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結論

敗訴(請求棄却)

第3条第1項第3号「蒸気泉の識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:平成11年審判第15676号|請求不成立)

審判番号
平成11年審判第15676号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
蒸気泉の識別力
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成11年審判第15676号・不服)は、本件商標について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「蒸気泉の識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「蒸気泉」の文字を横書きしてなり、第42類として願書に記載された役務を指定役務として平成10年3月2日に登録出願されたものである。

そして、願書記載の指定役務については、平成11年6月24日付けの手続補正書により、第42類「入浴施設の提供,一般廃棄物の収集,産業廃棄物の収集,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,植木の貸与,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),あん摩,マッサージ及び指圧,きゅう,医業,健康診断,家畜の診療」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標は、温泉の種類の一つである『蒸気泉』の文字を書してなるものであり、温泉はその成分により様々な疾病、疲労回復に効果があることが知られていることから、これを本願指定役務中『入浴施設の提供,医業,健康診断』に使用しても、『蒸気泉による入浴施設の提供,蒸気泉を利用した医業および健康診断』であるかの如く単に役務の内容、質を表示するにすぎないものと認める。また、インターネットの静岡県・静岡観光協会のホームページ『HelloNavi静岡』において『〜中でも熱海温泉には塩化物泉とともに硫酸塩泉のあり、蒸気泉も残っています。〜』の記事、財団法人岐阜県健康づくり財団のホームページの『ひだ・みの温泉ガイド 協力 岐阜県温泉協会』中の奥飛騨温泉郷の紹介に『高温泉が多く蒸気泉も見られます。』の記事も発見でき(H11.8.2現在)ることからも、温泉の携わる関係者においては『蒸気泉』の語は温泉の種類の一つを表す語として使用されているものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「蒸気泉」の文字よりなるものであるところ、その構成は「蒸気」及び「泉」の各語よりなるものと容易に理解、認識し得るものである。

そして、株式会社岩波書店(1998年11月11日発行)の広辞苑第5版によれば「蒸気」は「水蒸気の略。」を意味する語であって、用例として「蒸気圧、蒸気霧、蒸気浴」等が挙げられている。また、同構成中の「泉」の文字(語)は、一般に「地中から湧き出る水又は湯、いずみ、温泉の略」等の意味を有する語であって、用例として「泉水、温泉、源泉、泉質、間歇泉」のように各種の熟語が紹介されている。

さらに、請求人(出願人)が平成11年6月24日付けで提出した意見書に添付した甲第3号証(温泉の開発と経営)中の「4.3温泉の分類」においても、「温泉を分類する場合、その基準点のおき方でもいろいろな分類となりうる」との記載からもわかるように、学術的な特定の分類のみがすべてとはいえず、また、温泉の分類を表す場合に、その特徴を表す文字(語)に「泉」の文字(語)を連結して、温泉の各種分類としていることが伺える。

したがって、本願商標からは、全体として「水蒸気が地中から噴出している温泉」の意味合いを容易に認識、理解し得るものである。

そして以上のことは、原査定で紹介しているインターネットのホームページのほかにも、例えば、岐阜県保健環境研究所(岐阜県各務原市那加所在)が開設しているホームページ中のニュースレターNO9(http://www.com.rd.pref.gifu.jp/health/Html/letter9.htm)において「(3)奥飛騨温泉郷:北アルプスの麓、上宝村に点在する平湯、福地、新平湯、栃尾、新穂高の5つの温泉地を合わせて『奥飛騨温泉郷』といい、泉質は単純温泉、単純硫黄泉、ナトリウム−炭酸水素塩泉などで、蒸気泉、高温泉が多くあります。」との紹介記事が掲載されていること。

また、株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Searchの新聞情報データベース」により、各紙の新聞報道においても、「1988.11.10 読売新聞」に「[出かけませんか]多目的温泉保養館『クアハウス』」の見出しのもと、「 ◆“いい湯”しながらトレーニングもOK◆ ・・・・〜『クアハウス碁点(ごてん)』(山形県村山市)は、鉱物泉や蒸気泉(箱むし)など十二種類のふろ、トレーニングルーム、温水プールがある。〜・・・・」との記載があり、これらのことからも、十分に裏付けられるところである。

そうすると、本願商標をその指定役務「水蒸気が地中から噴出している温泉又は温泉の蒸気を利用した入浴施設の提供,水蒸気が地中から噴出している温泉を利用した医業」に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、前記事情によりこの施設又は医業が「水蒸気が地中から噴出している温泉を利用したもの」、すなわち、その提供に係る役務の質(内容)を表示したものと理解するに止まり、自他役務の識別標識とは認識し得ないものというべきであるから、結局、本願商標は、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する

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