Trademark Appeal Case
称呼・外観の要部類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90876(T2001−90876/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4500895号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年8月1日に登録出願され、「ISODOX」の欧文字を標準文字により表してなり、第5類「消毒薬、その他の薬剤」及び第10類「医療用機械器具」を指定商品として、平成13年8月24日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立の理由
1 申立の根拠
本件商標は、その指定商品中、第5類の「消毒薬、その他の薬剤」については、商標法第4条第1項第11号、同第15号の規定に該当するものであるから、商標法第43条の2第1号によって取り消されるべきものである。
2 引用商標
(1)異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第498384号商標(以下「引用商標」という)は、「ISODINE」の文字を横書きしてなり、第1類「防腐剤、口腔衛生用薬剤、やけど、擦過傷及鼻腔充血治療用軟膏、粉末殺菌剤、直腸用或は避妊用座薬、治療用ガーゼ、その他の繃帯材料、保健衛生用薬剤、膣注水器、防腐性せきどめドロップ、その他本類に属する商品」を指定商品としてなり、昭和31年5月2日に登録出願、同32年3月20日に設定登録され、その後3回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされているものである。
3 具体的理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
(ア)まず、観念についてみると、本件商標と引用商標は造語であって、いずれも別段の意味を有しない。ところで、特定の観念を有しない文字商標については、通常、取引者・需要者がこれを観る場合には、冒頭部分の外観が強く印象に残り、語尾部分の外観についてはほとんど印象に残らないものであり、また、取引者・需要者がこれを聴く場合には、冒頭部分の音韻が強く印象に残り、語尾部分の音韻についてはほとんど印象に残らないものである。かかる事実は、経験則上明らかである。
(イ)外観についてみると、本件商標と引用商標とは、そのうちの強く印象に残る冒頭の4文字が「ISOD......」で同一であるから、冒頭部以下の差には注意が払われず、取引者・需要者が、本件商標と引用商標とを、時と場所を異にして離隔的に観察する場合には、両者は、外観において相互に紛れてしまうことは明らかである。よって、本件商標と引用商標とは、外観上類似する商標である。
(ウ)称呼について比較すると、本件商標からは「イソドックス」の称呼が生じると解するのが自然であり、一方、引用商標からは「イソジン」の称呼が生じる。しかして、本件商標と引用商標とでは、聴者の印象に強く残る冒頭の音節である「イソ」は同一であって、かつ、これに「濁音が続く」という音韻上の基本的構成が共通しており、本件商標と引用商標とでは、聴者が受ける称呼上の差異はわずかであって、本件商標と引用商標とでは称呼上類似する。今日の商取引においては、電話等の音声による通信媒体が日常的に頻繁に用いられているという実状に鑑みれば、取引者・需要者が、商品発注などの際に、「イソド......」と言ったのか、それとも「イソジ......」と言ったのかを聴き誤ることは予測でき、本件商標と引用商標は、互いに相紛れて聴取されるおそれがあると云わざるを得ない。
また、近時では、商品の評判もいわゆる「口コミ」にて伝播することが往々にして生じるところ、申立人の商品の名声を伝え聞いた者が、時と場所を異にする離隔的な購入の際に、誤って本件商標の商品を購入してしまう、という取引の混乱も考えられ、この点からしても、称呼上紛らわしい商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、引用商標を付した各種の薬剤を、日本におけるライセンス先である「明治製菓株式会社」を通じ、長年にわたり日本において販売してきており、その結果、引用商標を付した商品「薬剤」は、日本の需要者・取引者の間において、申立人及びライセンス先の商品として広く認識され、著名になっている。
引用商標を付した商品「薬剤」としては、「うがい薬」が最も有名であるが、「外用消毒薬」もまた有名である(甲第4号証及び甲第5号証)。このような事実に照らせば、仮に本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当しないと仮定した場合であっても、本件商標を付した商品「消毒薬・その他の薬剤」が販売されるとなれば、需要者・取引者間において、かかる商品につき、その出所について混乱を生じ、本件商標の商標権者にとって他人である申立人(又は申立人のライセンス先)の業務に係る商品と混同を生ずるおそれのあることは必至である。
したがって、本件商標は、その指定商品中、第5類の「消毒薬・その他の薬剤」に関する限り、商標法第4条第1項第11号の規定に該当しないと仮定した場合であっても、同第15号の規定に該当する。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標及び引用商標は、「ISODOX」及び「ISODINE」の各欧文字を、同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体的に書してなり、殊更これを「ISO」と「DOX」及び「ISO」と「DINE」との各文字部分に分離して称呼、観念しなければならない特段の事由は認め得ない。
また、それぞれより生ずると認められる「イソドックス」及び「イソジン」の各称呼も淀みなく一連に称呼し得るものである。
そうとすれば、本件商標及び引用商標よりは、「イソドックス」及び「イソジン」の一連の称呼のみを生ずる商標というのが相当である。
そして、「イソドックス」の称呼と「イゾジン」の称呼とは、前半部の「イソ」の音を同じくするも、それに続く音が、前者は「ドックス」、後者は「ジン」と明確に相違するものであるから、称呼上聴き誤るおそれはないものと認められる。
また、本件商標と引用商標とは、文字数が異なるばかりでなく、視覚的にも構成中の一部の文字が「DOX」及び「DINE」と異なるものであるから、外観も相違するものと言わなければならない。
さらに、両者は、いずれも造語よりなるものと認められるものであるから、観念上比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標と言わなければならない。
2 商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標が、称呼、外観及び観念において類似しない商標であること、上記1で述べたとおりである。
そして、本件商標と引用商標とは相紛れるおそれのない別異の商標であるから、申立人の引用商標が「うがい薬、外用消毒剤」に関し著名なものであっても、取引者、需要者が、本件商標より申立人の引用商標を連想、想起したり、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の商品であるが如く、その商品の出所について誤認・混同するおそれはないものと言わざるを得ない。
3 結論
したがって、本件商標の登録は商標法第4条第1項第11号、同第15号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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