結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第35648号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4116640号商標(以下「本件商標」という。)は、「MICROBUB」の欧文字と「ミクロバブ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成5年7月26日に登録出願、第3類「義歯洗浄剤,せっけん類,歯磨き」を指定商品として、平成10年2月20日に設定登録されたものである。
請求人が、本件商標の登録無効の理由に引用する登録第2630376号商標(以下「引用A商標」という。)は、「ビオレ」の片仮名文字と「バブ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成4年2月6日に登録出願、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、平成6年2月28日に設定登録されたものである。同じく、登録第1807901号商標(以下「引用B商標」という。)は、「バブ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和57年8月30日に登録出願、第1類「薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和60年9月27日に設定登録され、その後、商標権存続期間の更新登録がされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第41号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標は、次に述べる(1)又は(2)に該当し、商標法第46条第1項第1号の規定により無効とされるべきものである。
(1)本件商標は、引用A商標に類似し、引用A商標に係る商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号の規定に該当し、登録を受けることができなかったものである。
(2)本件商標は、引用A商標に類似しない場合であっても、請求人の商標として広く一般に知られている引用A商標及び引用B商標の称呼を含むが故に、これら引用各商標に係る商品と同一又は類似の商品に使用されると商品の出所について混同を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号の規定に該当し、登録を受けることができなかったものである。
(1)商標法第4条第1項第11号について
(ア)本件商標と引用A商標の比較について
本件商標からは、字面上は「ミクロバブ」の称呼を、引用A商標からは「バブ」の文字より「バブ」の称呼を生じる。
しかしながら、本件商標からは一応は「ミクロバブ」の称呼を生じるものであるとしても「バブ」の称呼も生じる。
本件商標の構成は、商標権者も審査の過程において認めているように「MICRO」「ミクロ」と「BUB」「バブ」との結合されたものである。
一般に「MICRO」「ミクロ」は、「極小(の)」という意味合いを有し、各種語に接頭語として使用される。
本件商標は、全体として格別の意味合いを有さないからこそ「MICRO」「ミクロ」は、その語の持つ意味合いにおいて、その後半の「BUB」「バブ」を修飾し、「BUB」「バブ」の形態を表現していることになるのである。
したがって、「MICRO」「ミクロ」は「BUB」「バブ」の品質、形状等を表しているのであって、かかる部分には自他商品識別力はないのである。
平成2年(行ケ)第99号審決取消請求事件における判決(甲第4号証)では、「MICROTEC」と「TEC」「TEK」とを類似するものとの判断をし、審決を取り消しているのである。
かかる事実に鑑みると、本件商標「MICROBUB」「ミクロバブ」もその構成中「MICRO」「ミクロ」は自他商品識別を果たし得ないこと明白であるから、「BUB」「バブ」にのみ自他商品識別力を有するとするのが相当である。
してみると、本件商標の自他商品識別力を有する部分は「BUB」「バブ」にあり、「BUB」「バブ」より「バブ」の称呼を生ずる。
次に、引用A商標は、甲第2号証の1の「連合商標登録番号記録部」の欄の記載から明らかなように、記載されている登録商標の連合商標として登録されたものであること明白であり、かかる事実から当然ながら、「ビオレ」の称呼と「バブ」の称呼がそれぞれ生じる。
してみると、引用A商標は、その「バブ」の部分より「バブ」の称呼を生じる。
このように本件商標と引用A商標とは、上述の客観的な理により、いずれからも「バブ」の称呼を生じること疑う余地がない。
叙上のとおりであるから、本件商標の構成中自他商品識別力を有する称呼「バブ」と引用A商標の構成中「バブ」から生ずる称呼「バブ」とにおいて、本件商標と引用A商標とは類似する。
(イ)指定商品の対比
本件商標に係る指定商品と引用A商標に係る指定商品とは、同一又は類似の商品である。
してみると、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に該当するものであるから、誤って登録されたものというべきである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
(ア)「バブ」の周知著名性について
請求人は、「販売レポート」(甲第9号証ないし甲第14号証)に示すように、昭和58年以来薬用入浴剤「バブ」を製造販売している。そして、現在でも「1998年三越中元カタログ」(甲第11号証)に見られるように発売を続けている。
その結果、「バブ」は請求人の取り扱いにかかる「薬用入浴剤」を表示する商標として一般の需要者、取引者に広く知られたものとなった。
甲第16号証ないし甲第40号証により、「バブ」が広く知られるようになった経緯とその事実を示す。
(イ)出所の混同性について
請求人の使用している「バブ」の商標は、前述のように本件商標に係る指定商品に使用し、著名となっているから、本件商標をその指定商品に使用すると一般の需要者、取引者は請求人の業務に係る商品を表示するものとして有名な「バブ」と同一の称呼部分に注意を引かれ、そして、特に本件商標に係る指定商品中「せっけん類」は「バブ」が使用される薬用入浴剤と販売場所、使用場所、使用者を共通にするところから、その商品の出所を請求人あるいはそれらと何らかの関係にあるものと誤認、混同するおそれがある。
してみると、本件商標は、その指定商品に使用すると他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。
叙上のとおり、本件商標は、引用A商標に称呼上類似する商標であるから、商標法第4条第1項第11号の規定に該当するか又は他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれのある商標であるから、商標法第4条第1項第15号の規定に該当し、その登録は無効とされるべきものである。
被請求人は、何ら答弁するところがない。
請求人は、本件商標中の「MICRO」「ミクロ」の文字部分は自他商品識別力を果たし得ないこと明白であるから、本件商標は、「BUB」「バブ」の文字部分にのみ自他商品識別力を有し、この文字部分より「バブ」の称呼を生じ、引用A商標と類似する商標である旨主張し、これを前提に本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとしている。
しかし、本件商標中の「MICRO」「ミクロ」の文字は、「微小(の)」を意味する語であるが、本件商標の指定商品である「義歯洗浄剤,せっけん類,歯磨き」との関係において、商品の品質、形状等を表示する識別力のない文字として取引者、需要者に認識されるとすべき相当の理由及び証拠は見あたらないから、これを前提としてする請求人の上記主張は根拠を欠くものであって採用できない。
次に、本件商標中の「MICROBUB」「ミクロバブ」の文字は、それぞれ一連一体に横書きされている態様のものであるが、上記の意味の語「MICRO」「ミクロ」と「BUB」「バブ」の文字を結合してなるものと自然に認識できる。
また、請求人の提出に係る甲第9号証ないし甲第40号証を総合すると、「バブ」の片仮名文字よりなる商標は、請求人が商品「薬用入浴剤」に使用した結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められる。
そして、本件商標の指定商品である「義歯洗浄剤,せっけん類,歯磨き」と「薬用入浴剤」とは、販売店、販売場所、需要者層を共通することが多いものと認められる。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、請求人が「薬用入浴剤」に使用の上記「バブ」の片仮名文字よりなる商標と同一の称呼を生ずる本件商標の「BUB」「バブ」の文字部分に注意を引かれ、かつ、この文字部分より請求人が使用する上記「バブ」の商標を連想想起して、その商品が、請求人又は請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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