結論テキスト
その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2001−35223(T2001−35223/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
請求人が本件商標の無効を述べる理由に引用する登録第2120864号商標(以下、「引用商標」という。)は、昭和59年7月18日登録出願、商標の構成を後掲に示すとおり「SUZUKI SWIFT」の欧文字とし(「SWIFT」の文字部分は「SUZUKI」の文字部分に比してやや大きく、かつ、やや右傾させて表されている。)、指定商品を第12類「輸送機械器具、その部品および附属品(他の類に属するものを除く)」として、平成1年3月27日に設定の登録がされ、該商標権は、同11年3月30日に存続期間の更新登録がされているものである。
(1)本件商標の概要
本件商標の概要は上記1のとおりである(甲第1号証)。
(2)請求の利益について
請求人は、引用商標(登録第2120864号商標)の商標権者であるから(甲第2号証)、本件審判を請求することについて、利害関係を有する。
(3)無効理由について
(ア)本件商標は、請求人の所有する引用商標と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(イ)引用商標の概要は上記2のとおりである(甲第2号証)。
(ウ)本件商標と引用商標との類否について
引用商標の構成は、左に「SUZUKI」の欧文字を小さく、右に「SWIFT」の欧文字を大きく、それぞれ表してなるものである。このうち、「SUZUKI」の文字は通常の書体で表されており、静的な印象を与えるのに対し、「SWIFT」の文字はややデザイン化された斜体で表されており、動的な印象を与えるものである。このように、両者は文字の大きさ、書体、視覚的印象を異にし、しかも間隔をあけて配されていることからみて、引用商標が外観上、前半部の「SUZUKI」と後半部の「SWIFT」とに容易に分離して看取され得るものである。
また、「SUZUKI」の文字は請求人の商号を容易に認識させるものであるのに対し、「SWIFT」の文字は「急速に動く、アマツバメ」等の観念を有する英単語であるから(甲第3号証)、両者には何ら観念的な結びつきは存しない。しかも、「SWIFT」の語は我が国において馴染みのない語であるから、両者が結合した構成全体から、直ちに親しまれた特定の観念が生ずるとは到底考えられないところである。すなわち、観念上、引用商標を常に一体不可分のものとして把握すべき格別の事情は存しない。
さらにまた、引用商標は前記の構成よりなるものであるから、その構成全体に相応して「スズキスイフト」と一連に称呼される場合もあるが、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標の構成中「SUZUKI」「SWIFT」の文字部分を各々捉え、それらより生ずる称呼のみをもって取引に資される場合も決して少なくないところである。したがって、引用商標は、その構成中の「SWIFT」の文字に相応し「スイフト」の称呼をも生ずるものである。
因みに、最高裁判所第一小法廷昭和38年12月5日判決(甲第4号証)は、「簡易、迅速をたつとぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、常に必らずしもその構成部分全体の名称によって称呼、観念されず、しばしば、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、一個の商標から二個以上の称呼、観念の生ずることがあるのは、経験則の教えるところである」と判示している。
これを引用商標についてみると、引用商標は、前述のとおり、外観上はもとより、観念上も称呼上も分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められないものであるから、引用商標より「スイフト」の称呼が生ずるとすることは前記判決に合致するところである。
一方、本件商標は、欧文字「SWIFT」を標準文字で表してなるものであるから、その構成に相応して「スイフト」の称呼を生ずるものであることは明らかである。
したがって、本件商標と引用商標とは、「スイフト」の称呼を同一にする類似の商標というべきである。
また、本件商標及び引用商標に係る指定商品はそれぞれ前記のとおりであるから、両者が同一又は類似の商品であることは明らかである。
以上のとおり、本件商標は引用商標と類似する商標であり、その指定商品も同一又は類似する商品である。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきものである。
被請求人は、本件審判の請求に対し何ら答弁をしていない。
請求人は、本件商標の商標法第4条第1項第11号該当を理由にその登録の無効を述べている。
そこで、本件商標と引用商標との類否について判断するに、引用商標は、その構成後掲に示すとおり、左側に「SUZUKI」の欧文字をやや小さ目に表し、その右側にやや右傾させた「SWIFT」の欧文字をやや大き目の文字で表してなるものであるから、視覚印象において、左右各文字部分に分離して看取し得るものである。
そして、これら各文字をその指定商品である自動車関連分野の取引事情に照らし検討するに、前者の文字は、我が国において多数存在する氏姓「鈴木(スズキ)」として理解されるというよりは、むしろ、その指定商品の分野においてすでに周知といえる請求人事業を表彰する代表的出所標識又は当該事業主体(メーカー名)ないしは当該取り扱いに係る商品(自動車等)等表示とみるのが相当であり、また、後者の文字は、一般に「スイフト」と読まれ、「早い、速やかな、早速の」等の意味合いの英語と理解される場合のほか、請求人に係る特定の自動車(請求人会社が2000年初頭に「スイフト」なる車種名の小型自動車を販売している点はすでに周知の事実である。)の車種名(商標)と理解される場合も少なくないといえる。
そうすると、引用商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、請求人会社を表彰する「SUZUKI」の標章(文字)に前記意味合いの英語又は特定車種名(商標)を付加してなるものと容易に認識し理解するとみるのが相当である。
また、この種自動車に関わる当業者ないしは取引者・需要者間において、事業主体(メーカー名等表示)を表示する部分は屡々省略され、当該車種名のみにより簡便に呼称し、これを取引指標とすることは少なからず見受けられるところであって、この場合、同時に当該車種名は他社メーカーに係るものとを区別するための標識(商標)として機能するものであるから、それ自体が単独でも商品識別の機能を果たし得るものといわなければならない。そして、当該「SWIFT」(スイフト)の文字が自動車関連の取引分野において、その品質・機能等を表示するものとして取引上普通に使用されているというような状況はなく、また、その証拠も見出せない。
そうすると、引用商標にあって「SWIFT」の文字部分は、それ自体が単独で商品識別の機能を果たし得るものというべく、引用商標は、全体として生ずる「スズキスイフト」の称呼のほか、「SWIFT」の文字に相応して生ずる「スイフト」(早い、速やかな等)の称呼(観念)をもって取引に資される場合も決して少なくないといわなければならない。
したがって、引用商標は、単に「スイフト」(早い、速やかな等)の称呼・観念も生ずるものというべきである。
ところで、本願商標は、「SWIFT」の文字よりなること前記のとおりであるから、該文字に相応して生ずる「スイフト」(早い、速やかな等)の称呼・観念をもって取引に資されるものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、「スイフト」の称呼及び「早い、速やかな」等の観念を共通にする点において紛らわしく、このほか、外観においても、「SWIFT」の欧文字綴りを同じくする点において紛れ易いものといえるから、結局、本件商標は、引用商標とその称呼、観念及び外観の各点を総合して判断するに、その出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標といわなければならない。
また、本件商標及び引用商標に係る指定商品はそれぞれ前記のとおりであって、本件商標に係る指定商品中の「自走式キャンピングカー並びにその部品及び附属品,被牽引式キャンピングカー並びにその部品及び附属品,トレーラー並びにその部品及び附属品」と引用商標に係る指定商品とは、共に輸送機械器具の概念に属し、その生産系統及び用途等を同じくする同一又は類似の商品と認められる。
してみれば、本件商標は、その指定商品中の前記商品について商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とし、その余の請求については、理由のないものとすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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