Trademark Appeal Case
イラストカットの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−12322(T2000−12322/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、商標の構成を「イラストカット」の片仮名文字とし、指定商品を第9類「電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,レコード,メトロノーム,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置」として、平成11年5月24日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原審は、「本願商標は、『イラストカットに関連した商品』であることを容易に認識させる『イラストカット』の文字を書してなるものであるから、これを本願指定商品中、例えば『イラストカットの画像を処理するためのコンピュータプログラムを記憶させた記録媒体』や『イラストカット用の画像及び文字を記憶させた記録媒体』等に使用するときは、単に商品の品質・内容を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の電子応用機械器具及び部品、映写フィルム、スライドフィルム、スライドフィルム用マウント、録画済みビデオディスク及びビデオテープ等に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」との拒絶の理由を示し、更に、査定書において「本願商標を構成する『イラスト』の文字は『図、図案、挿し絵』を、『カット』の文字は『印刷物などの小挿画、駒絵』を意味し、これらを総称するものとして、印刷物等のタイトルやインターネット上の各種記事において「イラスト&カット」「イラスト・カット」「イラストカット」等の文字が使用されていることからすれば、本願商標に接する需要者・取引者が該語を商品の品質・内容等を表示するものとして認識することも少なくないといわざるを得ない。」旨述べ、本願商標を上記法条項に該当するとして拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、その構成前記のとおり「イラストカット」の文字よりなるところ、構成前半の「イラスト」の文字は、「イラストレーション」の略として、「図、図案、挿し絵」の意味合いを表す語として、同後半の「カット」の文字は、これとの繋がりから「印刷物などの小挿画、駒絵」の意味合いの語を理解させるものであって、係る意味合いの両文字(語)を一連に表記したものと容易に認識できるものというのが自然である。そして、両文字(語)を結合することにより、その両語が持つそれぞれの意味合いを越え全体として新たな別異の意味合いを生じ得るものともいい難い。
そうすると、本願商標をその指定商品中の「コンピュータ用プログラム(画像及び文字データを含む。)を記憶させた記録媒体、映写フィルム、スライドフィルム、録画済みビデオディスク及びビデオテープ」に使用する場合、これに接する取引者・需要者は、上記の「イラスト」と「カット」が持つそれぞれの意味合いを理解し認識するに止まるもの、すなわち、当該商品の記録、記憶及び録画内容(品質)を表示するものと把握するにすぎないものとみるのが相当である。
(2)ところで、「イラストカット」の文字(語)について、一般紙又は産業分野の新聞記事をみると、例えば、2002年4月20日付読売新聞東京朝刊には、「小・中学校PTA広報紙コンクール『葛城』が中学校の部で最優秀賞=千葉」とする記事見出しの下、「・・・硬くなりがちな紙面を、より読みやすくするために、レイアウトを工夫したり、イラストカットを用いたり・・・」との記述、1997年3月17日付同紙東京朝刊には、「写真付きはがき・シール作成ソフト『デジカメール』を発売/インターメディア」とする記事見出しの下、「・・・年賀状から結婚や転居のお知らせなどはもちろんレターヘッドや名刺にも使えそう。パソコン初心者でも操作は超簡単・・・別売りの素材ソフト『使える写真100』『使えるイラストカット100』もある。」との記述、1996年9月20日付日本食料新聞には、「ネスレ日本、ネスカフェ・ブラックのCM放映」とする記事見出しの下、「・・・途中、ファッションモデルのしなやかな動きとダブって、黒豹のイラストカットが入る。・・・」との記述、1991年1月10日付日刊工業新聞には、「ジャストシステム、世界地図データ集ソフトを発売。『花子V2』用」とする記事見出しの下、「・・・観光地や風俗などを描いたイラストカットなどで構成。ユーザーは花子と連動することで各種統計図、分布図やプレゼンテーション用企画図などを簡単に作れる。・・・」との記述、及び1990年8月17日付同紙には、「CSK総研、FMタウンズのイラストソフトを発売」とする記事見出しの下、「・・・CD―ROM(コンパクトディスク型ROM)に収録した四千五百点のイラストカットを利用し、画面上でのレイアウトデザインが終われば、そのまま印刷するだけでオリジナルのポストカードやチラシ、POP(店頭販促用)広告などが手軽に作れるという。・・・」との記述が認められるところであり、「イラストカット」の文字は、パーソナルコンピュータ(ソウトを含む。)を取り扱う業界をはじめ一般世人においても、「図、図案、挿し絵及び印刷物などの小挿画、駒絵」の意味合いを容易に理解・認識させ、かつ、普通に用いられるものとみて差し支えないものといえる。
(3)結局、「イラストカット」の文字からなる本願商標をその指定商品中の「コンピュータ用プログラム(画像及び文字情報を含む。)を記憶させた記録媒体、映写フィルム、スライドフィルム、録画済みビデオディスク及びビデオテープ」に使用するときは、上述(1)の認定のとおりであって、これを同(2)の各紙新聞報道により裏付けることができることよりして商品の品質を端的に表現したものと理解されるに止まり、それをもって商品の出所識別の標識とは認識し得ないものといわなければならない。
そうすると、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわざるを得ない。
また、これを指定商品中、「図、図案、挿し絵及び印刷物などの小挿画、駒絵についてのデータを記録(記憶又は録画)内容としない上記商品」について使用するときは、商品の品質(記録等の内容)について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するものというべきである。
したがって、これと同趣旨をもって本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消す理由はない。
よって、結論のとおり審決する。
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