1 本願商標
本願商標は、「さくさく」の平仮名文字を横書きしてなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,かつお節,寒天,削り節,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,豆,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品とし、登録第108016号、平成6年商標登録願第68961号の各商標と連合する商標として、平成6年12月31日に登録出願されたものであるが、指定商品については、平成10年3月3日付けの手続補正書をもって、「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,かつお節,寒天,削り節,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標『さくさく』の文字は、『コロッケ,とんかつ』等の指定商品との関係においては、食品の感触を表したにすぎないものであり、本願商標を上記の指定商品に使用するときには、その商品の品質を表示するにすぎないものと判断される。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「さくさく」の平仮名文字を横書きしてなるものであるところ、「さくさく」の文字は、「噛み、きざみ、雪や砂などを踏むときの軽快な音」(「広辞苑」岩波書店発行)を表す擬声語として用いられている。
また、「さくさくした歯触り」、「さくさくしておいしい」のように、「さくさく」を含む語が、歯触り、口当たり等の食感を表す語として用いられている事実が認められる。
しかしながら、「さくさく」を食感として表現する場合には、「さくさくした」又は「さくさくして」のように、「さくさく」に他の語を伴って使用されるのが一般的であることから、単に「さくさく」の文字のみでは、擬声語としての意味合いを認識させることはあっても、食感としての意味合いを直接的かつ具体的に表しているとまではいえないと判断するのが相当である。
さらに、「さくさく」からのみなる文字が、本願指定商品を取り扱う取引業界において取引者、需要者の間に食感を意味する語として認識され、普通に使用されているという事実も見出せない。
そうすると、本願商標は、たとえ原査定が認定する意味合いを暗示するものであったとしても、自他商品の識別機能を果たし得ない程に商品の品質が記述的に表示されたものではないとみるのが相当である。
したがって、本願商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、具体的に商品の品質を表示したものと認識することはないものとみるのが相当であるから、商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶をすべきものとすることはできない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。