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Trademark Appeal Case

地名と高原の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第5395号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「嬬恋高原」の漢字を横書きしてなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節,寒天,削り節,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり」を除く。)かつお節,寒天,削り節,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,豆,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成8年4月4日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、群馬県北西部にある嬬恋村付近の高原を認識させるものであって、当該地域は高原野菜の産地として知られており、また、付近には牧場や観光地なども存するから、これを本願指定商品に使用するときは、当該地域で生産・販売された商品であるとの商品の産地・販売地を表示するにすきない。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

群馬県吾妻郡西端に位置する嬬恋村は、村域の半分以上が上信越高原国立公園に含まれる観光地として知られ、吾妻川沿いの集落を除く大部分が標高千メートル以上の風光明媚な高原状の地形にあることから、付近一帯は「嬬恋高原」の呼び名でも親しまれているところである。

このことは、ホテルやゴルフ場の所在地に「嬬恋村嬬恋高原」との表示が、また、インターネットによる嬬恋村に関する紹介記事に「嬬恋高原のキャベツ畑」、「万座ハイウェー経由で嬬恋高原まで○○Km」等の表示が、さらに、嬬恋村に関する新聞記事に、「東海大学嬬恋高原研修センター」、「嬬恋高原芸術展」、「嬬恋高原山野草愛好会」等の表示がみられること等から認めることができる(「全国ゴルフ場ガイド’93東日本編」ゴルフダイジェスト社発行1764頁、「goo」1999年9月1日インターネット情報、朝日新聞1989年1月31日群馬版、毎日新聞1999年8月5日群馬版、同1997年7月5日群馬版)。

そして、その嬬恋高原において、住民や当該地を訪れる観光客等の日常の食生活に欠かすことのできない食肉や卵等を含む本願指定商品が製造あるいは販売されていることは、嬬恋村の人口が1万1千人以上であることや、同地に多くのリゾート施設や宿泊施設が存在すること等から容易に理解することができる。

そうとすれば、「嬬恋高原」の文字は、前記「嬬恋高原」の地域で本願指定商品の製造または販売をする者によって、必要に応じ、商品の生産地、販売地を表示するものとして、その容器、包装等に任意に採択、使用され得る性質のものであるというのが相当である。

してみれば、「嬬恋高原」の文字よりなる本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者に対し、上記実情から、該商品が「嬬恋高原で製造、販売される商品」であること、すなわち商品の産地、販売地を表示するものと理解させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、登録することができない。

なお、請求人は、本願商標が登録されるべき旨主張し、3件の登録例を引用しているが、本願商標は、商品の産地販売地を表示するものであること前述のとおりであって、請求人が示す登録例の存在をもって前述の認定を覆すに至るものではなく、当該主張は理由のないものである。

よって、結論のとおり審決する。

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