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Trademark Appeal Case

品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−1368(T2000−1368/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「抗酸化アップ」の文字を標準文字で書してなり、第29類「食用油脂」を指定商品として、平成10年9月30日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『酸化を防ぐ割合をアップさせた商品』であることを認識させる『抗酸化アップ』の文字を書してなるにすぎないから、これを本願指定商品に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認められる。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「抗酸化アップ」の文字を書してなるところ、老化や生活習慣病の原因として新聞、テレビ、インターネットなどで数多く取り上げられて話題となっている活性酸素(原子状態の酸素や電子状態が不安定な酸素分子。生体内では白血球の殺菌作用など多くの生理現象に関与する。細胞を直接的あるいは間接的に傷つけ、老化の一因をつくる。[大辞林第二版:株式会社三省堂])に関し、これを体内から除去するなど体内の活性酸素を抑制する働きについては、新聞等で「抗酸化作用」と一般的に使用されていることから、その構成中前半部分の「抗酸化」の文字は、「体内の活性酸素を抑制すること」というほどの意味合いを容易に理解させるものである。

そして、食品中には「抗酸化物質」(体内の活性化酸素を分解する作用のある物質。ビタミンC、ベータ-カロテン、ポリフェノールなど。[デイリー新語辞典:株式会社三省堂])が含まれており、これが活性酸素の働きなどを抑制する作用のあることは、健康食品、栄養補助食品等の業界において一般的に知られているところである。

また、後半部分の「アップ」の文字は、「上がること、上げること」(大辞林第二版:株式会社三省堂)等の意味を有するものとして日常親しまれており、例えば、「鮮度アップ、おいしさアップ、価格アップ、成分が○○%アップ、グレードアップ、レベルアップ」などのように一般的に使用されているところである。

ところで、食品には体調を調節して病気を予防するという働きがあることが注目され、その働きを効率的に発揮するよう工夫された食品が「機能性食品」と呼ばれ、わが国でも1980年代初めから、クロレラ、ロイヤル・ゼリーといった商品が出始め、現在では様々な機能性食品が健康食品、栄養補助食品等として開発されているところである。

そうとすると、このような食品との関係において、「抗酸化アップ」の文字の全体からは、「(食品中に含まれる抗酸化物質の量により)抗酸化の効果が上がる」という程の意味合いを容易に認識するものというのが相当である。

してみれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、上記実情からして、これに接する取引者、需要者は、「抗酸化の効果が上がるという機能を持った食用油脂」であると認識し、商品の品質、効能を表示したものと理解するにとどまるものであるから、本願商標は、結局、商品の品質、効能を表示したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は、妥当であって、これを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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