Trademark Appeal Case
SCISSOR」の識別力と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90573(T2001−90573/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4470562号商標(以下、「本件商標」という。)は、「HOBBY SCISSOR」と「ホビーシーザー」の文字を二段に横書きしてなり、平成12年3月3日に登録出願され、第8類「手動利器」を指定商品として、平成13年4月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標(甲第1号証)は、その欧文字部分中「SCISSOR」なる英語は「はさみ」なる観念が生じ、本件指定商品との関係においては自他商品識別力を発揮しない。したがって、「ホビー」なる称呼も生ずる。また、本件商標の欧文字部分に接する需要者等は自他商品識別力を十分に発揮し、馴染み深い英語である「HOBBY」に注意を引かれて「趣味」「娯楽」なる観念を看取する。一方、登録異議申立人が引用する登録第1182359号商標(甲第2号証:以下、「引用商標」という。)は、昭和48年2月27日に登録出願され、「ホビー」の文字を横書きしてなり、第13類「手動利器、手動工具、金具(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、昭和51年1月29日に設定の登録がなされたものであって、その構成文字に相応して「ホビー」(趣味、娯楽)なる称呼・観念を生ずる。よって、両商標は同一の称呼・観念を生ずる類似の商標であり、その指定商品も一部において同一である。また、本件商標は構成中に「はさみ」を意味する「SCISSOR」なる英語を有するから、「はさみ」以外の指定商品に使用するときは商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。そうすると、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第16号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、「HOBBY SCISSOR」と「ホビーシーザー」との欧文字と片仮名文字により構成され、指定商品を「はさみ類」を含むところの「手動利器」とするものである。そして、構成前半の「HOBBY」と「ホビー」の文字が「趣味」の意味を有する英語ないしは外来語として「ホビークラフト(hobby craft)」の用例をもって馴染みのある語であり、また、請求人の提出に係る証拠(甲第1号証ないし甲第4号証)をみるに、甲第3号証「大辞林」(株式会社三省堂1988年11月3日発行)によれば、「シザー・カット【scissors cut】」を見出し語とする項に「シザーは、鋏(はさみ)の意・・・」と、及び同じく甲第4号証「大辞泉」(株式会社小学館1995年12月1日発行)によれば、「シザー・カット【scissors cut】」を見出し語とする項に「シザーは、はさみの意・・・」との各記載から、「シザー」の文字には「はさみ」の意味を有する外来語であることは認め得る。しかしながら、本件商標の構成中の「シーザー」の片仮名文字は、第2字目に長音符号が存するものであり、「シザー」の文字と同一視して、直ちに「はさみ」の意味を理解するものとはいい得ず、かつ、同じく構成中の「SCISSOR」の欧文字も「シザー」と読まれるとしても語尾に「s」の文字が欠如しているものであるから、「はさみで切る」の意味の英単語というべきものである。そうとすると、これらの証拠によっては、本件商標の構成後半の「SCISSOR」及び「シーザー」の文字(語)が「はさみ」を表すものとして普通に使用されていると認めることはできないものと判断するのを相当とし、また、他に該両文字(語)が「はさみ」を表すものであると認め得る証左は見出せない。
してみれば、登録異議申立人提出の証拠を総合勘案するも、商品「はさみ」を取り扱うこの種業界において、「SCISSOR」及び「シーザー」の語が登録異議申立人のいうところの「手動利器」に属する「はさみ」を表すものとして普通に使用され、或いは、取引者、需要者の間に「はさみ」の意味を有するものとして認識されているものと認めることはできないものといわざるを得ない。
そうとすれば、本件商標は、「HOBBY SCISSOR」と「ホビーシーザー」との欧文字と片仮名文字よりなるものであり、該構成中の「SCISSOR」又は「シーザー」の文字部分を省略し、「HOBBY」又は「ホビー」の文字部分を抽出し、該文字部分に相応して生ずる「ホビー」の称呼をもって取引にあたると見るべき特段の理由は見出せず、本件商標は、該構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと把握、認識されるものというべきであり、また、該構成各文字は、外観上もまとまりよく一連に表されてなり、これより生ずる称呼も欧文字綴りに比して馴染み易い片仮名文字部分より生ずる称呼を自然とするものであるから、該片仮名文字部分に相応して、平滑、流暢に一連として称呼し得る「ホビーシーザー」の称呼を生ずるものと認められる。
してみれば、本件商標は、該構成文字に相応して前記一連の称呼を生じ、全体として、一種の造語商標とみるのが相当である。
そうすると、本件商標より「ホビー」(趣味、娯楽)の称呼・観念をも生ずるとし、これを前提に本件商標と引用商標とが称呼及び観念上類似するものとした登録異議申立人の主張は、採用できない。
したがって、本件商標は、「HOBBY SCISSOR」と「ホビーシーザー」との欧文字と片仮名文字よりなるものであって、他方、引用商標は「ホビー」の片仮名文字よりなるものであり、両者は外観においても区別し得るものであるから、両商標は、称呼、観念及び外観のいずれの点によっても類似するものということはできない。
また、本件商標は、前記のとおり構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認められるから、これをそのいずれの指定商品について使用しても、商品の品質について誤認を生ずるおそれはないものといわなければならない。
結局、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第16号に違反して登録されたものとすることはできないから、本件商標を商標法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すことができないものである。
よって、結論のとおり決定する。
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