Trademark Appeal Case
周知商標の証拠不十分
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90923(T2001−90923/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4504923号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年8月1日に登録出願、「Data Express」の文字を横書きしてなり、第9類「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同13年9月7日に設定登録されたものである。
2.登録異議の申立の理由
「Data Express」の文字よりなる商標及び「DATA EXPRESS」の文字よりなる商標(以下、まとめて「引用商標」という。)は、1990年(平成2年)より、米国のキングストン・テクノロジイ・コーポレイションと登録異議申立人(以下、両者をまとめていうときは「申立人ら」という。)によって、コンピュータ周辺装置である「リムーバブルドライブ用エンクロージャ」に使用されており、本件商標の登録出願時には取引者、需要者の間に広く認識されていた。
そして、本件商標と引用商標は、称呼及び外観において同一又は類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の使用商品とは同一又は類似の商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
また、本件商標は、これをその他の指定商品について使用するときは、申立人らと何らかの関連性を有する者の製造・販売に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
さらに、引用商標は、申立人らの業務に係る商品に使用され著名な商標であり、かつ、造語よりなる商標であるから、これと同一又は類似の本件商標を、その商標権者が登録出願した行為には不正の目的があったものと判断せざるを得ない。そして、このような行為は国際信義上も好ましいものではないことも明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同第7号に該当する。
したがって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
3.当審の判断
登録異議申立人は、異議申立理由補充書(第1回)の第4頁最下段から第5頁上から第19行において「(a)申立人らが引用商標を使用した商品を1990年、即ち平成2年から現在までに輸出・販売してきた国は、日本、米国を始め、オーストラリア、オーストリア、バーレン、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イスラエル、イタリア、オランダ、ニュージーランド、ノルウエイ、ポーランド、ポルトガル、ロシア、サウジアラビア、シンガポール、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、英国の計29ヶ国にものぼる。(b)さらに、申立人らは少なくとも1997年には日本に引用商標を使用した商品を輸出していた。そして、この1997年から2001年までの間に日本に輸出した引用商標を使用した商品の総額はおおよそ50万USドルにものぼる。ちなみに、キングストン社及び申立人によって日本を含む世界各国へ輸出された引用商標を使用した商品の総額は、1997年には1680万USドル、1998年には2340万USドル、1999年には2960万USドル、2000年には2650万USドル、2001年には2200万USドルにのぼり、計1億1830万USドルにものぼる。このように、引用商標を使用した商品リムーバブルドライブ用エンクロージャは、すくなくとも1997年以降、現在に至るまでの間に日本を含む世界的な規模で、かつ、大量に取引されていることから、本件商標の出願時には既に、引用商標が日本及び海外において広く知られていたことは明白である。」旨主張している。
しかしながら、甲第1号証ないし甲第45号証には、上記の国々に引用商標を付した商品「リムーバブルドライブ用エンクロージャ」を輸出・販売した事実を証明する書面及び上記した輸出額等を具体的に証明する書面等は見出せない。
そして、甲第1号証ないし甲第45号証によれば、引用商標が本件商標の登録出願前より商品「リムーバブルドライブ用エンクロージャ」に使用されていた事実は認められるとしても、これらの証拠は、引用商標が本件商標の登録出願時に周知・著名であった事実を立証するためのもとしては、十分なものということはできない。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用した場合、その商品が申立人ら又はこれと関係のある者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれのないものである。
さらに、本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものでなく、これをその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものでもないし、かつ、商標権者が本件商標を採択使用する行為に不正の目的があったものとは認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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