Trademark Appeal Case
品質効能表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−653(T2000−653/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「SOFT CHEMICAL PEELING」の欧文字と「ソフトケミカルピーリング」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成10年10月27日に登録出願、指定商品については、願書記載の指定商品を、当審において、平成14年5月29日付けの手続補正書により、第3類「化粧品」に補正されたものである。
2 当審の拒絶の理由
当審において、新たに請求人(出願人)に対して通知した拒絶の理由は、次のとおりである。
[拒絶の理由の要旨]
本願商標の構成中の「SOFT」「ソフト」の文字は、「穏やかな、柔らかな」等の意味合いを有し、「CHEMICAL PEELING」「ケミカルピーリング」の文字は、エステティックサロン、美容外科、皮膚科などで行われている「ニキビ、肌のシミ等に対し肌をきれいにする治療法」という程の意味合いを有するものとして、特に女性の間では一般的に良く知られているものであるから、これからは、全体として「作用の穏やかなケミカルピーリング」の意を看取させるものである。ところで、一般の化粧品にも、作用の穏やかな乳酸やサリチル酸を配合し、肌の柔軟効果や保湿効果を持たせたものもあり、最近では、アルファヒドロキシ酸(AHA:通称フルーツ酸)の濃度や種類を考慮して、家庭でできるケミカルピーリング化粧品が発売されていることよりすれば、本願商標をその指定商品中「化粧品」に使用するときは、その商品が作用の穏やかなケミカルピーリング用のものであると理解するに止まり、単に商品の品質、効能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品について使用をするときには、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
当審における、商標法第4条第1項第16号に該当する旨の拒絶の理由は、上記手続補正書による指定商品の補正の結果、解消したものと認められる。
そこで、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて検討するに、本願商標は、前記のとおりの文字を書してなるところ、構成中の「SOFT」「ソフト」の文字は、「柔らかなさま、穏やかなさま」等の意味を有し、非常に親しまれているものであり、また、「CHEMICAL PEELING」の欧文字を片仮名文字で表したものと認められる「ケミカルピーリング」の文字は、新聞、インターネット等によれば、エステティックサロン、美容外科、皮膚科などで行われている「ニキビ、肌のシミ等に対し肌をきれいにする治療法」という程の意味合いを有するものとして、特に女性の間では一般的に良く知られているものであるから、これは全体として「作用の穏やかなケミカルピーリング」の意を看取させるものである。
そして、「ケミカルピーリング」の文字が本願指定商品「化粧品」を取り扱う業界において、取引上普通に使用されている実情としては、例えば、次のような新聞記事及びインターネットによるホームページの情報等により、是認できるところである。
(1)「最近では、AHAの濃度や種類を考慮して、家庭でできる
ケミカルピーリング化粧品
が発売されている。また、一般の化粧品にもAHAの仲間で作用の穏やかな乳酸やサリチル酸を配合し、肌の柔軟効果や保湿効果を持たせたものもある。自分の肌に合わせて、安全に処方された化粧品を正しい使い方で使用するなら、角質ケアの新しい化粧品ともいえる。」(【ぎもん解凍】ケミカルピーリング 正しく使えば角質ケアに効果 1999.9.23産経新聞東京朝刊)
(2)「◇効果うたう化粧品も ケミカルピーリングは自費診療。医療機関によって1回数千円から数万円と幅が大きい。
ピーリング効果をうたう化粧品も市販されている。
成分の濃度が薄いので、効果も危険も少ないという。」(美顔術を試してみました 上手に選んでつやつやに(元気) 2002.4.16朝日新聞東京朝刊)
(3)「
ケミカルピーリング
は、AHA(アルファヒドロキシ酸)などを皮膚に塗って角質をはがす美顔技法。・・・ピーリングについて、米国食品医薬品局や化粧品業界は、溶液濃度により
『化粧品』
『教育を受けた技術者』『医師』と取り扱いのレベルを三段階に分けているが、日本ではこうした基準は一切ない。レーザー機器でも資格は必要とされない。」(エステ待った レーザー脱毛やピーリング 厚生省が「医療行為」と通知 2000.11.17読売新聞東京朝刊)
(4)「毎日のお手入れにGLYDERMの
ケミカルピーリング化粧品
をお使いいただけば、古い角質層が徐々にはがれツルツルの肌が再生されます。・・・GLYDERMの
ケミカルピーリング化粧品
は、アメリカを中心とした欧米諸国では1,500人以上の皮膚科医や美容整形医を通じて、すでに150万人以上の方々にご愛用いただいています。」(http://www.tamasumi.sokei.co.jp/GlyDerm.htm)
(5)「AHAはAlphaHydroxyAcidの略でフルーツ酸とも呼ばれます。古い角質の自然な剥離(ピーリング)を促進すると同時に、新しい細胞、コラーゲン・エラスチンの生産を高めると言われ、最初は皮膚科の医者が治療用に高濃度で使用していました。メンズエステは、
ケミカルピーリング化粧品
ではめずらしい複数の天然フルーツ酸を、低濃度にスキンケア成分として配合し、穏やかで、植物の持つ自然の力を活かした基礎化粧品です。」(http://www.smile8.net/cart/biyou3.html)
そうとすれば、本願商標を補正後の指定商品「化粧品」に使用した場合、上記実情からして、これに接する取引者、需要者は、その商品が「作用の穏やかなケミカルピーリング化粧品」であると認識し、商品の品質、効能を表示したものと理解するにとどまるものであるから、本願商標は、結局、商品の品質、効能を表示したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
したがって、原査定は、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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