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Trademark Appeal Case

著名人名の品質表示性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−17693(T2000−17693/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「中村天風」の文字(標準文字)よりなり、第9類「電気通信機械器具、電子応用機械器具、録音済みの磁気カード・磁気シート及び磁気テープ」及び第16類「印刷物、書画、写真」を指定商品として、平成12年1月18日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、東京都生まれの哲学者『中村天風(1876〜1968)』に通ずる『中村天風』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるところ、これを本願指定商品中の『書籍、書画、写真、録音済みの磁気カード・磁気シート及び磁気テープ』について使用するときは、その『中村天風』に関する若しくはその思想について記載、収録した書籍、書画、写真、磁気カード・シート・テープであるとの意味合いにおいて、その内容を端的に表示する『題号』を表したものと認識されるに止まり、単に商品の品質(内容)を表示してなるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「中村天風」の文字よりなるところ、該文字は、明治9年東京府豊島郡王子村(現東京都北区王子)生まれ、大正2年「統一哲医学会」を創設、昭和15年これを「天風会」と改称し、終戦に至るまで「心身統一法」の説教を行っていたとされる哲学者「中村天風(本名「中村三郎」(1876〜1968))」を認識させるものである。

そして、同哲学者は、大正期から昭和40年にかけ、積極的な精神の啓蒙や実践を提唱し、当時の政・財界人、文化人の多くに信奉された人物であって、その思想への関心は今なお高く、同人物に関する著作物も少なくないのが実情である。

また、本願商標は、前記したとおり第9類及び第16類に属する「録音済みの磁気カード・磁気シート・磁気テープ」及び「印刷物、書画、写真」等いわゆる著作物に関連した商品に使用が予定されているものである。

ところで、人名について、著作物関連の商品における使用の態様をみると、一般的にはその著作者としての使用であるか、又は、その者が本件のように高名な者であるときは、その者に関連した著作物も少なからず存するところであって、その場合、その者に関する事項を内容とするものであることを端的に表す題号としての使用であるのが通常の態様であって、一般にもそのように理解、認識されているというのが経験則に照らし相当とする。

以上のことは例えば、Gサーチによる新聞記事検索及びインターネット検索によっても、(1)産経新聞(1999年7月24日付け)東京朝刊の13頁、「(書評)「中村天風 活きて生きた男」松原一枝著(中央公論社発行)「いまからおよそ80年も昔の大正期に、ユニークで独創的な哲学・方法としての「心身統一法」を創見し、当時の政・財界人、文化人に熱狂的に信奉された中村天風とは、どのような人物だったのか。(後略)」の記載。(2)読売新聞(2001年10月8日)西部朝刊の30頁、「[人ありて 頭山満と玄洋社]第7部「豹」から一転中村天風(連載)」の見出しのもと、「玄洋社の豹と呼ばれていた男がいた。中村三郎。手の付けられない暴れん坊だった。後に天風と名前を変え、大正時代から昭和の高度成長期にかけ、悩みを抱える人々に、積極的な心の持ち方がいかに大切か説いた。(後略)」の記載。(3)中村天風「感動の教えシリーズ」のホームページに、中村天風著作の「君に成功を贈る」「成功の実現」「心に成功の炎を」「いつまでも若々しく生きる」等の書籍が多数販売されていることの記載。(http://www.jmca.net/booky/kimini/tempuworld.html)(4)「文庫本で学ぶ天風哲学・心身統一法」のホームページに、中村天風著作の「天風瞑想録『運命を拓く』」(講談社文庫発行)に「幾多の人々を生き生きと活かした、哲人天風が説く感動の教え」、池田光著作「中村天風『自分に「奇跡」を起こせ』」(三笠書房発行)「弱い自分に義理立てするな−『性強説』を実証する天風哲学」及び宇野千代著作「天風先生座談」(廣済堂文庫発行)「(前略)作家宇野千代が記した天風先生の講話の記録」等の記載。(http://www.oh-warai.com/sinsintouitu.html)(5)「中村天風師に関するテープを紹介します。」のホームページに、タイトル「神人冥合」「積極性と人生」「新年は人生の羅針盤」「健康と長寿の秘訣」「正義と青年」等の中村天風の考え、思いを内容とする磁気テープ等が販売されていることの記載。(http://www5b.biglobe.ne.jp/matsui/book.html)(6)「天風先生の書」のホームページに、中村天風の書「餐和履順」について、安武貞雄が「和を餐し順を履むと解します。天風先生が好んでよく揮毫された言葉です。(後略)」の記載。(http://www.oh-warai.com/sho.html)等からも十分裏付けられるところである。

してみると、前記哲学者を指すと認められる「中村天風」の文字よりなる本願商標を、その指定商品中「同哲学者の作による著作物」又は「同哲学者に関する事項を内容とする著作物」等の商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、単にその商品の品質・内容を表すものとしてこれを理解し、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとは認識し得ないと判断するのが相当である。

また、指定商品中前記商品以外の商品についてこれを使用するときは、前記商品であるかの如く商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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