Trademark Appeal Case
時期・用途表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第10067号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「元旦祝膳」の文字を縦書きしてなり、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として、平成7年2月22日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『元旦』の文字と『お祝いの料理』の意味合いを認識させる『祝膳』の文字を『元旦祝膳』と普通に用いられる方法をもって書してなるものであるから、これをその指定商品について使用しても、『元旦、正月料理用』であることを表したものと理解するにとどまり、単に商品の用途、品質、使用の時期等を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、「元旦祝膳」の文字を書してなるものであるところ、その構成中の「元旦」の語は、「元日。一月一日」(広辞苑 第4版)を意味し、後半部の「祝膳」の語は、「祝の膳」「祝儀の時、熨斗・昆布・勝栗などをのせて出す膳。」(広辞苑 第4版)を表す語として、共に広く知られている語と認められる。
そして、「祝膳(祝い膳)」については、「文字どおり祝儀などのときにだす膳のことで、その昔は、『伸す、喜ぶ、勝つ』の意にかよわせて、『熨斗、昆布、勝栗』などをのせてだすことが習いであった。現在では、おめでたいときに、その気持ちを込めた献立料理一般を祝い膳といっている。尾頭付きのタイやイセエビ、赤飯などを用意して、祝意を表すのが例である。正月のおせち料理には、口取りや祝い肴(三種肴ともいい、数の子、黒豆、五万米)、雑煮などを調えて祝い膳とする。このほか、人の一生の通過儀礼として七五三の祝いや賀寿の祝い膳(還暦、古稀、喜寿など)もある。」(「日本料理由来事典」 株式会社同朋舎出版発行)、「正月の祝いに使うからこの名があります。男の膳はやゝ低く平らで膳椀共朱塗り、黒の定紋付き、女の膳はやゝ腰高、外黒内朱塗りのものです。」(「日本料理語源集」 光琳社出版株式会社発行)、「本来祝儀の膳をいうが、おめでたいときのその気持ちを込めた献立一般を祝い膳という。例えば、尾頭つきのタイやイセエビ、赤飯などを用意して祝意を表す。また、正月のおせち料理には、口取りや祝い肴(かずのこ、黒豆、ごまめなど)、雑煮などを調えて祝い膳とする。人の一生の通過儀礼として賀寿の祝い膳(還暦、古稀、喜寿など)もある。」(「改訂 調理用語辞典」 社団法人全国調理師養成施設協会発行)、「祝い酒の、さかなをととのえた膳のこと。古くは式三献に始まる。祝儀の場合の吸い物膳や中酒膳から、しだいに転じて、今日ではおめでたいときに、その気持ちを込めた献立料理一般を、祝い膳と俗に言う場合が多い。たとえば、尾頭つきに赤飯といった表現で言われる料理とか、正月の祝いに口取り風のものや、数の子、黒豆、ごまめ、ぞう煮などをととのえて、正月の祝い膳とか、誕生の祝い膳などと言っている。」(「料理実用大事典」 主婦の友社発行)と記載されているところであり、「祝膳(祝い膳)」の語が、「祝儀の膳。おめでたいときのその気持ちを込めた献立一般」を表すことは、一般の需要者によく知られているところである。
そうとすれば、本願商標は、「元旦(正月)に祝う膳」「元日(正月)に祝儀の気持ちを込めた献立一般」の意味合いを表現したものと容易に理解し、認識せしめるものというべきである。
してみると、本願商標は、これを本願指定商品に使用した場合、本願商標に接する取引者、需要者は、前記したところにより、当該商品が元旦に祝う膳に用いる商品であることを表したものと理解するにすぎないものと認められ、該商品の品質、用途、使用の時期を表示したものと理解するにとどまり、自他商品を識別する標識としての商標を表したものと認識し得ないとみるのが相当である。
(2)請求人は、本願商標が「元旦」と「祝膳」を結合してなる造語であり、本願指定商品を取り扱う取引分野において「元旦」と「祝膳」を組み合わせて「元旦祝膳」として、普通に使用されている事実はないから、何人もが本願商標の使用を必要としているものではないことは明白であり、また、将来何人もがその使用を欲し一般に使用されることは考えられない旨主張している。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、同号に列挙されている商標は、商品や役務の内容に関わるものであるために、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所識別機能を有しないことが多く、また、特定人に独占させることは適切でないために登録することができないものとされていると解される。
そして、「元旦祝膳」が、仮に請求人によって作られた造語であるとしても、「元旦」は「元日。一月一日」を表すいいかたとして使用され、「祝膳」は、「祝儀の膳。おめでたいときのその気持ちを込めた献立一般」の意味で、いずれも古くから広く用いられている語であることは前記したとおり、顕著な事実である。
そうすると、本願商標の指定商品である茶、しょうゆ、そばつゆ等の料理に関係するものに関して用いられた場合には、それを妨げる何か特別な事情がない限り、ごく自然に「元旦(正月)用の料理に用いられる商品」を表す語として認識することになるものというべきであるから、請求人の主張は採用することができない。
(3)したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
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