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Trademark Appeal Case

役務の品質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第20342号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に示した構成よりなり、第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,建築物の修理又は保守,エレベーターの修理又は保守,火災報知器の修理又は保守,事務用機械器具の修理又は保守,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,電話機の修理,家具の修理,建具の修理又は調整,金庫の修理又は保守,時計の修理又は保守,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,電話機の消毒,有害動物の防除(農業・園芸又は、林業に関するものを除く。)」を指定役務として、平成6年11月4日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『広い家』の文字を普通に用いられる程度の方法で書してなるところ、これを本願役務中、例えば、建築一式工事、建築物の修理又は保守、建築物の外壁の清掃等に使用するときには、広い家を対象とする工事・修理・清掃等を認識させるものであり、単にその役務の質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときは商品(役務)の品質(質)の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」と認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別紙に示したとおり、下部の辺を除いた他の3辺を青色で縁取りした黄色塗りの横長長方形を、3つの正方形になるように、縁取りと同色の青線で区切り、それぞれの正方形内に左から順に「広」「い」「家」の各文字を書してなるものであるところ、該文字全体からは、「面積が大きい家、場所のゆとりがある家」なる意味合いが容易に理解されるものであり、商標全体としても、上記以外の意味合いが看取されるものとはいえない。

一方、本願の指定役務中の「建築一式工事」等住宅建築等の役務分野と密接な関係を有する建築基準法の改正により、狭い土地を有効に利用するため、住宅の地下居室の設計・施工基準の規制緩和、木造三階建て住宅等の建築の規制緩和、一定の性能さえ満たせば多様な材料・設備・構造方法を採用できる規制方式が導入されたことにより、建築物の設計の自由化が促進されたことなど、限られた土地に住宅を建築する場合において、従来より広い住宅の建築が可能になった。

また、建築材料の開発、建築技術の進歩などにより、建築物内の空間を最大限に生かした広い住宅などが注目されているところである。

してみると、前記構成よりなる本願商標をその指定役務中の「建築一式工事」等住宅の建築に関する役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、上記実情よりすれば、本願商標を役務の質(内容)を表したと理解するにとどまるものと認められ、自他役務の識別標識としては認識し得ないものというのが相当である。

この点に関して、請求人(出願人)は、第1号証ないし第4号証を提出して、本願商標は、周知性を獲得しており、商標法第3条第2項の適用により登録されるべきである旨主張している。

そこで検討するに、第1号証及び第2号証は朝日新聞における広告、第3号証は住宅産業新聞における広告であり、第4号証は請求人のパンフッレトであるところ、これらに表示されている「広い家。」は、本願商標とは、その構成態様を異にするものであり、また、本願の指定役務の全てについて、本願商標の著名性を立証するものではなく、いわゆる「建築一式工事」のみについての証拠と認められるものである。

してみると、提出された証拠によっては、本願商標がその指定役務に使用された結果、自他役務の識別標識としての機能を有するに至っているものとは認めることができず、商標法第3条第2項に規定する要件を具備するものということはできない。

したがって、本願商標は、これを「建築一式工事」について使用しても、単に役務の質を表示するにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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