1 本願商標
本願商標は、「回帰水」の漢字(標準文字による)を横書してなり、願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年10月20日に登録出願、その後、平成11年10月20日付け手続補正書をもって、第32類「飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」と減縮補正されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において、本願商標の査定に引用した登録第2492782号商標(以下「引用商標」という。)は、「回帰」の漢字を横書してなり、平成2年5月22日に登録出願、第31類「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」を指定商品として、同4年12月25日に設定登録、その後、指定商品については、商標権一部取消審判があった結果、「調味料」について取り消す旨の審判の確定登録が平成13年2月28日になされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり、「回帰水」の文字が全体としてまとまりよく、一体的に構成されてなるものである。
そして、該構成中の「回帰」の文字は、「めぐりかえること、くりかえすこと」を意味し、例えば、回帰月、回帰圏、回帰線、回帰熱及び回帰年の熟語に見られるように、後の言葉と結びついて、ひとまとまりの意味合いを表すことばとしてしばしば用いられている(「広辞苑」岩波書店)ことから、本願商標は、「めぐりかえる水」のごとき意味合いを生ずる一種の造語を形成しているものというのが相当であり、これよりは、「カイキスイ」の一連の称呼のみを生じ、「めぐりかえる水」のごとき観念を生ずるものというべきである。
他方、引用商標は、「回帰」の文字を横書きしてなるところ、該文字に相応して、「カイキ」の称呼及び「めぐりかえること、くりかえすこと」の観念が生ずること明らかである。
よって、本願商標より「カイキ」の称呼をも生ずるとしたうえで、本願商標と引用商標とを比較した原査定は、妥当なものということはできない。
さらに、外観上、両商標は、明らかに相違し、観念においても、本願商標が「めぐりかえる水」を意味するものであるのに対し、引用商標は、単に「めぐりかえること、くりかえすこと」の観念を生ずるにすぎないものであるから、両者は相違するものである。
してみると、本願商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点よりみても、相紛れるおそれのない、非類似の商標といわなければならない。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものでなく、取消しを免れない。
その他、本願を拒絶すべき理由は発見しない。
よって、結論のとおり審決する。