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Trademark Appeal Case

役務の質の表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第20340号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「100年住宅」の文字を横書きしてなり、第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,建築物の修理又は保守,エレベーターの修理又は保守,火災報知器の修理又は保守,事務用機械器具の修理又は保守,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,電話機の修理,家具の修理,建具の修理又は調整,金庫の修理又は保守,時計の修理又は保守,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,電話機の消毒,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。)」を指定役務として、平成6年10月21日に登録出願されたものであるが、その後指定役務については、同10年6月11日付の手続補正書により「建築一式工事」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、本願の指定役務中、例えば、建築一式工事、左官工事、屋根工事等の住宅の建築に関わる工事に使用するときは、耐久性が100年ある住宅を建築する工事を認識させるものであり、単にその役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定・判断して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

朝日新聞社発行「朝日現代用語『知恵蔵』’99」によれば、「センチュリー・ハウジング・システム」の項に「建設省が住機能高度化プロジェクトの一環として、1980年度から進めてきた研究の成果。狙いは、より長期にわたって快適な居住に耐え得る住宅の設計手法の開発にあり、その名称も『一世紀にわたって使用に耐え得る住宅を実現する仕組み』という意味。....このシステムを運用して建設された戸建て住宅や集合住宅の事例も数多く見られるようになっている。」と記載されていることが認められる。

そして、このシステムの構想を受け、住宅建設に係わる業界においては、百年間住み続けられる良質で耐久性の高い住宅の開発・普及に乗り出し、該住宅を「百年住宅」又は「100年住宅」と称していることが以下のような新聞報道によって認められる。

例えば、日経新聞記事データベースによれば、85.12.6付本紙地方面に「首都圏の工務店の共同組合『匠(たくみ)の会』は、....同会が販売している百年住宅(長寿命木造住宅)に近い耐久性をもつよりになる。」と、88.5.24付日経産業に「特に、PB管はいわゆるセンチュリーハウジング(百年住宅)の普及に伴って....」と、89.12.25付日経産業に「木下工務店が『100年住宅』、家族構成変われど快適−部材交換も簡単。」と、94.3.8付本紙地方面/近畿Cに「兵庫県は、三世代にわたり長期間住み続けられる良質で耐久性の高い住宅を『百年住宅』として普及させるため、....」と、96.5.27付日経産業に「〔新製品評価〕東芝の、ミニサイズパソコン、殖産住宅の百年住宅など」と・97・9・8付本紙地方面/西部特集に「土木コンサルタント於保泰正氏−百年住宅、環境と調和(個性)」とそれぞれ記述され、読売新聞記事データベースによれば、90.11.2付東京読売朝刊に「本体安定で『百年住宅』」と、95.8.29付大阪読売朝刊に「....耐久性の高い〃百年住宅〃の供給などの....と、97.8.13付東京読売朝刊に「ハウスジヤパン構想は、....二000年度までの七年計画で『百年住宅』の実現を....」とそれぞれ記述され、毎日新聞記事データベースによれば、94.6・9付東京本紙朝刊に「[特集]役立つ住宅情報 百年住宅 長〜くなる、保証期間」と、95.1.12付東京本紙朝刊に「[特集]役立つ住宅情報 インタビュー・応接室=ナショナル住宅産業・辻昇平社長....三世代持つような百年住宅にしていかなければなりません。....」とそれぞれ記述され、朝日新聞記事データベースによれば、96.12.10付夕刊に「最近の景気を引っ張った住宅業界では『百年住宅』といった提案が盛んになっている。....」と、98.10.24付夕刊に「『100年住宅』応援、来年度まで1万戸 割高分を補助 建設省方針」とそれぞれ記述されている。

以上の事実からすれば、「百年住宅」又は「100年住宅」の文字は、「百年間住み続けられる良質で耐久性の高い住宅」の如き意味合いを有する語として一般に親しまれているというのが相当である。

そうすると、「100年住宅」の文字を普通に用いられる方法で書してなる本願商標は、これを補正された指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者はその役務が上記意味合いの住宅を建築する工事であるという役務の質(内容)を表示したものと理解し認識するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

ところで、請求人は、本願の指定役務を減縮補正すると共に、本願商標は補正後の指定役務について使用による顕著性を獲得しており、商標法第3条第2項の適用により登録されるべき旨主張し、証拠を提出している。

しかしながら、提出に係る各証拠によれば、請求人が本願商標を使用していることは認められるとしても、甲第1ないし第6号証のパンフレット、甲第8号証、甲第18号証等の新聞広告、雑誌広告における「100年住宅」の文字は、他の語と共に用いられ、むしろ当該住宅の内容を示す記述的表現とも受け取られるようなものであり、また、甲第7号証等の新聞記事中の「100年住宅」又は「百年住宅」の文字は上記意味合いの住宅を表すものとして報道記事中に用いられているものが多いのに加え、「100年住宅」の文字を使用しているのは請求人のみではないことを示しているともいえるから、請求人の提出に係る証拠によっては本願商標が使用による自他役務の識別性を獲得しているものとは認められず、請求人の主張は採用することができない。

結局、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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