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Trademark Appeal Case

「bio」の識別力と称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2001−90891(T2001−90891/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4501503号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4501503号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年9月25日に登録出願され、別掲(1)のとおり「ビオニーナ」の片仮名文字と「bionina」の欧文字とを二段に横書きしてなり(ただし、「ビオニーナ」の片仮名文字部分は「bionina」の欧文字部分に対し縦及び横の比で約1.3倍の長さをもって表されている。)、第3類「せっけん類、香料類、化粧品、歯磨き」を指定商品として、同13年8月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立の理由

(1)引用商標

異議申立人(以下「申立人」という。)が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第715933号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲(2)のとおり「ニーナ」片仮名文字を横書きしてなり、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)、歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)、香料類」を指定商品として、昭和40年6月16日に登録出願、同41年8月9日に設定登録、昭和52年2月14日、同61年10月21日及び平成9年3月11日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。同登録第2310451号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲(3)のとおり「NINA」の欧文字を横書きして成り、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)、歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)、香料類」を指定商品として、昭和63年4月28日に登録出願、平成3年5月31日に設定登録、同13年5月29日に商標権の存続期間の更新登録がされ、その後、指定商品については同13年12月26日に第3類「せっけん類、歯磨き、化粧品、植物性天然香料、動物性天然香料、合成香料、調合香料、精油からなる食品香料、薫料」に書換登録がされたものである。同登録第2310452号商標(以下「引用C商標」という。)は、別掲(4)のとおり「ニナ」の片仮名文字を横書きしてなり、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)、歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)、香料類」を指定商品として、昭和63年4月28日に登録出願、平成3年5月31日に設定登録、同13年5月29日に商標権の存続期間の更新登録がされ、その後、指定商品については同13年12月26日に第3類「せっけん類、歯磨き、化粧品、植物性天然香料、動物性天然香料、合成香料、調合香料、精油からなる食品香料、薫料」に書換登録がされたものである。

(2)申立人会社及び引用商標の著名性について

申立人会社は、甲第5号証の英和商品名辞典でも紹介されているように、1945年に香水メーカーとして設立され、1948年に半透明ガラスの鳩をあしらった美しい瓶に入ったL‘Air du Tempsという商品を大ヒットさせたのを期に、世界的に著名なブランドとなり、その後の精力的な広告宣伝活動により現在では、申立人の商標「NINA」又は「NINA RICCI」は「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)、香料類」に限らず、毛皮、バック類、サングラス及び時計等の様々な商品について世界的に著名な商標となっているものである。

(3)本件商標と引用各商標の類否について

本件商標は、上述したように、「ビオニーナ」の片仮名文字と、「bionina」の欧文字とを二段に横書きしてなるものである。そして、本件商標は、下段の「bionina」の文字部分のみで使用することがある。

そこで、本件商標の「bionina」の文字部分について検討するに、この「bionina」の文字部分の中の「bio」の部分は、近年、「生物工学」の意味をもつ「biotechnology」の略語として多くの商品に冠されている語であり、本件商標が「ビオニーナ」の片仮名文字と、「bionina」の欧文字とを二段に横書きして成るものだとしても、「bionina」の文字部分のみで用いられた場合、需要者・取引者には、この「bio」の部分は、所謂、「biotechnology」の略語であり、単に「バイオテクノロジにより製造された商品」という意味としか認識されず、識別力を全く有しないものである。

本件商標と引用各商標の称呼とを比較すると、本件商標の「bionina」の文字部分のうち、識別力を発揮し得る「nina」の文字部分から生ずる「ニーナ」又は「ニナ」の称呼と引用各商標より生ずる「ニーナ」又は「ニナ」の称呼とは、同一又は類似である。

次に、本件商標の観念と引用各商標の観念とを比較すると、上記したとおり、「nina」の語は、申立人の精力的な宣伝広告活動により、既に、世界的に著名な商標となっており、この「nina」の文字からは、申立人の商品が想起される。

従って、本件商標の「bionina」の文字部分からは「バイオテクノロジーを用いて製造された申立人の商品」という観念が生じるので、本件商標と引用各商標とは観念上類似するものである。

また、本件商標と引用B商標とは、識別機能を有する「nina」の文字部分と「NINA」の文字部分が大文字か小文字かの差異でしかないため、外観上類似の商標であり、かつその指定商品も同一又は類似の商品である。

3 当審の判断

本件商標は、上述したとおり「ビオニーナ」の文字部分が「bionina」の文字部分に対して縦横がいずれも1.3倍の長さをもって表されており、また「ビオニーナ」と「bionina」の各文字が横の中心線を同一にしてそれぞれ同書・同大・等間隔に書され、しかも両各文字が近接して配されているものである。本件商標構成中の「ビオニーナ」の文字部分が、特定の語義を有するものではなく、造語と認められ、その構成文字に相応して「ビオニーナ」の称呼を生ずるものであり、また「bionina」の文字も特定の語義を有するものではなく、造語と認められものであって、その構成文字に相応して「ビオニーナ」の称呼を生ずるものである。そうすると、本件商標は、「ビオニーナ」の文字部分と「bionina」の文字部分がいずれも「ビオニーナ」の称呼を生じ、全体として「ビオニーナ」の称呼を生じるものであり、「ビオニーナ」の文字部分が「bionina」の文字部分に対して顕著に表されていることからすれば、「ビオニーナ」の片仮名文字を基本とし、その欧文字表記を下段に併記したと理解させるものであり、「bionina」の文字部分より「ビオニーナ」の片仮名文字部分が看者に強い印象力を与えるものである。そして、「bio」の文字が「biotechnology」(「生物工学」)の略語として使用され、「バイオ」と称呼されることがあるとしても、本件商標構成中の「bio」の文字部分は、同構成中の「ビオニーナ」の「ビオ」に相当する欧文字表記とみられるから、申立人が主張するように連想され、称呼されることがないというべきである。

したがって、本件商標は、その構成中の下段に表された「bionina」の文字部分のみを分離抽出し、その上で「bio」と「nina」のに分離して称呼・観念しなければならない特段の事由があるとは認められないから、称呼については「ビオニーナ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないというのが相当である。

他方、引用A商標は「ニーナ」、引用B商標は「NINA」の各文字よりなるものであるから、これらよりは「ニーナ」の称呼、「外国人女性の名前としての『ニーナ』」の観念を生じるものであり、また、引用C商標は「ニナ」の各文字よりなるものであるから、これよりは「ニナ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものと認められる。

申立人は、「NINA」の語が世界的に著名な商標になっている(甲第5号証)から、申立人会社の商品を想起させる旨主張するが、申立人の提出した全証拠のみによっては該語が申立人の使用する周知著名な商標であると認めることができないから、この点の主張を採用することはできない。

そこで、本件商標より生ずる「ビオニーナ」の称呼と引用A商標及び引用B商標より生ずる「ニーナ」の称呼とを比較すると、両称呼は、称呼の識別上重要な位置を占める語頭において「ビオ」の音の有無の明確な差異を有するので、称呼上十分聴別し得るものである。本件商標より生ずる「ビオニーナ」の称呼と引用C商標より生ずる「ニナ」の称呼とを比較すると、両称呼は、称呼の識別上重要な位置を占める語頭において「ビオ」の音の有無の明確な差異を有するばかりでなく、中間音においても「ニ」の長音の有無の差異を有するので、称呼上十分聴別し得るものである。

また、本件商標と引用各商標は、外観上においては構成文字の差異により容易に区別し得るものであり、観念上においては比較すべくもないものである。

したがって、本件商標と引用各商標とは、称呼、外観及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたとは認められないから、商標法第43条の3第4項により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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