Trademark Appeal Case
ネットワーカーの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第4892号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ネットワ−カ−」の文字を横書きしてなり、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,地域内電子計算機の情報網の設計.地域内電子計算機情報網の指導」を指定役務として、平成7年11月20日に登録出願されたものである。
2 原審の拒絶理由
原審は「この商標登録出願に係る商標は、『コンピューターなどの通信網または回線網』を意味する『network』に動作者名詞を作る接尾語『er』をつけた『networker』の表音とみられる『ネットワーカー』の片仮名文字を普通に書したもののみよりなるものであるところ、これよりは『コンピューターなどの通信網または回線網に従事するもの』程度の意味合いに看取されるにすぎないから、これを本願指定役務に使用をした場合には、看者をして上記意味内容において該役務の質を認識させる以上に特別顕著なところはなく、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定・判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記に示した構成よりなるものであるところ、株式会社集英社発行「imidas1999」の「ネットワーカー[networker]」の項によれば、「インターネットで情報を求めることが好きで、よく利用する人」との記載が認められ、さらに、例えば、新聞記事によれば、「パソコンに接続する通信機材の値下がりと、通信機能の付いたワープロの普及でネットワーカーが激増・・・」(92.12.07 朝日新聞夕刊)、「パソコン通信のネットワーカーは一日一回はアクセスし、自分が日ごろ住んでいる世界とは違う人と話す機会を楽しんでいる−。」(94.04.22 流通サービス(日刊工業新聞社)11頁)、「パソコン通信の総合イベント・・・開催される。・・・パソコン通信事業者、機器メーカー、パソコン通信利用者(ネットワーカー)などが出展する。」(95.03.13 日経産業7頁)、「インターネットに代表されるネットワークが作り出す『サイバースペース(電脳空間)』は、『ネットワーカー』と呼ぶ新しい時代のヒーローを生んでいる。・・・様々な分野に活躍の場を求めるネットワークの使い手たちにサイバースペース革命を・・・」(95.10.19 日経産業新聞2頁)、「ここ数年、急速に普及しているパソコンによるネットワーク通信の可能性を探ろうと、約二百のネットワーカー団体が一堂に会する祭典・・・」(96.08.02 朝日新聞朝刊神奈川版)、「インターネットの広がりを受け、日本でも『ネティズン』や『ネットワーカー』と呼ばれる新しい人の群れが出現しつつある。パソコンを自在に操り、ネットワークで自分を表現する術を身につけた新たな人種だ。」(97.10.26 日本経済新聞朝刊18頁)等の記載が認められる。
これらの事実よりすれば、「ネットワーカー」の文字は、「インターネットに代表されるネットワークに精通し、パソコンを自在に操り、ネットワークで自分を表現する術を身につけた者」の如き意味合いを有する語として、この種業界において普通に使用され、親しまれているものと認められる。
そうとすると、「ネットワーカー」の文字よりなる本願商標をその指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該役務が上記意味合いの者が提供する役務であること認識するに止まり、本願商標は自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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