は提出されていない。
一方、本件商標は、オーストラリア国ゴールドコーストにおいて、商標権者が買収したアリアネード オーストラリア リミテッド社が、1984年11月に開設された娯楽施設「ウェットンワイルド遊園地ツーリストパーク」の標識として使用し、現在は、商標権者において、本件商標と社会通念上同一と認められる範疇の商標を使用しており、また、本件商標の商標権者がオーストラリア国において、本件商標と類似の商標というべき商標を物品及び役務:クラス41「娯楽公園及び娯楽施設及び特に海浜公園」として、1985年11月20日に出願し、商標登録第436592号として登録されていることを認め得るものである。
そして、申立人(その関連会社を含む。)及び商標権者が運営するそれぞれの娯楽施設は、現在も継続して運営されているということができる。
(2)申立人は、引用商標を水を利用した総合娯楽施設(ウォーターパーク)の名称(標識)として使用していることが認められるが、甲号各証は、このうち引用商標の著名性に関する証拠で日本語で記載されているものは、甲第13号証(発行日の不明な旅行誌と該当頁)、甲第14号証及び甲第14号証と同様のことが掲載されている甲第15号証のみで、他の証拠(甲第16号証ないし甲第28号証)は、いずれも「WET’N WILD」に関する欧文字で記載されたものであり、これらの証拠によっては、引用商標が、我が国において本件商標の出願時及び登録査定時に水を利用した総合娯楽施設(ウォーターパーク)の名称又はその事業の開発会社の名称を表すものとして広く認識されていたと認めることはできない。
また、同様に引用商標が、我が国において本件商標の出願時及び登録査定時に、これらの名称の著名な略称として広く認識されていたものとも認められない。
(3)本件商標と引用商標が酷似した構成に係るものであることは、申立人及び商標権者間に争いがないところ、前記したとおり、本件商標権者は本国(オーストラリア国)において本件商標と社会通念上同一と認められる範疇の商標を申立人の業務に係る娯楽施設と同様の娯楽施設に使用し、また、本件商標と類似の商標というべき商標を娯楽公園及び娯楽施設及び特に海浜公園を登録に係る役務として、商標登録している。
しかしながら、本件商標権者のオーストラリア国における商標登録について、申立人が、何らかの取消、無効を求めている手続きを採っているとの証拠は提出されていない。
そして、本件商標はオーストラリア国及び引用商標はアメリカ合衆国を中心とした諸外国において、それぞれの業務に係る役務(娯楽施設の提供)を表示するものとして、取引者、需要者に相当程度知られているとみることができる。
そうとすれば、商標権者は、本国(オーストラリア国)において正当な権原を有する者というべきであり、本件商標の指定役務は、商標権者が本件商標と社会通念上同一と認められる範疇の商標を使用している役務(娯楽施設の提供)と密接な関係を有するといえる旅行に関する役務と認められるものであるから、たとえ、本件商標の欧文字綴りが引用商標と同じであるとしても、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的)をもって、使用をするものとは認め難いところである。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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