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Trademark Appeal Case

地名と品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−15617(T2000−15617/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「越後魚沼秘酒」の文字を標準文字で書してなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成11年7月7日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、新潟県の旧国名である『越後』の文字と新潟県の中央部の旧郡である『魚沼』の文字と、人に知られていない方法で製造した酒の意味合いを看取させる『秘酒』の文字を一連に『越後魚沼秘酒』と書してなるものであるから、全体として『新潟県の魚沼地方で製造・販売されている人に知られていない方法で製造された貴重な酒』であることを容易に想起されるにすぎず、これをその指定商品に使用しても、単にその商品の産地・販売地、品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「越後魚沼秘酒」の文字よりなるところ、構成中の「越後魚沼」の文字は、新潟県の南部に位置し、良質な米の産地として知られ、また、その良質な米を用いた日本酒の醸造が古くから盛んに行われている地域である魚沼地域を表すものとして理解され、本願の指定商品の製造地、販売地として認識されるものである。また、構成中の「秘酒」の文字は、「秘密にしてある酒、秘密の方法で造られた酒」等の意味合いにおいて、人に知られていない特別な方法により造られた酒であり、大変貴重な酒であるかのように、酒の品質を誇称的にいい表す語として、近年では需要者間において一般的に用いられている。

(1)1986年9月20日付朝日新聞 東京夕刊「岐阜 山の幸集め秘酒づくり盛ん(列島ふるさと話)」を見出しとする記事中に「ナナカマド、イカリソウ、ハッカ、スグリ、ボケ・・・。飛騨の山里・河合村では、祖父伝来の『わが家の秘酒』づくりが盛んだ。腕ききの45人による『果実酒研究会』まで誕生した。」の記載がある。

(2)1989年2月8日付読売新聞 東京夕刊「[食べる]アイデア料理[井出]/東京・赤坂」を見出しとする記事中に「大阪で20年以上の歴史をもつ店の支店。他店にないオリジナルな料理が特徴です。シカ肉のサシミ(千八百円)、・・・ワタリガニの秘酒漬け(三千五百円より)。」の記載がある。

(3)1993年2月19日付日本食糧新聞「業務用に中華風泡菓子『ココナッツ』『桂花陳酒』を発売」を見出しとする記事中に「『桂花陳酒』は、金木犀の花弁を浸して香を含ませた清朝宮廷の秘酒・桂花陳酒をベースに使った、香り高いムースで、・・・。」の記載がある。

(4)1998年4月10日付百歳元気新聞「西太后のおやつ(点心)舌の快楽と滋養の誘惑」を見出しとする記事中に「・・・例えば秦の始皇帝の秘薬、則天武后の秘酒。これはと認めた食医の調合による生薬配合の料理の数々。」の記載がある。

(5)2000年10月17日付毎日新聞 地方版/神奈川「蔵元自慢の14地酒、飲み放題−−横浜で『秋上がりの酒まつり』」を見出しとする記事中に「横浜市内のホテルでこのほど、『かながわ蔵元秋上がりの酒まつり』(県酒造組合主催)が開かれ、約150人の参加者が各蔵自慢の日本酒を楽しんだ。・・・県内15蔵のうち14蔵が、自慢の酒3〜5種類を持ち寄った。非売品の『秘酒』も登場し、500人以上の応募者の中から抽選で選ばれた・・・。」の記載がある。

(6)2001年4月11日付日本食糧新聞「日本ツーリスト開発、『韓国の酒と食』探訪の参加者募集」を見出しとする記事中に「慶州法酒は新羅時代の都・慶州の酒。吐含山渓谷の清冽な水で造られ、製法や飲み方の作法まで決められているため『法酒』と呼ぶ。韓国三大銘酒の一つで、他に味わえない独特の香りをもつ秘酒だ。」の記載がある。

以上の事実によれば、本願商標を構成する「秘酒」の文字は、「人に知られていない製法で造られた酒」等の意味合いにおいて用いられており、酒の品質を誇称にする語として理解されるものというべきである。

そうとすれば、本願商標「越後魚沼秘酒」の文字全体からは、「新潟県魚沼地域において、人に知られていない製法で造られた酒」の意味合いを認識するものというのが相当であり、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、「新潟県魚沼地域において、人に知られていない製法で造られた酒」であると認識するに止まり、自他商品識別標識としての機能は果たし得ないものというべきであり、かつ、これをその指定商品中、前記意味合いに照応する商品以外の商品に使用したときには、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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