Trademark Appeal Case
品質表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−1366(T2000−1366/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「抗酸化コントロール」の文字を標準文字で書してなり、第29類「食用油脂」を指定商品として、平成10年9月10日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、油脂、その他各種食品の他、生体等の『酸化を防ぐ』の意として例えば『抗酸化成分、抗酸化物質』の如く使用されている『抗酸化』の文字と、『制御』の意として親しまれている『コントロール』の文字を一連に『抗酸化コントロール』と普通に用いられる方法で書してなるところ、上記成分及び物質は、胡麻、茶等の商品に含まれ、サラダ油等の油脂の酸化防止の効果等が認識されているところである(いずれも『日本食糧新聞』1992年3月25日付け6面、1996年3月1日付け8面)。以上よりすれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、『抗酸化成分をコントロール(多くしたり、少なくしたり)した食用油脂』を認識させるに止まり、単にその商品の品質、成分を表したものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「抗酸化コントロール」の文字を書してなるところ、老化や生活習慣病の原因として新聞、テレビ、インターネットなどで数多く取り上げられて話題となっている活性酸素(原子状態の酸素や電子状態が不安定な酸素分子。生体内では白血球の殺菌作用など多くの生理現象に関与する。細胞を直接的あるいは間接的に傷つけ、老化の一因をつくる。[大辞林第二版:株式会社三省堂])に関し、これを体内から除去するなど体内の活性酸素を抑制する働きについては、新聞等で「抗酸化作用」と一般的に使用されていることから、その構成中前半部分の「抗酸化」の文字は、「体内の活性酸素を抑制すること」という程の意味合いを容易に理解させるものである。
そして、食品中には「抗酸化物質」(体内の活性化酸素を分解する作用のある物質。ビタミンC、ベータ-カロテン、ポリフェノールなど。[デイリー新語辞典:株式会社三省堂])が含まれており、これが活性酸素の働きなどを抑制する作用のあることは、健康食品、栄養補助食品等の業界において一般的に知られているところである。
また、後半部分の「コントロール」の文字は、「制御すること、統制、管理、調節」(広辞苑第五版:株式会社岩波書店)等の意味を有するものとして日常親しまれているものであり、食品を取り扱う業界においては、例えば、カロリーのコントロール(調節)された食品が「カロリーコントロール食品」として一般に販売されているところである。
してみれば、食品との関係において「抗酸化コントロール」の文字の全体からは、「(食品中に含まれる抗酸化物質の量により)抗酸化の効果を調節した商品」等の意味合いを容易に認識するものというのが相当である。
そうとすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、上記実情からして、これに接する取引者、需要者は、その商品が「抗酸化の効果を調節した食用油脂」であると認識し、商品の品質(効能)を表示したものと理解するにとどまるものであるから、本願商標は、結局、商品の品質を表示したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は、妥当であって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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