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Trademark Appeal Case

脂肪酸コントロールの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−1367(T2000−1367/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「脂肪酸コントロール」の文字を標準文字で書してなり、第29類「食用油脂」を指定商品として、平成10年9月10日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、脂肪を構成する『脂肪酸』の文字と、『制御する』の意として親しまれている『コントロール』の文字を一連に『脂肪酸コントロール』と普通に用いられる方法で書してなるところ、脂肪を軽減した牛乳他、各種食品が流通している実情がある。以上よりすれば、これをその指定商品である『食用油脂』に使用するときは、『脂肪酸をコントロール(多くしたり、少なくしたり)した食用油脂』であることを認識させるに止まり、単にその商品の品質、成分を表したものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「脂肪酸コントロール」の文字を書してなるところ、前半部分の「脂肪酸」の文字は、「炭素原子が鎖状に結合したモノカルボン酸の総称。酢酸・パルミチン酸・ステアリン酸・オレイン酸などの類。高位のものはグリセリン‐エステルとして脂肪を構成、またアルコール‐エステルすなわち蝋として存在する。低位のものも遊離酸・塩・エステルとして広く生物界に分布。生体内で、トリカルボン酸回路で酸化されエネルギー源とされる。」(広辞苑第五版:株式会社岩波書店)の意味を有し、一般的には油脂を構成する主成分と理解されている。

そして、脂肪酸は、その構造によって飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸に分類され、これらの脂肪酸をバランス良く摂取することが大切であるとされている。

ところで、植物油等には、リノール酸、オレイン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれていて、これらがコレステロール、中性脂肪の増減等に関連していることが知られているところであるが、近年の健康ブームから、健康食品として肥満の予防、生活習慣病の予防につながる機能性を持った商品が食用油脂においても開発、販売されているところである。

また、後半部分の「コントロール」の文字は、「制御すること、統制、管理、調節」(広辞苑第五版:株式会社岩波書店)等の意味を有するものとして日常親しまれているものであり、食品を取り扱う業界においては、例えば、カロリーのコントロール(調節)された食品が「カロリーコントロール食品」として一般に販売されているところである。

してみれば、食品との関係において「脂肪酸コントロール」の文字の全体からは、「脂肪酸の成分を調節した商品」等の意味合いを容易に認識するものというのが相当である。

そうとすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、上記実情からして、これに接する取引者、需要者は、その商品が「脂肪酸の成分を調節した食用油脂」であると認識し、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるものであるから、本願商標は、結局、商品の品質を表示したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は、妥当であって、これを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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