結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2001−90728(T2001−90728/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4486860号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年6月20日登録出願、後掲(1)に示すとおり、「ミツカン」及び「熟」の文字よりなり、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,酒かす,ホイップクリーム用安定剤」を指定商品として、平成13年6月29日に設定の登録がされたものであるところ、指定商品中「香辛料」についての登録は、放棄による一部抹消の登録が同14年4月25日にされたものである。
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、同人所有の商標登録第4046756号(以下「引用商標」という。)、同第4213726号を引用し、本件商標はこれら登録商標と類似し指定商品も類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当する。また、引用商標は申立人に係る商品を表示するものとして広く一般に知られており、これと類似する本件商標をその指定商品に使用した場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。よって、本件商標の登録は取り消されるべきである旨、その理由を述べている。
本件商標について、商標法第43条の3第2項により、その指定商品中の「香辛料」の登録を取り消すべきものとして、商標権者に対して示した取消理由は、要旨次のとおりである。
<取消理由(要旨)>
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出に係る証拠によれば、申立人は、後掲(2)に示す引用商標(商標登録第4046756号)を付したカレールー(以下「熟カレー」という。)を平成7年3月に発売したところ(甲第17号証ないし同第19号証等)、熟カレーは発売以降大きく売上を伸ばし、カレールー市場におけるブランドシェアーで平成7年11月に11.9%に達し(甲第22号証)、熟カレーの年間売上高は、平成7年から同11年の5年間の平均で60億円であったことが認められる(甲第8号証)。また、平成11年12月に行われた「カレー人気調査」に関する日経流通新聞(甲第41号証)によれば、「熟カレー(江崎グリコ)」が全18銘柄中、第5位にランキングされていることが認められ、このほか、熟カレーの売上が依然好調であることなど、熟カレーに関連する記事が本件商標の登録出願日(平成12年6月20日)前に発行された各新聞(日経流通新聞、産経新聞、日経産業新聞、朝日新聞、毎日新聞等)において、屡々報道されたことが認められる。
以上の点からすると、我が国の相当程度の地域範囲と期間に亘って多くの消費者が熟カレーを購入し、或いは、購入しないまでも同製品に関心を寄せていたであろう状況を推認するのに十分といえるから、申立人がカレールーについて使用する引用商標は、本件商標の登録出願時を含む登録査定時においてすでに取引者、需要者の間に広く認識され、著名性を獲得していたものと判断するのが相当である。
そして、カレールーは、元々カレー粉入りのルーを指すように、カレールーの製造を業とする事業者がその素材の一である「香辛料」に含まれる「カレー粉」をも製造する業界事情があり、また、カレー粉自体も各種の香辛料を配合した複合香辛料といえるものであること等の点よりして、カレールーと香辛料とは、その生産事情、用途範囲等において密接に関連する商品と認められる。
さらに、本件商標において独立して商品識別の標識と認識される「熟」の漢字は、引用商標において商品識別の標識の主要部と目される「熟」と同一の文字であって、両者は、該文字(語)の印象・認識を共通にするものといえる。
そうとすれば、本件商標をその指定商品中の「香辛料」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記各事情よりして、申立人又は申立人と事業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同するおそれがあるといわなければならない。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれのあるものとすべきであるから、その指定商品中の上記商品についての登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。
商標権者は、本件商標権につき指定商品中の「香辛料」についての権利を放棄したので、取消理由は解消したものと思料する旨、その意見を述べている。
本件商標について、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるとして、商標法第4条第1項第15号該当違反を理由に、その指定商品中の「香辛料」についての登録を取り消すべきものとした先の取消理由は、妥当なものと認められる。
商標権者は、本件商標については商標権の一部放棄を理由にその取消理由が解消する旨意見(上記4)を述べているが、商標登録が商標法第4条第1項第15号の規定に違反してされたものであるか否かは、当該商標の登録査定時を基準に判断すべきことであり、他方、商標権の権利放棄の効果は、専ら当該放棄に係る権利の抹消登録後において発生するものであって、放棄前にまでその効果が遡及するものと解すべきではないから、本件商標の登録後にされた商標権の一部放棄の事由は、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとした先の取消理由の認定判断に何ら影響を及ぼすものではない。
してみれば、本件商標の登録は、その指定商品中の結論掲記の商品について、商標法第43条の3第2項の規定により、これを取り消すべきものとし、その余の指定商品については、取り消すべき理由がないから、同第4項の規定により、これを維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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